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- フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグは、アメリカの規制当局が承認しない場合、暗号通貨リブラの立ち上げに参加する計画を破棄すると述べた。
- このソーシャルメディアの巨人は、リブラ協会をリードして、リブラを国際的なデジタル通貨として立ち上げようとしている。
- フェイスブックが離脱した場合、リブラ協会に何が起こるかはわからないが、ザッカーバーグは、フェイスブックが他の20のメンバーを支配しているわけではないと述べた。
フェイスブック(Facebook)は、新しい暗号通貨リブラ(Libra)を世界中でローンチするための議論を主導してきたが、同社の最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)は、アメリカの規制当局がこのプロジェクトを承認しないのであれば、参加を撤回する用意があると述べた。
リブラはデジタル通貨として機能し、米ドルや外国政府が管理するその他の通貨に代わるものを提供する。リブラ協会はリブラを管理する組織で、そのような仕組みを持たないビットコインのような暗号通貨との大きな違いだ。リブラ協会にはフェイスブックの子会社カリブラ(Calibra)を含む21の会社や団体がメンバーになっている。
ザッカーバーグは10月23日、アメリカ下院の住宅金融委員会で証言し、フェイスブックのリブラ協会への関与に焦点を当てた議論が行われた。委員会のメンバーは、なぜフェイスブックが独自のデジタル通貨を作りたがるのか、そして、拡大していくビジネスで無数の問題に直面している同社の信頼性を疑問視した。
その中でザッカーバーグは、リブラが規制当局の承認を得られないにも関わらず、他のメンバーが前進することを選択した場合、フェイスブックはリブラ協会から脱退すると述べた。
カリブラの幹部であるデービッド・マーカス(David Marcus)は、これまでリブラに関する議論の矢面に立ってきたが、フェイスブックはリブラ協会を支配していないと繰り返し述べている。マーカスは、リブラ協会の評議会の評議員であり、評議員は会員の投票によって決定される。リブラ協会の会則によると、評議員の定員は5から19だ。
リブラ協会は、メンバーの相次ぐ離脱によって、すでに規模が縮小しており、フェイスブックが離脱した場合にどうなるのかは不明だ。Visa、マスターカード、PayPalなどの大手企業が今月初めに離脱したが、これらの企業は後日再加入を検討すると述べている。現在21の会員からなる同協会は、発足時には100以上の会員を確保したいとしていた。
今のところ、ザッカーバーグとカリブラは、この暗号通貨を世界中で使用することをアメリカの規制当局が承認するまで、リブラ協会がリブラを発行することはないと述べている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)