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- アップルの最高経営責任者(CEO) ティム・クックは従業員に宛てたメモの中で、香港の抗議者が警察の活動を監視するために使用していたアプリをApp Storeから削除するという同社の決定を支持していた。
- Bloombergが入手したスタッフへのメモによると、クックCEOは、このアプリが「個々の警察官を暴力の標的にした」ために削除された、と述べたという。
- クックCEOはメールの中で、 香港サイバーセキュリティ・テクノロジー犯罪局とユーザーから、このアプリがこのように使用されていることを示す「信頼できる情報」を受け取ったと述べた。
アップルの最高経営責任者(CEO)、ティム・クック(Tim Cook)は、香港の抗議活動の参加者が警察の動きを追跡するために使用していたアプリをApp Storeから削除するという同社の決定を支持していた。
Bloombergのマーク・ガーマン(Mark Gurman)が入手したアップルの従業員宛ての電子メールによると、このアプリ「HKmap」は「個々の警察官を悪意をもって暴力の標的にする」ことと「警察がいない場所で犯罪行為を行う」ために使われていたことで削除された。
Bloombergによると、クックCEOは同アプリがこのような方法で使用されていることを示唆する「信頼できる情報」を香港サイバーセキュリティ・テクノロジー犯罪局と香港のユーザーから受け取ったと述べたという。
クックCEOは電子メールで「この決定は決して簡単なものではなかった。激しい議論の最中であったのでなおさらだ」と述べたという。
「国内的そして国際的な議論は、長く続くだろう。それは重要ではあるが、事実を決めるものではない。この場合、我々が徹底的にレビューした末のこの決定がユーザーを保護する最善策であると信じている」
Bloombergに掲載された電子メールの内容は、10月10日にPastebinで公開されたクックから従業員へのメモだと言われている投稿に似ている。
アップルの広報担当者は、Pastebinに投稿されたメモが本物かどうかについて、Business Insiderの問い合わせに回答しなかった。
クックCEOの電子メールの内容は、アップルが出したコメントと一致しており、批判を浴びている。アップルがBusiness Insiderに対して10月10日に出したコメントの全文は以下のとおり。
App Storeは、アプリを見つけるための安全で信頼できる場所となるように作られた。我々はHKmapというアプリが香港の法執行機関や住民を危険にさらすように使われたのを知った。香港の多くのユーザーからこのアプリについて問い合わせがあり、すぐに調査を開始した。このアプリは警察のいる場所を表示するものだ。我々が香港サイバーセキュリティ・テクノロジー犯罪局に確認したところ、警察を標的にして待ち伏せし、公共の安全を脅かし、警察のいない地域で犯罪者が住民を犠牲にするために使用されていることがわかった。このアプリは当社のガイドラインと現地の法律に違反しているため、App Storeから削除した。
中国共産党の機関紙、人民日報が、アップルが同アプリを公開し続けているとして非難した後、アップルは同アプリを削除した。アメリカのジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)上院議員や、香港立法会のチャールズ・モック(Charles Mok)などがこの決定に抗議している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)