10月9日、エルドアン大統領に書簡を送った当日、ホワイトハウスで記者からの質問に答えるトランプ米大統領。
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トルコのエルドアン大統領との電話会談後、突如シリア北部からの米軍撤退を決めたトランプ大統領。直後にトルコはシリアへの侵攻作戦を開始。一方、同地域を支配するクルド人の武装勢力がシリアのアサド独裁政権と手を握って応戦するなど、事態は風雲急を告げている。
10月6日に行われた電話会談後、トランプ大統領がエルドアン大統領に宛てた書簡をホワイトハウスが公開し(同16日)、世界中で話題を呼んでいる。
以下にその全文訳を掲載する。
大統領様
良い取り引きをしようじゃありませんか!
あなただって何千人もの人びとを虐殺する行為の責任を負いたくはないだろうし、私もトルコ経済を崩壊させた責任を負いたくありません。でも、そうするつもりです。貴国が我が国のアンドリュー・ブランソン牧師を拘束したときにも、ちょっとした例をお見せしましたよね?
私はあなたの問題を解決するのに尽力しました。だから世界をがっかりさせないでください。良い取り引きができるんですから。(クルド人の民兵組織「シリア民主軍」の)マズルム司令官は交渉を望んでいるし、これまで決してしなかった譲歩もするつもりです。この手紙に、司令官が私にだけ送った手紙を添付します。
この局面を正当かつ人道的なやり方でのり切れば、歴史はあなたを好意的に見ることになるでしょう。しかし、良いことが起きないとなると、歴史はあなたに悪魔の烙印を押すことになる。どうかタフガイ(強情な男)になられませんよう、愚か者になられませんよう!
あとで電話します。
ドナルド・トランプ
ホワイトハウスが10月16日に公開した、トランプ大統領からエルドアン大統領宛ての書簡。
The White House/Handout via Reuters
(文・川村力)