ゴンザレスさん(右)からドーナツを買う女性(2019年10月26日、ミネソタ州リトル・カナダ)。
(Deanna Weniger/Pioneer Press via AP) Associated Press
- アメリカでは、クリスピー・クリーム・ドーナツ(Krispy Kreme Doughnuts)が同社のドーナツを転売するために州を越えて活動しているジェイソン・ゴンザレスさん(21)に6000個(12個入り500箱)のドーナツを無償提供するという。
- ミネソタ州にはクリスピー・クリームの店舗がない。そこでミネソタ州チャンプリン在住のゴンザレスさんは毎週末、ドーナツを地元で転売するために、アイオワ州クライブにあるクリスピー・クリームの店舗まで270マイル(約430キロメートル)を運転、最大1200個(12個入り100箱)のドーナツを購入していた。
- ゴンザレスさんのこのビジネスを知ったとき、クリスピー・クリームは「商品の質や法規制の順守」について懸念があるとして、ゴンザレスさんにこれを止めるよう求めた。
- その後、同社はゴンザレスさんに「独立事業者として」働くことを許可するとしている。このビジネスをゴンザレスさんには学生ローンの返済に役立ててもらいたいと話している。
アメリカでは、クリスピー・クリーム・ドーナツがある大学生に6000個のドーナツを無償提供するという。同社は初め、ドーナツの転売を止めるよう求めていた。
ミネソタ州チャンプリン在住のジェイソン・ゴンザレスさん(21)はAP通信の取材に、毎週末、クリスピー・クリームのドーナツを地元で転売するために、アイオワ州クライブにあるクリスピー・クリームの店舗まで270マイルを運転、最大1200個のドーナツを購入していたと語った。ミネソタ州にはここ11年間、クリスピー・クリームの店舗がない。
ゴンザレスさんは定価約10ドル(約1100円)のドーナツを1箱あたり17~20ドルで売っていた。彼のこの"ビジネス"がSt. Paul Pioneer Pressに報じられると、ゴンザレスさんのところにクリスピー・クリームのネブラスカ州にあるオフィスから電話連絡があり、転売を止めるよう言われたという。以来、ゴンザレスさんはこのビジネスを止めた。
しかし、Business Insiderが入手した声明によると、クリスピー・クリームはその後、方針を変えたようで、ゴンザレスさんにこのビジネスを続けるよう勧めている。
クリスピー・クリーム・ドーナツ・コーポレーションは、ゴンザレスさんと連絡を取ったところ、彼が2021年にメトロポリタン州立大学を借金ゼロで卒業したいと考えていて、ドーナツの転売で稼いだお金はそのために充てていることが分かったという。
大学で経営学を学ぶゴンザレスさんの「起業家精神」をクリスピー・クリームは称賛し、彼の目標達成を手助けしたいと同社は考えているのだ。その最初の一歩が、彼のビジネスのために12個入り500箱のドーナツを無償提供することだという。
同社は当初、「商品の質と、ジェイソンさんとクリスピー・クリーム両者を守るための法規制の順守を確保するため」ゴンザレスさんにドーナツの転売を止めるよう伝えていたという。
同社は、「我々の主な懸念は、ジェイソンさんが販売するドーナツが、その移動距離の長さや彼の輸送・流通方法によって、わたしたちの高い品質水準を維持しているかということでした」とした上で、「ミネソタのファンのためにわたしたちの高品質のドーナツを着実に届けてくれる独立事業者として、ジェイソンさんと仕事ができることをうれしく思っています。ジェイソンさんの大いなる成功を願うとともに、彼がビジネスを再スタートさせる際には12個入り500箱のドーナツを無償提供することで、彼の目標達成を手助けできることを楽しみにしています」としている。
(翻訳、編集:山口佳美)