読書の秋、あなたはいつ何を読む?
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年収1000万円以上の層では毎月1冊以上読書する人が6割以上で、ビジネス書については平均年収層の3倍超 ——。多忙そうに見える“1000万円プレイヤー”だが、時間をやりくりして読書量が多いことが、総合人材サービスのパーソルキャリアのハイキャリア支援サイト「iX」の調査で明らかに。
読書の秋にちなみ「iX」はハイクラスの目安として、年収1000万〜1100万円の人と平均年収層の400万〜500万円未満の人を対象に、読書事情を比較して調べた。
※「今どき1000万円プレイヤーの読書事情」調査:2019年8月、1都3県に住む会社勤めのビジネスパーソン男女800人を対象に、パーソルキャリアのiXが、インターネットによるアンケート調査を実施。小数点以下切り捨て。
1000万円プレイヤーは、平均年収層に比べて読書量が多い。
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1カ月に1冊以上の本を読む人は、1000万円プレイヤーで63%、平均年収層で55%。1000万円プレイヤーの方が本を読む習慣のある人が多いという結果となった。しかし、5冊以上読む人は1000万円プレイヤーで14%、平均年収層で15%と、ほぼ同水準。
1000万円プレイヤーはビジネス書好き?よく読む人は平均年収層の3倍以上。
出典:パーソルキャリア「今どき1000万円プレイヤーの読書事情」調査
よく読むジャンルでは、はっきりした差が生じた。いずれの年収層でも、もっともよく読むジャンルは「小説」だった。明確な差が表れたのは、ビジネス書と漫画。ビジネス書は、平均年収層の3倍以上の割合の1000万円プレイヤーが読んでいる。漫画は、平均年収層が1000万円プレイヤーの8倍読んでいる。
通勤時間に最も、読む。本を読むのはスキマ時間だ。
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1000万円プレイヤーが本を読むのは公共交通機関(7割)で最も多い。平均年収層では、公共交通機関は56%。オフィスで読む人も、1000万円プレイヤーが17%で平均年収層の10%を大きく上回った。
一方、自宅で読む人は平均年収層の方が多い。
iX統括編集長の清水宏明氏は「マネジメント層の多い1000万円プレイヤーは限られた時間の中で、ちょっとしたスキマ時間を有効活用している。タイムマネジメント能力を求められる層ならでは」と分析。
ちなみに、1000万円プレイヤーは給与所得者全体のわずか6%。
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2018年9月の国税庁による「民間給与実態統計調査」のデータ。
しかし、1000万円プレイヤーでも平均年収層でも、そもそも読まない人の割合が最も多い。
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1000万円プレイヤーの36%、平均年収層の44%が「読まない」と回答。本の冊数別では、年収層を問わずに読まない層がもっとも高いという結果に。
一方、増えているのはインターネットの利用時間で、2018年は112.4分(平日、全ての年代)。6年間で約40分の増加だ。
撮影:今村拓馬
(文・滝川麻衣子)