アメリカの多くのベビーフードからヒ素…上院議員がFDAに調査を指示

アメリカのベビーフードから高レベルのヒ素

Geinz Angelina/Shutterstock

  • ある非営利団体が行った170種類近くのベビーフードの調査で、95%のサンプルに鉛、ヒ素、カドミウム、水銀などの重金属が含まれていたことがわかった。
  • 米を原料とするシリアルが「ベビーフードの中で最も多くヒ素を含むもの」と特定された。
  • 新生児や2歳までの幼児は、食品に含まれるヒ素や鉛が脳の発達に影響する可能性があると報告書は指摘した。
  • チャック・シューマー(Chuck Schumer)上院議員はアメリカ食品医薬品局(FDA)に、この報告書を精査し、その結果を公開するよう求めた。

有害な化学物質から逃れることは不可能と感じられる。衣類化粧品クリーニング用品、プラスチック容器、使い捨てボトルなど、あらゆるものから発見されるためだ。

だが、混入が最も懸念されるのは、子ども用の食品だ。幼児の代謝経路は未熟なため、危険な物質に対する抵抗力を持っていない。さらに体重も少ないので有害な物質の影響を受けやすい。

有害な化学物質による幼児への汚染を減らそうと活動する非営利団体、Healthy Babies Bright Futures (HBBF)は、170近くのベビーフードについて、鉛、ヒ素、カドミウム、水銀などの重金属の混入を調査した。10月17日に発表された報告書では、分析したサンプルの95%にそれらの金属が混入し、調査したベビーフードの1/4にそれら4つの化学物質すべてが含まれていたと述べられていた。

これらの化学物質は高い濃度になると、幼児の脳の発達に有害な影響を与える可能性がある。

しかし、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、粉ミルクやシリアル、缶詰のフルーツや野菜など、重金属が含まれると知られる一般的なベビーフードに、安全基準を設けていない。基準が示されているものに関しても環境団体はFDAの基準を超える化学物質濃度を確認している。

米を原料とするシリアルに高濃度のヒ素

調査は2014年から2017年に、アメリカの14の主要都市で実施された。スーパーマーケットやディスカウントショップなど17の小売店から、60以上のブランドのベビーフードが集められた。

すべてのベビーフードを分析したところ、米を主原料とするフードに最も高濃度で重金属が含まれていることがわかった。報告書では、ヒ素を「懸念すべき危険な有毒金属」、米を原料とするライスシリアルを「最もヒ素が多い幼児用食品」と特定した。

ヒ素は地殻に広く存在する元素だ。ヒ素化合物の摂取は、運動機能や記憶力、IQの低下など、幼児の脳の発達に関連している。また先天性疾患やガン、心臓病、糖尿病のリスク増加も引き起こす可能性がある。

アメリカのベビーフードから高レベルのヒ素

ElRoi/Shutterstock

FDAは、幼児用のライスシリアルにおいて、無機ヒ素の安全量を100ppbと定めている(ppb:1mL中に10億分の1gを表す単位)。これは一般的なスイミングプールに小さじ1杯のヒ素が入っているのと同程度である。しかしHBBFの調査で、試験を行った4種類のシリアルがFDAの安全値を超えていたことがわかった。4種類は、Earth's Best の「Whole Grain Rice Cereal」の2種類と、Healthy Timesの「Organic Brown Rice Cereal」、BioKineticsの「Brown Rice Organic Sprouted Whole Grain Baby Cereal」。

HBBFの報告書に書かれたライスシリアルのサンプルは、安全ではない量の鉛なども混入していた。鉛を摂取した幼児は、学習障害や暴力行為などにつながる脳の損傷を患う可能性がある。

Healthy TimesとBioKineticsに、今回の調査報告結果を受けてコメントを求めたが、回答はなかった。Earth's BestはBusiness Insiderへの文書で、ベビーフード協議会とともに業界全体で重金属類を減らすよう努めると述べた。

「当社の最優先事項はいつも食の安全であり、当社製品が安全でFDAの安全基準に準拠していると保証する」と、同社は述べた。

「我々も、子どもの親として、安全や健康への懸念については同じ思いだ」

食品中の重金属は子供の知能を低下させることがある

報告書では、アメリカの新生児と2歳までの幼児は、食品中のヒ素および鉛への暴露により、IQを大きく損なうと推定している。これらの計算は、国民健康栄養調査による平均的な乳児の食事に関するデータと、食品中の鉛とヒ素の濃度に関するFDAのデータの組み合わせに基づいている。

IQ低下の半分以上はわずか15種類の食品によるもので、約20%は米を原料とする食品によるものだと著者らは記している。

この結果に注目したチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院議員は20日、FDAに対し、HBBFの報告書を精査し、その結果を公表するよう指示した。

シューマー議員は声明で、「この報告書は非常に問題だ」と述べた。

「全米のすべての親は、食べ物に何が入っているかを心配することなく、アルファベットを教えることについて心配すべきだ」食べ物に混入した重金属は、幼児のIQ低下を引き起こす可能性がある

[原文:High levels of arsenic have been found in baby cereal made with rice, and it could cause a drop in children's IQs

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

あわせて読みたい

新着記事

スマホを見るサラリーマン

日本人は職場の不満が大きいのに、なぜ会社を辞めないのか

  • 中村天江 [リクルートワークス研究所 主任研究員]
  • Jun. 02, 2020, 05:00 AM

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み