「非公開グループ」悪用問題が明らかになったFacebook。
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Facebookは、当局の認可を受けていない、人体に悪影響をもたらす可能性のある薬品を広告・販売していた14の非公開グループを削除したことを明らかにした。
削除の対象となったのはいずれも、米Business Insiderが10月18日(現地時間)公開の記事を通じてその危険性を指摘したグループ。削除前には7000人以上のメンバーを抱えていた。
同記事によると、イギリス人女性のアマンダ・ジュエル氏は、自ら管理する非公開グループ内で、癌と自閉症の治療薬と称して「GcMAF(ジーシーマフ)」と呼ばれる物質を販売。同時に、同氏は中米ベリーズに開設したクリニックで施術も行っていた。料金は、薬品と施術を合わせて2万5000ドル(約270万円)とされる。
非公開グループの管理者で、無認可薬品を販売していたアマンダ・ジュエル。
Healing Oracle, YouTube
GcMAFは、タンパク質由来のマクロファージ(白血球の一種)活性化因子とされ、Business Insiderの取材によると、アメリカとイギリスでは臨床試験や認可は行われていない。
Facebookの広報担当は以下のようにコメントしている。
「当社のサービスでは、認可無認可にかかわらず医薬品の販売を認めていません。したがって、Business Insiderが10月18日の記事で警告したすべてのページとユーザーアカウント、グループは削除いたしました」
取材に応じた複数の専門家たちは、「こうした無認可無試験の薬物の宣伝や販売は、十分なチェックの行き届かない非公開グループを悪用した手口だ」と指摘している。
(翻訳・編集:川村力)