東京国際映画祭でもネットフリックスが存在感。会見に詰め掛けたメディア

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10月29日に行われた東京国際映画祭の特別招待作品で、ネットフリックスオリジナル映画「アースクエイク・バード」の記者会見。

撮影:大塚淳史

東京国際映画祭でもいよいよNetflix(ネットフリックス)が存在感を放ち始めている。

ネットフリックスは、Amazonプライム、Hulu(フールー)といったインターネット映像配信サービスの一種。日本でも近年は利用者が増え、アニメやドラマなどオリジナル作品も増えてきた。その流れのなかで、映画館上映を前提とせず、ネットフリックスでの配信のために作られる映画が増えた。

そうしたいわば「ネトフリ映画」が、各国で開かれる国際映画祭のコンペティションにも出品されるようになってきた。しかし、映画祭によっては「劇場公開していないネトフリ映画は映画といえない」と出品を認めないケースもある。世界三大映画祭の一角であるカンヌ国際映画祭は特に厳しい。

東京国際映画祭には今のところ、そういった厳格さはない。

ネトフリ映画の会見に多くのメディア

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「アースクエイク・バード」の記者会見には多くのメディアが集まった。

撮影:大塚淳史

10月29日には、東京映画祭の特別招待作品であるネトフリ映画「アースクエイク・バード」の記者会見が行われ、映画に出演したEXILEの小林直己、アリシア・ビキャンデル、ウォッシュ・ウェストモアランド監督が登場した。

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2015年の米アカデミー賞で助演女優賞を受賞しているアリシア・ビキャンデル。

撮影:大塚淳史

人気グループEXILEのメンバー(小林)、オスカー女優(アリシア)ということもあって、会見場は国内外のメディアの記者であふれた。

今回の東京国際映画祭に出品されたネトフリ映画は、ほかにも「アイリッシュマン」「マリッジ・ストーリー」がある。3本だけとはいえ、注目度は高い。特に、巨匠マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノ、ジョー・ペシといった名優たちが出演する「アイリッシュマン」は、今回の映画祭で最も注目されている上映作品かもしれない。

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今回の東京国際映画祭で一番注目されている、ネットフリックスオリジナル映画「アイリッシュマン」。

©Netflix

東京国際映画祭において、ネトフリ映画はこれまで2015年に1作品、2016年と2017年は上映がなく、2018年は「ROME/ローマ」の1作品だった。

同映画祭の久松猛朗フェスティバルディレクターは、アメリカの映画サイト「The Hollywood Reporter」のインタビューの中で、各国際映画祭で論議を呼んでいるネトフリ映画の出品について問われ、次のように答えている。

「私たちのスタンスは明確です。もし作品に価値があるなら、日本の観客に向けて上映するようにします。それは私たちのミッションの一部です。しかし同時に、私たちには日本の映画業界における多くのステークホルダー(利害関係者)がいます。

ただ、基本的には映画が素晴らしい場合は、それを上映したい。ネットフリックスのコンテンツは、大きな議論になる前から上映しました。だから、我々にとってそれほど大きな問題ではありませんでした」

日本でも、ネットフリックスの日本発の作品で、ドラマ「全裸監督」や「テラスハウス」が大ヒットしている。日本発作品は今後、間違いなく増えていくだろう。

今回、東京国際映画祭で上映の3作品は、それを印象づけた。

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ネットフリックスオリジナル映画「アースクエイク・バード」の記者会見に登場した、左からEXILEの小林直己、アリシア・ビキャンデル、ウォッシュ・ウェストモアランド監督。

撮影:大塚淳史

(文・写真、大塚淳史)

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