グーグルは、Pixel 4を含む新しい「Made by Google」製品を発表した。
出典:グーグル
グーグルは10月15日(現地時間)、アメリカ・ニューヨークにて新製品発表会を実施。スマートフォン「Pixel 4」やスマートスピーカー「Google Nest Mini」など最新の自社製品を発表した。
一部の製品は日本で展開されないものがあるが、グーグルが公開しているストアのヘルプページによると、少なくとも「Pixel 4/4 XL」や「Google Nest Mini」「Google Nest Wifi」は日本でも発売される見込みだ。
どの製品もグーグルが研究・開発を進める機械学習の成果を機能に盛り込んでいる。既存製品からどのように進化したのか、注目ポイントを紹介しよう。
1. 強力なカメラ機能は2眼構成でさらに進化
Pixel 4のカラーバリエーションは、Just Black、Clearly White、Oh So Orangeの3色展開。
スマートフォン「Pixel 4」シリーズは、5.7インチディスプレイのPixel 4、6.3インチのPixel 4 XLを用意する。価格はPixel 4が799ドル(約8万7000円)から、Pixel 4 XLが899ドル(約9万8000円)から。
ディスプレイは前世代のPixel 3シリーズと同様にどちらも有機ELを採用するが、3/3 XLと異なり4/4 XLシリーズでは、どちらも正面カメラがディスプレイと一体化したデザイン(いわゆるノッチレス)で、画面縦横比も19対9と共通したものを採用している。
Pixel 4のディスプレイは、90Hzのリフレッシュレート(画面描画速度)で駆動する。
詳細なスペックについては、ディスプレイやバッテリー以外の大まかなものは4も4 XLで共通しており、クアルコム製の高性能チップセット「Snapdragon 855」、6GBメモリー、64GBもしくは128GBのストレージを採用する。
Pixel 4の背面カメラは、2つのレンズを搭載する。
Pixel 3シリーズではカメラ性能の高さが好評を博したが、4シリーズでも健在のようだ。
とくに、背面カメラはシングルレンズからデュアルレンズ構成に変更。同社が“プロカメラ並みのボケ”と称するポートレートモードや、星空もしっかり撮れる夜景モード、プレビュー時でも撮影結果と同じ画を確認できる「Live HDR+」などが強化されている。
一方正面カメラは、デュアルレンズ構成からシングルレンズへと変更している。Pixel 3では正面に視野97度と75度の2つのレンズを採用していたが、Pixel 4では90度のレンズのみとなっている。
2. タッチレス操作は日本では“おあずけ”?
発表会ではMotion Senseのデモとして、一瞬だがピカチュウが出現。スマホの上で手を横切るとピカチュウが反応してくれる壁紙のようだ。
Pixel 4にはもう1つ注目の機能がある。「Motion Sense」と呼ばれる、ジェスチャーによるタッチレス操作機能だ。
この機能を使えば、音楽アプリ起動時に手を画面にかざせば再生をストップしたり、手を振れば次の曲へ送ったりできる。アラームやタイマーを起動していれば、同様にオンオフなども可能。
しかも、機械学習により検知した手の動きがユーザーが意図したものかどうか判別できる。例えば、Pixel 4の上でコーヒーカップを持った手が横切ってもMotion Senseの機能が発揮されることはないという。
Motion Senseの紹介動画
出典:グーグル
タッチレス操作というと、やや奇抜なものに思えるが、Motion Senseのセンサーは画面ロック解除などの顔認証にも活用されており、グーグルはPixel 4について「最も速い顔認証機能」としている。
しかし、日本では発売当時、このMotion Senseが利用できない見込みだ。理由としてはMotion Sense用のセンサーは60GHz帯の電波を活用しており、日本の電波法では(総務省で検討されているものの)現状では利用不可とされているからだ。
そのため、グーグルのMotion Senseに関するヘルプページにも「Motion Sense isn’t available in Japan, but is coming in spring 2020.」と記述されており、早くとも2020年春まではMotion Senseは「おあずけ」となりそうだ。
3. 最新スマートホーム機器も日本上陸
売れ筋の小型スマートスピーカーに新型登場。
そのほかにも、日本向けにも展開される製品として「Google Nest Mini」「Google Nest Wifi」がある。
Google Nest Miniは、現行の「Google Home Mini」の後継にあたる新型スマートスピーカー。前機種より低音の出力が40%強化されるなど音質を改善。全面を覆うファブリック素材は、100%リサイクルされたプラスチックボトルからできている。
処理性能も1テラOPSまで向上。よりスムーズにGoogleアシスタントを活用できる。カラーバリエーションはチョーク(白)、スカイ(水色)、コーラル(ピンク)、チャコール(黒)の4色展開で10月22日以降に23カ国で発売予定。価格は49ドル(約5300円)。
今回からWi-Fiルーターもスマートホーム機器ブランドの「Nest」を冠するようになる。
一方、Google Nest WifiはWi-Fiルーターで、現行の「Google Wifi」の後継にあたる。親機である「Nest Wifi router」と子機である「Nest Wifi point」の組み合わせにより電波の届きにくい場所にも強いメッシュネットワークを構築できる。
Nest Wifi pointについてはGoogleアシスタント内蔵のスマートスピーカーとしても活用でき、「OK, Google。音楽を流して」など以外にも、Google Wifiゆずりの保護者向け機能とも連動し「OK, Google。子どものデバイスのWi-Fiを止めて」などと指示を送れるようになった。
Wi-Fiルーターとしての機能を、Googleアシスタント経由で操作できるようになる。
なお、Wi-Fiルーターとしての性能としては5GHz帯による4×4、2.4GHz帯による2×2のMIMOといった高速化技術に対応しているが、規格としてはIEEE 802.11a/b/g/n/ac対応に留まる。アップルのiPhone 11シリーズが採用した最新の「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」には非対応となる。
価格はNest Wifi router単体で169ドル(約1万8000円)。routerおよび1つのpointのセットで269ドル(約2万9000円)。routerおよび2つのpointのセットで349ドル(約3万8000円)となっている。11月4日以降、8カ国で展開予定だ。
4. 日本でのPixel 4正式アナウンスはまもなく?
完全独立型イヤホン「Pixel Buds」はアメリカなどでも2020年登場となっているが、そもそも日本展開予定は現状なさそうだ。
発表会では、そのほかにもChrome OS搭載13.3インチノートPC「Pixelbook Go」やGoogleアシスタント搭載の完全独立型イヤホン「Pixel Buds」も発表されたが、前述のヘルプページが正しければ、日本での展開は現状なさそうだ。
日本時間10月15日23時頃に日本版Google Storeのトップに表示されていたPixel 4に関する記述。先行予約による特典が用意されるようだ。
直販サイト「Google Store」の日本向けページでは現時点で正式なアナウンスは行っていないが、グーグルが発表会開始直後に誤って公開していた情報によると、Pixel 4については10月24日までの予約でもらえる特典などが確認できたため、今後そう遠くないタイミングで正式なアナウンスがあると考えていいだろう。
(文・小林優多郎、画像出典・グーグル)