50歳以下の超富裕層のうち、女性は18.8%を占める。
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- リサーチ企業、Wealth-Xの2019年度版世界の超富裕層レポートによると、純資産が3000万ドル(約32億円)以上の超富裕層26万5490人のうち、女性はわずか3万8700人だった。
- それでも過去最高の記録だった。
- 超富裕層の中には、遺産などでなく自ら資産を形成する女性も増えている。
- とはいえ、超富裕層1人当たりの平均純資産額に達する女性は少ない。
2018年に資産額が3000万ドル(約32億円)以上の人のうち、女性が占める割合は7人に1人、15%にも達しなかったことが、リサーチ企業、Wealth-Xのレポートで明らかになった。
それでも過去最高の記録だ。
「年を追うごとに、女性はますます豊かな起業家精神を持つようになってきたと思う」と、Wealth-Xのマヤ・インベルグ(Maya Imberg)氏はBusiness Insiderに語った。
「超富裕層を構成する人のデータに、それが表れてきた」
Wealth-Xは「超富裕層」を純資産が3000万ドル(約32億円)以上の人と定義している。同社が公開した2019年度版世界の超富裕層レポートによると、超富裕層の数は全世界で26万5490人、そのうち女性は3万8700人で14.6%を占めた。50歳以下であれば女性の割合は18.8%に増加し、時間の経過とともに女性の割合は増加する傾向にあることを示唆している。
超富裕層の女性は、かつては遺産を相続した人が多かったが、今では自ら財産を築く女性もいる
Wealth-Xによると、過去数十年の間、超富裕層の女性は、遺産を相続した人が多かった。女性の起業家の増加は、女性の超富裕層の増加と相関関係にあると、インベルグ氏はBusiness Insiderに語った。
しかし、女性が事業を立ち上げようとすると、いまだに逆風にさらされると、Business Insiderは報じている。2019年上半期では、女性が設立したスタートアップへの投資額は、ベンチャーへの投資額全体の2.9%を占め、女性設立者による資金調達として史上最高額となった。
起業することは、富を形成する最も一般的な方法だ。Wealth-Xによると、超富裕層の中で自ら財産を築いた人は、ここ10年で増え続け、2018年には全体の67%に達した。
ユニクロの創設者であり日本一裕福な柳井正氏は、世界一成長の早い衣料小売店の創設者という自身の仕事について、実際は「女性の方が適している」と語っている。女性の方が「我慢強く、細部に気を配り、美的センスにも優れている」からだという。
超富裕層1人当たりの平均純資産額と比較すると、超富裕層の女性の純資産額は低いことをWealth-Xは明らかにした。世界の超富裕層のうち14.6% は女性だが、その純資産額は超富裕層全体の10.3%にとどまる。このギャップは70歳以上のグループではより大きい。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)