フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグ。
Reuters
- マスターカード、Visa、eBay、Mercado Pago、Booking HoldingsとStripe は、フェイスブックの暗号通貨プロジェクト「リブラ」から撤退する。
- PayPal もここ数週間、リブラに関してフェイスブックとの交渉を行っていない。
- フェイスブックとリブラは、パートナーとの関係が悪化していることに加え、議員からの厳しい監視も受けている。この構想の将来は不透明なままだ。
- フェイスブックの幹部で「リブラ」プロジェクトを率いるデビッド・マーカスは、Visaとマスターカードがここまで参加していたことに感謝し、「このアップデートでリブラの運命が変わるとは思わない」と述べた。
リブラ(Libra)に参加していた多くの企業が離脱し始めたことで、このフェイスブックの暗号通貨プロジェクトの未来は危ぶまれている。
フェイスブックが提唱する暗号通貨 「リブラ」 に、Mastercard、Visa、eBay、Stripe、Mercado Pagoが参加しなくなると、ファイナンシャル・タイムズとブルームバーグが報じた。フェイスブックはBusiness Insiderにこれを認めた。14日、CNBCはBooking Holdingsもリブラを運営するリブラ協会から離脱したと報じた。同社にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
PayPalは10月4日、主要パートナーとして初めて同団体を脱退した。
議員たちから厳しい監視に加えて、この撤退はリブラに大きな打撃を与え、その将来は不透明なままだ。
元PayPal社長でリブラプロジェクト責任者のデービッド・マーカス(David Marcus)は、MasterCardとVisaがプロジェクトをここまで参加してくれたことに感謝のツイートをし、このことでリブラの運命が変わるわけではないと述べた。
このニュースでリブラの運命を判断しないようにしてほしい。もちろん短期的には良いニュースではないが、ある意味、解放でもある。新しい情報を間もなく提供する。この規模の変革は困難なものだ。
eBayの広報担当者はBusiness Insiderに対し「リブラ協会のビジョンを高く評価する。しかし、eBayは設立メンバーとして参加しないことを決定した。現時点では、eBayの管理支払いサービスを顧客に提供することに注力する」と述べた。
Visaは「リブラ協会に参加しないことを決めた」と広報担当者はBusiness Insiderに語った。
「我々は引き続き評価を行い、最終的な決定は、すべての必要な規制を満たすための能力を含む多くの要因によって決定される。当社がリブラに関心を持ち続けているのは、管理されたブロックチェーンベースのネットワークが、安全なデジタル決済の価値を、多くの人、特に新興国や発展途上国の人々に拡大できると考えているからだ」
Stripeは別の声明で、将来は協会への復帰を検討すると述べた。
「Stripeは、世界中の人々がオンラインコマースをより利用しやすくすることを目指すプロジェクトには支援を惜しまない」と広報担当者はBusiness Insiderに語った。「リブラにはこの可能性がある。我々は、その進展を緊密にフォローし、後の段階でリブラ協会と協力する用意がある。」
マスターカードの広報担当者のコメントは得られていない。ウォール・ストリート・ジャーナルの最近の記事によると、マスターカードとVisaは議員から協会を離脱するように求められた。両社はフェイスブックの暗号通貨に対する支持を表明することに消極的だという。
フェイスブックは6月にリブラの計画を発表し、実用化の前にアメリカとその他の国の規制当局の懸念を払拭するよう努力すると述べた。
マーカスは7月に行われた米上院の公聴会で、議員の懸念を和らげようとした。議員らは、フェイスブックがリブラを安全に保つことができるかどうかについて懸念を表明し、暗号通貨が同社に市場支配力を与え過ぎるのではないかと疑問を呈した。
フェイスブックの最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグは、10月23日に下院金融委員会で証言する予定であり、リブラに関してさらに厳しい質問に直面する可能性が高い。
「リブラプロジェクトの目標と使命に対する彼らの支援に感謝する」と、リブラ協会のポリシーおよびコミュニケーションの責任者であるフェイスブックのダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)は声明でBusiness Insiderに語った。
「我々は世界の大手企業、組織、その他の利害関係者との間に強力な関係を構築し、これまでの金融障壁を打破する、安全で透明で消費者に優しいグローバルな決済システムの実装を目標にしている」
「協会のメンバーの構成は時間とともに成長し、変化する可能性があるが、リブラのガバナンスとテクノロジーの設計原理は、このプロジェクトのオープンな性質とともに、リブラのネットワークを維持することに貢献するだろう」と彼は続けました。
「リブラ協会の最初の会議を開き、リブラ協会の設立メンバーを発表することを楽しみにしている」
10月15日、リブラ協会はツイッターで21の団体が正式な発足メンバーとなったことを発表した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)