20代の僕が「1日3件」のノルマを拒否した理由——スマートに成果を出すたった一つの方法とは

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「施策の進捗状況はどうだ?」と聞かれて「大丈夫です」「頑張ります」と根拠のない精神論で答える。会議はいつもフワッとした空中戦。報告書はストーリーありきで「鉛筆なめなめして」つじつまを合わせる……。どれもニッポンの会社あるあるだ。

こうした課題を打破しながら、数々の企業の悩みや課題に向き合ってきたウイングアーク1st執行役員マーケティング統括部 統括部長の久我温紀氏。データを分析して活用することで、新しい事業の形、新しい働き方を切り開いてきた。スマートな組織、無駄のない働き方はどう作るのか。久我氏に聞いた。

毎朝8時、全社員に業績データが届く

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ウイングアーク1st株式会社 執行役員 マーケティング統括部 統括部長の久我温紀さん。

ウイングアーク1stでは、朝8時に社長をはじめ社員に、受注金額、予算進捗、予算実績、昨年対比などの業績データがボットを介して届く。予算を達成したらその瞬間、同様にボットからチャットツールにアラートを出して知らせてくれる。会社の状況を全員が把握しているので、会議での状況報告は不要。課題解決のための議論に集中できるため、会議の内容が深まる。数字が見えるとごまかしがきかないから、担当者の取り繕うストレスがなくなるし、上司の意思決定も的確になり、生産効率が上がる。

「日本企業のコミュニケーションはハイコンテクストの文化。通じ合っているように見えて、実は通じ合っていないということがよくあります。メディアが増え、価値観が多様化し、今後は国籍が異なる従業員も増えるでしょう。もう“空気”で会話するのは困難になります。状況をデータで表現することができれば、コミュニケーションコストが下がり、会社の状況がリアルタイムで正確にわかり、本来の企業のコミュニケーションの目的に沿った、より効果的な会話ができるようになるのです」(久我氏)

20〜30年前であれば、データ分析に使うBI(Business Intelligence)ツールの導入には億単位の費用がかかった。だが、今はサーバー等の資産は不要で、月々約数千円(※)から利用できる時代。導入後のチューニングもしやすく、データ活用のハードルはグッと下がっている。

「かつてはアナリティクスといえば、一部の専門知識を持つ人のみが扱うイメージでしたが、今は全社員に分析結果を共有し、組織の力を高めていく時代です」(同)

(※ウイングアーク1stが提供するMotionBoard Cloudの場合。月額1ID料金)

無駄なレポート作成や会議の時間を削減

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売り手市場の今、「データとテクノロジーが使えず、無駄な会議、レポート作成が多い会社には魅力的な人材が集まりにくく組織が弱くなっていく」と久我氏は指摘する。

入社から15年。久我氏はトップセールスとして、当初からやみくもな営業活動には疑問を感じてきた。

「10年以上前のことですが、当時の上司にクライアントを『とにかく1日3件、まわってこい』と命じられて、僕は「しばらく待ってくれ」と断ったんです。やみくもに1日3件まわるのは簡単です。でもそこで商談が生まれるかどうかはわからない。それよりも、自分たちがバリューフィットするエリアはどこか見定めてからのほうが価値は大きいと考えました。また1日3件足で回るよりメールや電話を活用した方が顧客との接触時間は増やせるはずだと」(久我氏)

営業部の業績が振るわなかった時期には、自社の営業組織の改革、勝てるチームづくりを牽引したこともある。

「組織づくりで最初に行ったのはデータ分析。どのような顧客に対して営業担当者の活動量がどれだけあるのか分析したり、営業部の業務時間の分析をしたりしました。その結果、営業担当者が活動している顧客には偏りがあり、しかも活動量に応じた売り上げが上がっていないことがわかった。また業務全体に占めるレポート作成や会議の時間が多いということもわかりました」(久我氏)

データから導かれた結論をもとに、久我氏は営業方針を変更。リソースのアロケーションを変え、成功パターンが多い業種に重点的に営業に行くことにした。提案内容もデータをもとに考え、BIを活用してレポート作成にかかる時間を削減し、取引先に行く時間に当てた。

「そもそもレポート作成作業はいらないんです。SFA(Sales Force Automations)にデータを入力すれば自動的に分析、共有できる。これによりレポート作成にかかる時間はゼロに、会議の時間も週3時間から30分に減らしました」(久我氏)

働き方を変えれば、集まる人材も変わる。特に今は売り手市場だ。データとテクノロジーが使えない会社には魅力的な人材が集まりにくく、組織が弱くなっていくと久我氏は指摘する。

製品開発、サービス向上にもデータ分析が不可欠

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「データを有効活用して、製品、サービス、組織づくりに転化していく動きができないと勝てません」と話す久我氏。

社員の生産性が上がれば、それが製品づくりや、顧客や消費者へのサービス向上につながる。

「昔は情報もプロダクトも、企業側が『これがいいよ』と言えばそれが売れました。ある程度資本を投下すれば企業側が消費者をコントロールできたんです。また需要が強い時代背景でもあった。だからプロモーションがうまい会社が勝っていた。しかし、今はいつでも開かれたデータにアクセスする事が出来るようになり、情報の非対称性が減り、消費者のリテラシーも上がり、本質的なバリューが大きいところが勝つ。そうなると、本当にいいもの、必要とされているもの、それを作り出せる組織を作れるかが勝負。企業はデータポイントを増やして、消費者の好み、行動データ、組織内のデータなどを有効活用して、製品、サービス、組織づくりに転化していく動きができないと勝てません」(久我氏)

実際、従来は「データ」として存在しなかったものをデータ化し、それを活用することで新たな価値が生まれるようになっている。たとえば、ウイングアーク1stのグループ会社であるリテールマーケティングワンが提供する「SmartCounseling」だ。これはドラッグストアや百貨店の化粧品売場の顧客データ管理するためのツール。これまで紙で記録していたものをデータ化するのはもちろん、言語化されていなかった「商品を買わなかった理由」なども対面で聞き取り、データとして蓄積する。これを製品開発に活用するといった動きだ。

5Gが本格的に導入されれば、あらゆるデータを流通させることができ、データが社会や産業を動かす力はさらに大きくなると久我氏は語る。

「今後、どのように事業を魅力的にしていくかと考えたとき、データとテクノロジーは不可欠です。とはいえ、人の願い、思い、成し遂げたいことがあって初めてデータとテクノロジーが有効に生きる。使役型の仕事はテクノロジーにまかせて、クリエイテビティや感性を生かし、人間が考えないと、行動しないとわからないことにパワーをつぎこんだほうがいいと考えています」(久我氏)


ウイングアーク1stは2019年11月22日(金)、ザ・プリンスタワー東京(東京都港区)で「WAF 2019@TOKYO」を開催する。ここでは第一線で活躍する有識者が登壇し、テクノロジーから働き方、経営まで幅広いテーマについて語ります。

■WAF2019@TOKYOについて、詳しくはこちら。

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