ネブラスカ州では、男がトラックで店に突っ込み、警察に撃たれて死亡した。
KOLN
- アメリカのネブラスカ州リンカーンでは、ファストフード・チェーン「チックフィレイ(Chick-fil-A)」の店舗に男がトラックで突っ込み、警察に撃たれて死亡した。
- トラックで突っ込む前、男は店内でテーブルをひっくり返したり、食べ物を投げつけたりするなどして、店から追い出されていたと報じられている。
- アメリカでは、ファストフード店で働く人たちが暴力の被害に遭うケースが多く、社会問題となっている。2017年には89人が死亡、7万2310人が負傷している。
ネブラスカ州にあるチックフィレイに男がトラックで突っ込み、警察に撃たれて死亡した。この事件は、アメリカのファストフード業界で働く人々が直面する危険に関する暗い真実を明らかにするものだ。
10月8日(現地時間)、ネブラスカ州リンカーンにあるチックフィレイにトラックが突っ込み、店から客と従業員が逃げ出した。警察が記者会見で説明した。
警察によると、ジョセフ・F・チミノ容疑者(48)はチックフィレイでトラブルを起こして、店から追い出された。当時、店で働いていた従業員のトーマス・アリアスさんは、騒ぎが聞こえたと思ったら、客の1人がテーブルをひっくり返し、食べ物を投げつけ、「ただのサンドイッチじゃないか! 」と怒鳴るのを目撃したとLincoln Journal Starに語った。
店から追い出された後、チミノ容疑者は2018年製のダッジ(Dodge)のピックアップ・トラックに乗り、チックフィレイの建物に突っ込んだと、警察は発表している。
チミノ容疑者は「騒ぎ」を起こし続け、車から降りた後も店から逃げ出してくる人々を威嚇したという。警察は、チミノ容疑者が武器を所持していたため、バーリントン・ノーザン・サンタフェの特別捜査官によって撃たれたとしている。
リンカーン警察によると、チミノ容疑者は現場で死亡が確認されたという。
10月9日の声明の中で、警察は「計画性のある犯行であったことを示す証拠は見つかっていない」とした上で、捜査は継続中だと述べた。
ファストフード業界で働く人々が直面する危険
2018年にレストラン・チェーン「ワッフル・ハウス」で起きた銃乱射事件で犠牲となった4人を悼む十字架。
AP Photo/Mark Humphrey
死者を出した今回の事件は、ファストフード業界で働く多くの人々が直面している危険を改めて明らかにするものだ。
労働統計局のデータによると、食品業界では2017年に29人の労働者が仕事中に殺害された。2016年は26人、2015年は23人、2014年は15人が犠牲になった。
2017年には合計89人が命にかかわる怪我が原因で死亡し、7万2310人が負傷した。
マクドナルドのある従業員は8月、「一部の人間にとっては、絶えず人を値踏みし、ジャッジし、避難経路や一番安全な場所を考えておくことが大事になっている」とBusiness Insiderに語った。
「嘘はつかないだろう、何か考えがありそうだ、こいつは銃を持ってる、わたしはきっと死ぬんだ、冷蔵庫に隠れさせて……と」
セキュリティー・コンサルティング会社「Threat Suppression」のマイク・クランプナー(Mike Clumpner)社長によると、レストラン業界は「飛び火する暴力」という独特な脅威に直面しているという。こうしたケースでは、犯人は特別、店を標的にしているわけではなく、従業員はギャング絡みの暴力や家庭内のいざこざ、その他の個人間またはグループ間のもめごとに巻き込まれている。
(翻訳、編集:山口佳美)