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富裕層の子どもの面倒を見るために世界中を旅して回るのは、魅力的な仕事に思えるかもしれない。だが、想像するほど簡単な仕事ではないと、アメリカ各地の富裕層の家庭で働く7人の乳母たちはBusiness Insiderに語った。
給料や待遇は申し分ないようだ。ロサンゼルスの人材派遣会社「Westside Nannies」のマネージング・ダイレクター、ケイティ・プロビンジアーノ(Katie Provinziano)氏によると、優秀な乳母であれば年収15万ドル(約1600万円)は稼げるという。だが、コストも恐ろしく高い。その結果、こうしたエリート乳母の多くが3年から5年でキャリアを変えると、プロビンジアーノ氏はBusiness Insiderに語った。
エリート乳母にはどんな生活が待っているのだろうか?
ハリケーンで被災しながら働かなければならなかった。
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あるエリート乳母によると、これは「ハリケーンのせいで床上浸水し、2週間停電が続いた」ときのことだ。
この乳母は、両親のパーソナル・アシスタントと家政婦、シェフも兼任していたという。
「簡単そうに見せてはいましたが、そんなわけありません」
深夜の仮眠はクローゼットで。
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「ものすごく裕福な家庭でしたが、仮眠用にあてがわれたのは物をしまっておく倉庫で、まともなベッドすらありませんでした」と、ある元エリート乳母はBusiness Insiderに語った。「プラスチック製のカバーがかけられたカウチのようなものがあるだけで、バスルームも子どもの遊び部屋に付いているものを使っていました。わざわざ泊りがけで早朝から自分の子どもの面倒を見てくれる人を雇うくらいなら、少なくともベッドを提供することはできたはずです」
元エリート乳母によると、一家はニューヨークのアッパーイーストサイドの大きなマンションに住んでいたという。子どもの父親は投資銀行の幹部で、複数の料理人やパートの乳母を雇っていた。
赤ちゃんのうんちを手で掻き出さなければならなかった。
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「1歳になるかならないかの赤ちゃんを、出張で家を空ける両親に代わって一晩見たときのことです」と、あるエリート乳母はBusiness Insiderに語った。「便秘による腹痛で赤ちゃんが一晩中泣き叫んでいて、朝の3時頃にわたしはグローブをはめて、少しでも痛みが和らぐようにその子のうんちを手で掻き出しました。その日は2時間も寝られませんでした」
子どもの父親はノースカロライナ州ダーラムに拠点を置く企業のCEOで、母親は医師だったという。
家のあらゆる場所についたうんちを掃除。
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「具体的にこれをやってくれと指示されたわけではありませんが、カーペット、壁、ベビーベッド、動物のぬいぐるみなど、あらゆる場所にうんちがついていたことがあります」と、あるエリート乳母はBusiness Insiderに語った。「家族が帰ってくる前に、全部きれいにしておきました」
家をきれいに保っておくことも、食料品の買い出しに行ったり、子どもをあやしたりといった乳母の日々の仕事の一環だと、この乳母は話している。
渡された100ドル札をめぐって、ピザを配達員と気まずい思いをしたことも。
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「慈善団体の資金集めのパーティーに出席する両親から、ディナーを注文するよう100ドル札を渡されたときのことです」と、あるエリート乳母はBusiness Insiderに語った。「ピザを届けてくれた配達員が100ドル札にお釣りを出せなかったんです。どうすればいいか分からなくて、わたしたちはそれぞれ両親と店に連絡を取ろうとして、しばらくその場に立ちっぱなしでした。結局、店側は配達員を店に戻し、母親があとで店に電話をしてクレジットカードで払うことになりました」
ねずみの巣を自力で片付けるよう言われた。
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これまでで一番びっくりした指示だと、あるエリート乳母はBusiness Insiderに明かした。
チョコレート菓子M&Msの中から、子どもが好きな色だけ分けておかなければならなかった。
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あるエリート乳母は、「途方もなく」大量のM&Msの中から子どもの好きな2色だけをより分けて、その子どもがお菓子を欲しがったらいつでも手渡せるようにプラスチック製の袋に入れておかなければならなかったという。
(翻訳、編集:山口佳美)