これも"再教育"の一環? 中国、夫を収容所に連行されたウイグル族の女性の家に同じベッドで寝る男性を送り込む

子どもを抱くウイグル族の女性

子どもを抱くウイグル族の女性(新疆ウイグル自治区カシュガル)。

Kevin Frayer/Getty Images

  • 中国共産党は少数民族のウイグル族に対して、強硬路線を取っている。100万人以上が収容所に抑留されているという。
  • 当局は2017年以降、ウイグル族の女性のもとに生活をともにする男性を送り込んでいる。こうした女性たちの夫の多くは、収容所に連れていかれたという。
  • 女性のもとに送り込まれた男性は、しばしば女性と同じベッドで寝ていると、ラジオ・フリー・アジアは2人の匿名の中国人関係者の話をもとに報じている
  • 新疆ウイグル自治区で暮らすウイグル族の人々から話を聞くことはほぼ不可能だ。ジャーナリストや自治区の外の人間と話せば、彼らも収容所に入れられかねない。

夫を収容所に連れていかれたウイグル族の女性の家を監視するよう命じられた中国人男性は、しばしば女性と同じベッドで寝ている。ラジオ・フリー・アジア(RFA)が10月31日に報じた

これは、イスラム教を信仰するウイグル族の人々が多く暮らす新疆ウイグル自治区に対する、中国共産党のここ2年にわたる強硬姿勢のキャンペーンの1つだ。

中国政府はウイグル族の人々は全員テロリストと見なし、"反イスラム"を自らの行動を正当化するために使ってきた

当局は少なくとも100万人のウイグル族の人々を刑務所のような収容施設に抑留していて、婉曲的に「再教育施設」と呼んでいる。人権活動家は、こうしたキャンペーンを"民族浄化"につながるものだとしている。

女性と子ども

学校の入り口の外で待つ女性と子ども(新疆ウイグル自治区)。

Ng Han Guan/AP

中国政府は2017年以降、新疆ウイグル自治区で「Pair Up and Become Family(ペアを組んで家族になる)」というプログラムを実施していて、中国の人口の大半を占める漢民族の共産党員をウイグル族の人々の家に送り込んでいる。

当局は、このプログラムは「民族統一を促進」するものだとしているが、これにより中国政府はウイグル族の人々の行動に目を光らせることができる。

こうした党員の大半は男性で、ウイグル族のそれぞれの家庭に最大で6日間滞在するという。滞在する家庭の多くは、男性の家族が収容所に連行されていると、RFAはカシュガル地区の共産党関係者の話をもとに報じている。

デモに参加する少年

トルコのイスタンブールで、マスクをかぶってデモに参加するウイグル族の少年(2018年11月)。

Murad Sezer/Reuters

関係者によると、漢民族の共産党員は実際は家族でないものの"親族"と呼ばれ、カシュガルを2カ月に1度訪れては、ウイグル族の家族と仕事をしたり、食事をしたり、共産党の政治的イデオロギーを議論するなどしているという。

「彼らはイデオロギーの面で(家族を)助け、新しい考えをもたらしている」と関係者はRFAに語った。「彼らは生活に関する話をし、その中で互いへの気持ちを育んでいる」のだという。

そして「通常、1つのベッドに1人か2人が寝ていて、寒ければ3人一緒に寝ることもある」と言い、「今ではペアになった男性"親族"と同じ場所で寝ることが女性たちにとって当たり前と考えられている」と話した。

QRコードをスキャンする男性

壁のQRコードをスキャンして、この家の住民の個人情報にアクセスする政府関係者(新疆ウイグル自治区)。

Xinjiang state radio via Human Rights Watch

RFAによると、カシュガル地区イェンギサールの当局はこうした現状を認めたが、"親族"と受け入れ側の女性は夜間、常に3フィート(約1メートル)ほどの距離を保っていると強調した。

RFAの取材に応じた2人の関係者も、"親族"の男性が女性たちに付け込もうとしたことは一切ないと主張している。カシュガルの当局は、ウイグル族の家庭は自宅に漢民族の中国人男性を迎えることに「非常に熱心」だったと、RFAに語った。

新疆ウイグル自治区で暮らすウイグル族の人々から話を聞くのはほぼ不可能だ。ジャーナリストや自治区の外の人間とコミュニケーションを取れば、彼らも収容所に連行されかねない。Business Insiderが以前取材した海外で生活するウイグル族によると、新疆ウイグル自治区で暮らしている彼らの親族は、外部の人間とコミュニケーションを取って罰されるのを避けるため、彼らをオンラインでブロックしているという。

Business InsiderはRFAの報道について、ロンドンとワシントンD.C.にある中国大使館にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

新疆ウイグル自治区の収容所から逃れ、スウェーデンへの亡命が認められたウイグル族の女性は2019年10月、収容所の拘留者に対する集団レイプや医学実験を目撃したとイスラエル紙『ハアレツ』に語った。女性は、自身も暴行を受けたり、食事を与えられないなどの被害に遭ったと話している。別の拘留者が彼女を抱きしめたためだと言う。

RFAは新疆ウイグル自治区からウイグル族への弾圧を報じているメディアの1つだ。

中国当局は、同自治区への全ての外国人ジャーナリストの立ち入りを禁止しているが、Viceの記者2人が2019年に入って、観光客として忍び込み潜入取材している

中国政府も過去に、外国人ジャーナリストや調査員向けに高度に仕組まれた収容所ツアーを用意していた。

RFAの報道について、アメリカのジャッキー・スペアー下院議員(カリフォルニア州選出)は、「全くもって不快だ」とツイートし、アメリカは「(ウイグル族の)システム化された奴隷化と文化的抹消の試みに対して、声を上げなければならない」と主張した。

米財務省は10月、新疆ウイグル自治区のウイグル族に対する人権侵害の疑いで、中国の一部企業をブラックリストに追加した

ペンス副大統領とポンペオ国務長官は、新疆ウイグル自治区における中国政府の行動を批判したが、トランプ大統領は沈黙を守っている。

中国は10月下旬、アメリカに対し、ウイグル族の扱いに関する批判は、現在進められている貿易交渉にとって「有益」ではないと警告した。

[原文:China is reportedly sending men to sleep in the same beds as Uighur Muslim women while their husbands are in prison camps

(翻訳、編集:山口佳美)

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