大地震前の1877年にサンフランシスコを写したパノラマ写真が競売に…現在と比べてみよう

エドワード・マイブリッジが撮影したパノラマ写真は、19世紀には広く販売されていたが、今日では珍しいと思われる。

エドワード・マイブリッジが撮影したパノラマ写真は、19世紀には広く販売されていたが、今日では珍しいと思われる。

Library of Congress

  • 1877年のサンフランシスコを写したパノラマ写真がオークションで約1万4000ドル(約152万円)で落札された。
  • この写真は、1906年の地震で街の大部分が破壊される前の様子を、垣間見ることができる。
  • テレグラフ・ヒルのようないくつかの地域は現在と似ているように見えるが、華やかな邸宅や石畳の通りの多くはなくなっている。

1906年の地震前のサンフランシスコはわずかしか残っていない。マグニチュード7.9の地震とそれに続く火事は、市の80%を破壊し、3000人以上を死亡させ、カリフォルニア史上最悪の災害となった。

そのため、この街の珍しい1877年のパノラマ写真が今月初めに競売にかけられたときは、約1万4000ドル(約152万円)の値が付いた。

この写真は、動物の連続写真で知られる写真家、エドワード・マイブリッジ氏が撮影した11枚の写真で構成されている。映画の父と評されることもあるが、マイブリッジ氏はサンフランシスコの歴史的建造物の多くをカメラに収めた功績もある。彼のパノラマ写真が公開された時点では、アコーディオン状に折り畳んだものは約10ドルで売られていたが現在は約2400ドルだ。

彼の一連の写真は、サンフランシスコが急速に発展していた時代を捉えている。テレグラフ・ヒルのように現代もそのままの地域もあれば、すっかり様変わりした地域もある。

ここではマイブリッジの写真と現代のサンフランシスコと比較している。


写真はノブヒルにある邸宅から撮影された。

写真はノブヒルにある邸宅から撮影された。

Wikimedia Commons

その邸宅はセントラル・パシフィック鉄道の創設者の一人であるマーク・ホプキンス(Mark Hopkins)のものだった。その塔はサンフランシスコで最も高い地点であった。家は1906年の地震を生き延びたが、その後の火災で焼失した。



現在、ここには高級ホテル「インターコンチネンタル・マーク・ホプキンス」がある。

現在、ここには高級ホテル「インターコンチネンタル・マーク・ホプキンス」がある。

George Rose/Getty Images

この建物は、もはや市内で最も高い場所ではない。


パノラマの最初の写真には、セントラル・パシフィック鉄道のもう1人の創立者であるチャールズ・クロッカー(Charles Crocker)氏の邸宅が写っている。

パノラマの最初の写真には、セントラル・パシフィック鉄道のもう1人の創立者であるチャールズ・クロッカー(Charles Crocker)氏の邸宅が写っている。

Eadweard Muybridge/Bonhams

クロッカー氏は1906年の地震の前に亡くなっている。


ここには現在、アメリカ最大の聖公会教会の1つであるグレース大聖堂がある。

ここには現在、アメリカ最大の聖公会教会の1つであるグレース大聖堂がある。

Bobak Ha'Eri/Wikimedia Commons

地震の後、クロッカー家はその土地を聖公会に寄付した。

写真は、当時、軍事刑務所だったアルカトラズ島をかすかにとらえている。

写真は、当時、軍事刑務所だったアルカトラズ島をかすかにとらえている。

Eadweard Muybridge/Bonhams

1906年の地震の後、民間人の囚人たちはアルカトラズ島に移された。


刑務所は1963年に閉鎖され、現在は観光地となっている。

刑務所は1963年に閉鎖され、現在は観光地となっている。

Kevin Lamarque/Reuters

アルカトラズ島は1973年に一般公開され、最初の年には5万人以上が訪れた。現在、年間100万人以上が訪れている。

東の方向には、かつて船が到着したことを知らせた建物にちなんで名付けられたテレグラフ・ヒル地域がある。

東の方向には、かつて船が到着したことを知らせた建物にちなんで名付けられたテレグラフ・ヒル地域がある。

Eadweard Muybridge/Bonhams

当時、この地域には低い建物が並んでいた。


今日、高さ約63mのコイト・タワーは丘とともに目立つ存在だ。

今日、高さ約63mのコイト・タワーは丘とともに目立つ存在だ。

Hoberman Collection/Universal Images Group/Getty Images

タワーは1933年に市の消防団の記念碑として建てられた。多くの人がその形状を消防ホースのノズルと比較しているが、その設計は意図的なものではなかった。

遠くには、1870年に陸軍基地となったイェルバ・ブエナ島が見える。

遠くには、1870年に陸軍基地となったイェルバ・ブエナ島が見える。

Eadweard Muybridge/Bonhams

サンフランシスコは1847年以前はイェルバ・ブエナ(Yerba Buena)と呼ばれていた。この名前は地元の植物の種に由来している。数年後、湾に浮かぶ小さな島にこの名前がつけられた。



現在、イェルバ・ブエナ島には2つの橋がかかっている。

現在、イェルバ・ブエナ島には2つの橋がかかっている。

Rhododendrites/Wikimedia Commons

サンフランシスコとオークランドを結ぶ橋の建設は、ゴールドラッシュ時代にすでに始まっていたが、1930年になってようやく実現した。

パノラマ写真には、1stストリートとハワード・ストリートの交差点も写っている。そこには、ライフル用の銃弾を製造していた3階建ての工場があった。

パノラマ写真には、1stストリートとハワード・ストリートの交差点も写っている。そこには、ライフル用の銃弾を製造していた3階建ての工場があった。

Eadweard Muybridge/Bonhams

1869年から1871年までサンフランシスコ市長を務めたトマス・ヘンリー・セルビー(Thomas Henry Selby)氏が創業した「セルビー・ショット・タワー」 は、周囲を石畳の道や馬車で囲まれていた。1906年の地震による火災では、地下にあった200トンの金属が溶けてしまったため、作業員は金属を切らなければならなかった。

その交差点は今、サンフランシスコのダウンタウンの一部だ。Slackと投資会社BlackRockのオフィスがある。

その交差点は今、サンフランシスコのダウンタウンの一部だ。Slackと投資会社BlackRockのオフィスがある。

Google Earth

市で最も高い超高層ビルであるSalesforce Towerは、約1ブロック先にある。Business Insiderのサンフランシスコ・オフィスも近くにある。


開業2年目のパレス・ホテルが写っている。それは、1906年の地震で破壊された。

開業2年目のパレス・ホテルが写っている。それは、1906年の地震で破壊された。

Eadweard Muybridge/Bonhams

このホテルは建設当時、ほぼ1ブロックにおよぶ広さと約36mの高さで、圧倒的な存在感を誇っていた。


新しいパレスホテルは1909年にオープンした。外観は少し控えだが、内部は豪華だ。

新しいパレスホテルは1909年にオープンした。外観は少し控えだが、内部は豪華だ。

Sergio TB/Shutterstock

直近では2015年に改装されたこのホテルには、大理石の床、クリスタルのシャンデリア、金色の廊下がある。第29代大統領のウォーレン・ハーディング(Warren Harding)氏は1923年にここで亡くなったが、彼の泊まったスイートルームは今では1泊2900ドル(約31万5000円)だ。

市役所の建物も地震で壊れてしまった。完成して7年しか経っていなかった。

市役所の建物も地震で壊れてしまった。まだ7年しか経っていなかった。

Eadweard Muybridge/Bonhams

壊れた建造物は1916年に2300ドル(約25万円)で競売にかけられた(現在の価値で約5万3000ドル=約576万円)。

現在の市役所の建物は1915年に完成したが、玄関口やドーム、大きな柱など、旧庁舎と同じ構造や要素を継承している。

現在の市役所の建物は1915年に完成したが、ドーム、大きな柱など、旧庁舎と同じ構造や要素を継承している。

City of San Francisco

マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)とジョー・ディマジオ(Joe DiMaggio)の結婚やハービー・ミルク(Harvey Milk)の暗殺など、この建物は歴史的な出来事を数多く目撃してきた。

サンフランシスコの近代的な建造物の多くがそうであるように、その設計は地震で失われた建物に敬意を払っている。


[原文:A vintage panorama of San Francisco in 1877 gives a rare look at the city before it was destroyed by an earthquake. The photos sold for $14,000.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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