ファーウェイはスマホの出荷台数が昨年より64日早く2億台に達したと発表した。
ファーウェイブログより
中国IT大手のファーウェイ(華為技術)は23日、2019年のスマートフォン出荷台数が10月22日に2億台を突破したと明らかにした。トランプ政権による“ファーウェイ排除”の影響で減速が予想されていたが、実際には2018年より2カ月以上早く2億台に乗せた。
ファーウェイのスマホ出荷台数は2010年に300万台だったが、その後急成長を続け、2015年は12月22日に1億台を突破。
2016年は10月14日、2017年は9月12日に1億台に到達した。
2018年は7月18日に1億台を超え、12月25日に初めて2億台を達成した。
2019年は5月30日に1億台を突破したが、アメリカのトランプ政権がファーウェイ製品に禁輸措置を発動した影響を受け、2019年後半に失速するとの見方が大半だった。
ファーウェイのスマホ出荷台数は予想に反して成長が続いている。
Reuters Pictures
だが、同社が今月16日に発表した2019年1−9月の決算では、売上高が前年同期比24.4%増の6108億元(約9兆4000億円)、純利益率は8.7%と高成長を維持。7−9月の売上高は2095億元(約3兆2000億円)で、売上高の伸び率は1−6月を上回った。
背景には中国での独り勝ちがある。ファーウェイが9月に発表したスマートフォン「Mate 30/30 Pro」は規制の影響でグーグルのサービスアプリ群(Google Mobile Services、GMSとも呼ばれる)が搭載されず、中国以外では苦戦必至と見られるものの、中国市場では以前からグーグルのサービスをブロックしているため、禁輸措置の影響を受けにくい。
これまで海外展開、グローバル化に力を入れていたファーウェイは、14億人の人口を持つ母国でシェアを広げることで、「冬の時代」を乗り越えようとしている。
(文・浦上早苗)