KDDIが社員の服装規定を廃止。「男性だからスーツ」の固定観念を見直し

携帯電話大手のKDDIが、一般社員に一律に設けていた服装規定を廃止する。今後は「根拠が希薄」だったり、「性別」を理由にした服装の強制をしないよう、指導していくという。

「根拠が希薄」はNG、大切なのは「男女の公平性」

KDDI

KDDIが社員の一律のドレスコードを廃止する。性別や根拠の薄い規定を見直すその背景は。

Reuters/STRINGER Japan

KDDIは2019年10月1日付けで、一般社員に設けていた全社一律の服装に関する規定を廃止した。これまでは

・男性は主にスーツ・ジャケットにネクタイ

・女性はサンダルなどを避けビジネスの場に相応しい服装

という規定になっていた。

今後は、会社としては「最低限のマナーとして社内外の人に不快感を与えないこと」などのみを定め、各部署ごとに業務内容に応じて対応してもらうという。

さらに各部署には以下のような指導をしていく。

根拠が希薄な服装を強制しない

男女の公平性LGBTへの配慮などから、性別によって服装を指定しない

自由な服装で、新しい発想を

ビジネスパーソン

撮影:今村拓馬

社員の服装といえば、三井住友銀行も9月から東京・大阪の本店で働く行員を対象に、原則としてスーツ着用にしていたルールを見直し、年間を通して服装を自由にしたことが大きな注目を集めた(朝日新聞2019年9月3日)。

KDDIの広報部は、一律のドレスコードを廃止した意図をこう説明する。

「世の中の流れや時代の変化に合わせて、より新しい価値観、新しい発想を生み出してもらうことの一環として、服装も固定観念にとらわれず、社員自ら自律的に選択して欲しいと考えました。

実際、廃止した10月以降は、スーツではなくカジュアルな服装で働く社員もいます」(KDDI広報部)

きっかけは、男性が日常的にネクタイをする必要があるのか? など、「ビジネスカジュアル」を要望する声が社員から上がるようになったことだ。高橋誠社長から人事本部に検討の指示が出され、各部門へのヒアリングなどを実施し、その結果を踏まえて今回の決定に至ったという。

「今後も社内の状況や世の中の変化を見ながら、必要に応じて適宜対応していく」(KDDI広報部)そうだ。

携帯各社にも#KuToo広がる?

ソフトバンク

携帯各社もパンプスの指定をやめている。

GettyImages/Carl Court / スタッフ

販売店での改革も進む。

KDDIの直営店は夏のみ認めていたスニーカーの着用を、2019年5月から通年で認めるように変更。auショップでは黒のパンプスもしくはビジネスシューズを着用する決まりで、スニーカーは認めていないが、ヒールはなくても可としている。

ソフトバンクは、ソフトバンクショップやワイモバイルショップのスタッフに対し、夏服のみスニーカー着用を認め、それ以外はパンプス着用をルールとしていたのを変更し、2019年10月から通年でスニーカーやオープントゥなどの着用も認めるように。同社広報は「クルーの働く環境を改善すべく、自由化を実現した」と話す。

KDDI

携帯大手で進む、服装規定の見直し。他業種も後に続くか。

撮影: 小林優多郎

NTTドコモはドコモショップスタッフの靴について、女性スタッフはパンプス、男性スタッフは革靴を着用するよう規定していたが、2019年8月からパンプス・革靴以外の靴の着用を解禁した。

女性にのみ指定してきた制服も見直し、2020年をめどに男女ともにカジュアルな制服(ユニフォーム)を導入することも検討している。

また現在は「清潔感のある自然なメイク」や「髪色」などの例を設けているが、「次期ユニフォームの変更に合わせて、身だしなみに関する規定やガイドラインも見直す予定」(NTTドコモ広報部)だという。

職場でパンプスやヒールの着用を指定されることに抗議する#KuTooをきっかけに、既存の身だしなみルールに疑問を持ち、声を上げる人が増えている。企業も変わり始めた。誰もが働きやすい環境づくりへ、次はどんな変化が起きるだろうか。

(文・竹下郁子)

※「職場のハイヒール・パンプス着用、緊急アンケート」には、これまで2100人以上から回答をいただきました。ありがとうございます。靴以外についてもおたずねしていますので、引き続きご協力をお願いします。

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