ツイッターCEOのジャック・ドーシー
https://www.businessinsider.com/twitter-stop-running-political-ads-ceo-jack-dorsey-2019-10
- ツイッターのCEO、ジャック・ドーシーはツイッター上での政治広告を許可しないと述べた。
- ドーシーは10月30日にツイッター上でこの決定について説明した。
- 「これは表現の自由の問題ではない。リーチさせるために金を払っている。政治的発言を広めるために金を払うということは、今日の民主的インフラがそれに対処できていないということになる。一歩下がって考えてみおう」とドーシーはツイートした。
- ツイッターが政治広告を禁止したのは、フェイスブックが政治広告の内容をチェックしないと発表した後だ。
- ドーシーの発言は、フェイスブックが四半期決算を発表した直後に行われた。
CEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)によると、ツイッターは今後、政治的な広告を許可しない。
ドーシーは、10月30日の午後(現地時間)に投稿された長いツイッターのスレッドでこの決定を説明し、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグが意図的な嘘と誤報を伴う有料の政治広告を許可するフェイスブックの方針を擁護した理由に反発した。
フェイスブックが四半期の収益を発表した直後にドーシーの発言はなされた。
これは表現の自由の問題ではない。リーチにお金を払うことだ。政治的スピーチを拡大するためにお金を払うことは、今日の民主的インフラがそれを処理できていないかもしれないということだ。
政治広告を禁止するツイッターのポリシーは11月22日に施行され、その内容については一週間前の11月15日に発表される予定だという。
ドーシーによると、オンライン政治広告は、新たな規制や透明性の向上など、前向きな解決策を必要とし、民主的なプロセスに新たな課題をもたらした。
「インターネット広告は商業広告主にとって信じられないほど強力で効果的だが、その力は政治に重大なリスクをもたらす」
「インターネットの政治広告は、言論にまったく新しい課題を提示している。メッセージとターゲティングの機械学習ベースの最適化、チェックされない情報、そしてディープフェイク。その速度、洗練度、圧倒的なスケール、すべてが増加している」と彼は付け加えた。
有料の政治広告へのスタンスでフェイスブックに対抗
ドーシーはザッカーバーグの政治広告を事実確認しないという見解を直接的に批判したように見えた。
例えば、こう言うことは信用できない。「我々は、誤解を招く情報を広めるためにこのシステムを使うのを阻止するために懸命に努力しています。でも誰かが私たちにお金を払って政治広告を掲載すれば…そう…言いたいことは何でも言える!」
10月、ザッカーバーグは、フェイスブックから政治広告を完全に削除することを検討したと述べた。これらの広告は、フェイスブックの広告売上のごく一部を占めるにすぎないが、ザッカーバーグによると、政治広告を禁止すれば、医療や移民といった特定の問題を扱う広告も禁止される危険性があるという。
ザッカーバーグはジョージタウン大学での講演で、「政治広告は、特にローカル候補者、有望な挑戦者、メディアの注目をあまり集めない支持団体にとって、重要な声の一部である。政治広告を禁止することは、現職候補やメディアが報道する人を優遇することになる」と述べた。
「政治広告を禁止したいとしても、どこで線を引けばよいかははっきりしない」と彼は付け加えた。
「選挙広告よりも、政治問題に関する広告の方がはるかに多い。医療や移民、女性のエンパワーメントに関する広告をすべて禁止するのか。もし我々が候補者の広告を禁止するが、これらの広告を禁止しないとしたら、候補者を除いた人々だけに政治的議論の発言権を与えることに意味はあるか」
ザッカーバーグのスピーチは表現の自由に焦点を当てており、フェイスブック社が自身のプラットフォームにおける裁定者になることを望んでいない、政治的な広告や会話において何が真実か虚偽かをユーザーが判断できるようにすべきだと述べた。その結果、フェイスブックは政治広告をチェックしないという選択をしたが、商業広告は第三者の事実調査の対象となる。
ツイッターの政治広告全面禁止を発表したスレッドの中で、ドーシーのツイートはザッカーバーグのスピーチと直接会話しているようだった。そしてその中にはこの決定が表現の自由に関連したものではないという主張も含まれていた。ドーシーによると、候補者からの広告だけを止めることを検討したが、特定の政治問題に関する広告が同じ問題を引き起こしていることに気付いたという。その結果、ツイッターは政治問題に関する有料広告も許可しない。
ドーシーによると、ツイッターはその議論を認めながらも、政治家は有料広告ではなく、オーガニックな会話を通じてユーザーとつながることができると考えているという。
さらに、将来を見据えた政治的な広告規制が必要だ(非常に困難だが)。広告の透明性の要件は進歩しているが、十分ではない。 インターネットはまったく新しい機能を提供するものなので、規制当局は平等な競争条件を確保するためによく考える必要がある
ドーシーは、誤報を助長し、政治的議論を脅かし、選挙を危険にさらす「根本的な問題」に焦点を当てたかったと述べた。政治的な思惑を持つグループから資金を受け取ることは、ツイッターの信頼性を損なう危険があるという。
そこでツイッターは、少なくとも現時点では、政治広告を全面的に中止することを選択した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)