スマホ世界1位のサムスンの本気が日本でも ── 折りたたみスマホGalaxy Foldや2万円台のA20で勝負をかける

Galaxy Fold

ついに折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」が日本に上陸した。

撮影:小林優多郎

サムスンは、日本市場向け新型スマートフォンの発表会を開催した。今回発表になったのは以下の3機種。カッコ内の発売予定日と予想実売価格はKDDI向けのもの。

  • Galaxy Fold(10月25日、税込み24万円台)
  • Galaxy Note10+(10月18日、税込み11万円台)
  • Galaxy A20(10月下旬、税込み2万円台)

Galaxy Note 10+

KDDIでは、Galaxy Note 10+も登場。なお、10+より小型な「Galaxy Note 10」は発表されていない。

とくに、日本初となるフォルダブル(折りたたみ)スマートフォン「Galaxy Fold」に関しては、KDDIが「(2019年9月時点で)国内で独占発売」とうたっている。

折りたたみという他のスマートフォンにはない特徴はあるものの、24万円強という価格から、多くのユーザーはペン付きのNote10+や性能や価格のバランスをとったA20を選ぶだろう。

だが、日本にこうした最先端のデバイスが上陸した点、またその端末を国内通信事業者の1社が採用した点は、日本市場の消費者の選択肢の幅を広げるという観点から評価したい。

“ほぼグローバル版”が日本に上陸

Galaxy Fold 折りたたみ時

Galaxy Foldは折りたたんだ状態でも4.6インチディスプレイのAndroidスマートフォンとして動作する。

Galaxy Foldは2月には発表されていたものの、ディスプレイや折りたたみ機構などに不具合が見つかり正式な発売が遅れた。その後、サムスンは問題点を改善した上で、9月に韓国や欧州での発売にこぎつけた

日本版Galaxy Foldは、グローバル版との仕様の違いはほとんどない。

ディスプレーは折りたたみ時は4.6インチ、開いたときは7.3インチ。チップセットはクアルコム製の高性能端末向け「Snapdragon 855」を搭載。メモリーは12GB、ストレージは512GB。カメラセンサーは、合計で6基搭載し、ディスプレイを閉じていても開いていても利用できる。

Galaxy Fold マルチタスク

Galaxy Foldは開いた時、その大画面とハイスペックさを活用して3つのアプリを同時起動できる。

Galaxy Fold カメラ

開いた際、正面にも2つのカメラを備える。そのため、背景をぼかしたセルフィーも容易に撮影できる。

あえて違う点を挙げるとすれば、KDDIのネットワークへの最適化や各サービスアプリをプリインストールしている点、そして折りたたみ用のヒンジ部のロゴが、グローバル版では「SAMSUNG」となっているが。国内版では「Galaxy」とブランド名の刻印が施されている点だ。

Galaxy Fold ヒンジ部

日本版Galaxy Foldは「Galaxy」ロゴがヒンジ部にあしらわれている。

Galaxy Fold 技適マーク

当然だが、国内で一般人が携帯無線通信をするのに必要な「技適マーク」もしっかり表示される。

なお、同社のNote10+やA20とは異なり、日本ではお馴染みとも言えるおサイフケータイや防水防塵性能はFoldでは非搭載となる。この点について、Foldの企画開発を担当するサムスン電子ジャパンの牧拓未氏は「製品の性質上、グローバルで出荷できる端末数は限られており、各国で最低限のカスタマイズをした後に提供することになっている」と語っている。

コスパ重視端末から奇抜なFoldまで、全方位で日本市場に挑む

Galaxy 2019ラインナップ

サムスンは、2019年に記念モデルでもあるFoldから、ハイエンドのS10、Note 10、そしてミドルレンジのA20まで幅広いラインナップを用意した。

発表会でサムスン電子ジャパンのプロダクトグループ次長を務める猪股裕行氏は「今年と来年(2019年と2020年)は大事な年。今年は時代が令和に変わり、2020年には五輪と5Gのスタートが控えている」と発言した。

2019年は「Galaxy S」の登場から10年目にあたり、さらに2020年には猪股氏が言うように、サムスンが1998年からワールドワイドパートナー(ワイヤレス通信機器カテゴリー)を務めるオリンピックが日本で開催される。

Galaxy A20

KDDIで税込2万円台となるGalaxy A20。

サムスンは世界1位のシェアを持つスマートフォンメーカーだが、iPhoneの人気や2016年の「Galaxy Note 7」の発火事件などの影響もあり、日本では存在感を長らく示せないでいた。

しかしその後、ハイエンドモデルだけではなく、価格が安く機能は十分なミドルレンジモデルなどを展開。従来は通信大手3キャリアでのみ販売していたが、最近ではUQ mobileや楽天モバイルといった格安SIMを扱うMVNO事業者にも販路を広げるなど、巻き返しを図っている。

なお、Galaxy Foldは東京・原宿にある同社施設「Galaxy Harajuku」もしくは KDDIおよび沖縄セルラーの直営店舗、一部家電量販店での取り扱いや展示が行われる。サムスン渾身の日本向けスマホを試したいユーザーは、ぜひその目で確かめてみよう。

(文、写真・小林優多郎)

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