日本でも10月24日から発売されるグーグルの新型スマートフォン「Pixel 4」を触ってみた。
撮影:小林優多郎
グーグルは、10月24日から新型スマートフォン「Pixel 4」「Pixel 4 XL」を直販サイトやソフトバンクの各店舗で発売する。
Pixelブランドとしては5機種目にあたるPixel 4シリーズ(4機種目は同3a/3a XL)。日本では2018年10月に登場したPixel 3シリーズから上陸と日が浅く、いまだ存在感を示すほどのシェアは持っていない。
Pixel 3シリーズは日本上陸時点で、「シングルレンズでも強力なカメラ機能」「おサイフケータイ対応」などが好評だった。
上陸したばかりのPixel 4にいち早く製品に触れて分かった「Pixel 3から4への進化ポイント」をまとめてお届けする。
Pixel 4の同梱物。シンプルな構成で最大18Wの急速充電機がついてくる。
Pixel 3と並べてみた。3では指紋センサーより下が磨りガラスのような加工だったが、4では全体的にしっとりとした肌触りになった。
写真左からPixel 4、Pixel 3。
純正ケース(別売4800円)をつけてみた。3にあった指紋センサーがなくなった分、デザインとしてはスッキリとした印象だ。
写真左からPixel 4、Pixel 3。右のPixel 3のケースは私物で1年ほど使ったところ「G」のロゴが取れてしまった。
Pixel 4ではスピーカーが下側面に移った。そのため、ケースの下側面もPixel 4の方が広く開いている
写真左からPixel 4、Pixel 3。
ちなみに、ケースを着けた状態の重さはPixel 4が186g、Pixel 3が170gだった。
写真左からPixel 4、Pixel 3。
ベンチマークアプリ(AnTuTu)の結果、Pixel 4の方がCPUは約88%、グラフィック性能は約75%向上していた。処理の重いARや3Dグラフィックを多用するゲームもある程度は動作する。
写真左からPixel 4、Pixel 3。
気になったのは操作性。Android 9から導入された「2ボタン」での操作体系が、Pixel 4ではなくなっていた。ジェスチャー操作は今までの使い勝手と大きく異なり、慣れが必要だ。
写真左からPixel 4、Pixel 3。
Pixelといえば、カメラ性能。4になって、背面カメラは標準+望遠のデュアルレンズ構成となった。
写真左からPixel 4、Pixel 3。
今回は試せなかったが、日本版Pixel 3にはなく、Pixel 4で新搭載となった「eSIM」機能にも触れておきたい。SIMロックが解除されていれば、eSIMで提供されている好きな通信プラン(事業者)を、物理的なSIMカードの入替なく、利用できる。
eSIM全般については、iPhone XSで試した記事で利便性をご確認いただきたい。
写真と画面の性能アップだけでも“買い”と思えるが……
Pixel 4と3はどちらもディスプレイに有機ELを採用しているが、Pixel 4の方が縦に長い。
ベンチマークアプリや各種作例からもわかるとおり、3から1年経った4では大幅な性能アップが行われているようだ。とくに、カメラ機能に関しては、全体的にホワイトバランスの調整が3より4が断然よく、目で見たものに近い色合いの写真が残せる。
写真のクオリティーアップだけでも、Pixel 3ユーザーとしては乗り換えたくなるが、真に「おっ」と感じたのはディスプレイだ。Pixel 4では最大90Hzで駆動するスムーズディスプレイとなっており、ふだんウェブページを見るだけでも、スクロール時に残像感がなく、いわゆる「ヌルヌル」と動く。表示品質の良さに気づくほどだ。
残念ながら日本では使えないMotion Sense。
あえて残念な点を言えば、日本上陸確定の際の記事でも書いたとおり、日本では発売時点でレーダーセンサーを活用した「Motion Sense」の機能がオフになっている点だ。Motion Senseは手を触れない便利機能だけではなく、顔認証のスピードにも関わってくる。
今回試した限りでは、顔認証のスピードに大きな不満は覚えなかったが、画面のロック解除などは日常的に使う機能であるため、当然快適になることにこしたことはない。グーグルは2020年春の有効化を目指しているが、日本の電波法がそれまでに改正される保証は今のところない。
直販価格8万9980円の価値
Pixel 4の直販価格は8万9980円(税込、64GB)と、スペック相当の値段設定で軽い気持ちで「買おう!」とはなかなかならないだろうが、上記の通り手軽に高品質の写真が撮りたいユーザーであれば、最も魅力的な端末の1つになることは間違いない。
(文、撮影・小林優多郎)