グーグルが応募者に求める「グーグルらしさ」とは…更新の理由は多様性の確保

グーグルのロゴ。上海で行われた、世界人工知能大会(WAIC:World Artificial Intelligence Conference)にて。

グーグルのロゴ。上海で行われた、世界人工知能大会(WAIC:World Artificial Intelligence Conference)にて。

Reuters

  • グーグル(Google)が、採用における1つの要件である、「グーグルらしさ(Googleyness)」の定義をアップデートしたとThe Informationが報じた。
  • 同社人事部門の元トップ、ラズロ・ボック(Laszlo Bock)氏らは、「グーグルらしさ」を「素直に楽しめること」「謙虚でいられること」「あいまいさを許容できること」などと定義してきた。
  • グーグルは同社の採用ガイドの中で、「グーグルらしさ」は「カルチャーへの適合」と混同されるべきではない、混同すると偏見につながりかねない、ということを明確にしてきた。
  • 「カルチャーへの適合」という考え方は職場を均質化する可能性がある、と専門家は警告している。マネージャーが自分たちと似たような人を優先的に採用するためだ。

グーグルは長年、過酷なことで悪名高い同社の面接をどうすべきか考えてきた。そして2013年、応募者に対して難問を突きつける悪名高き習わしは「時間の無駄」だったと認めた。

だが、新入社員採用に関して変わっていないのは、いわゆる「グーグルらしさ」があることを重視している点だ。漠然とした表現で、いくつか異なる定義があるが、概して同社で成功する資質があるという意味で使われている。

2017年、グーグルは、この「グーグルらしさ」の正式な定義に小さな、だが重要な更新を行った。10月31日、The Informationのニック・バストーネ(Nick Bastone)氏が報じた。これによると、グーグルは「偏見の余地を残す可能性のある、グーグルらしさとカルチャーへの適合の混同を避ける」ようにという、新たな指示で採用マニュアルを変更した。

同年、グーグルはエンジニアのジェームズ・ダモア(James Damore)氏の解雇にまつわるスキャンダルに直面した。同氏は、テック界に女性が少ないことは生物学的な違いで説明できると内部文書で主張したのだ。グーグルらしさの定義の変更がこの出来事を受けてのことなのか、報道では明らかにされていない。

「カルチャーへの適合」という考えは、かつてシリコンバレーでは当たり前のことだった。急成長中だったIT業界は、既存のチームに馴染めそうだと確信できる人々だけを優先的に採用しようとした。だがこうした考えは、職場を均質化する可能性があるとして最近では批判されるようになってきている。マネージャー自身の偏った見方が、採用基準に色を付けてしまうためだ、と人事の専門家、レイチェル・ビッテ(Rachel Bitte)氏は言う。

「カルチャーへの適合」をベースとした採用では、ほとんどの人が同じ人種、同じ性別、同じ社会経済的背景という職場になりがちで、大抵の職場は「恵まれたバックグラウンドを持つ応募者にとって有利に傾いている」とビッテ氏は述べた。

グーグルでは、2年前になされたこの変更が社内で普及するまでに、時間がかかっていると言われている。複数の従業員がThe Informationに対し、社内では「グーグルらしさ」はずっと、「カルチャーへの適合」と同じ意味で使われていた、と語った。

グーグルの広報はThe Informationに対し、「グーグルらしさ」とは、これまで同様、あいまいさの中で働く能力、フィードバックを取り込む能力があることだと語った。Business Insiderはグーグルの広報にコメントを求めたが、同社はこれに応じなかった。

グーグルらしさとは何か?

グーグルの人事部門の責任者だったラズロ・ボック氏は、2015年の著書『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える(Work Rules!)』の中で、「グーグルらしさ」を次のように定義した

「素直に楽しめる(当然)、謙虚でいられる(自分が間違っているかもしれないと認められないと、学ぶことは難しい)、非常に誠実である(我々が欲しいのはオーナーであり、従業員ではない)、あいまいさを許容できる(我々のビジネスがどのように進化するのか、我々にも分からない。グーグルを動かすには、社内で多くのあいまいさに対処することが必要)といった資質、そして、勇気ある、または、興味深い人生を歩んできたという証拠」

2013年には、グーグルの元従業員が、「グーグルらしさ」には次のようなことが含まれるとBusiness Insiderに語っている。

  1. 正しいことをすること。
  2. 優秀であっても努力すること。
  3. 目標から目をそらさないこと。
  4. 積極的であること。
  5. 全力を尽くすこと。
  6. 他の人のために良いことをし、見返りを求めないこと。
  7. フレンドリーで親しみやすくあること。
  8. ユーザーと同僚を尊重すること。
  9. 優れた業績に報いること。
  10. 謙虚であること、時にはエゴを捨てること。
  11. 気取らず、正直で、公平であること。
  12. ユーモアのセンスがあること。

こうした項目を見てみても、まだ、グーグルらしさはあいまいだ。グーグルの採用に関する広報ページは、グーグルらしさには触れておらず、「ユニークな採用プロセス」をほのめかすのみだ。

グーグルらしさの定義の変更は、同社が従業員の多様性におけるギャップに対処し続ける結果だと言っていいだろう。グーグルの2019年の多様性についてのレポートでは、女性従業員の割合はわずか33%だった。また、黒人の従業員はいまだに退社率が最も高く、ラテンアメリカ系の従業員がこれに続いているが、レポートによると、彼らの退社率は昨年に比べて低くなっている。

[原文:Google made a small but important change in 2017 to how it thinks about 'Googleyness,' a key value it looks for in new hires (GOOGL)

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

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