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デジタルシフト時代に勝つ会社、消える会社

鉢嶺氏、田中氏、BIJ浜田統括編集長

写真左からオプトホールディングの代表取締役社長 グループCEO・鉢嶺登氏、立教大学ビジネススクール教授の田中道昭氏、Business Insider Japan統括編集長・浜田敬子。

自動運転技術の社会実装が進み、街中に設置されたカメラでデータ収集が進む──。オプトホールディングの代表取締役社長 グループCEO・鉢嶺登氏は2019年7月、中国で見たデジタル化の状況に驚いた。世界で急速にデジタル化が進む今後、現状を変えられない企業は取り残されると、強い危機感を抱く。なぜ日本企業はデジタルシフトに踏み出せないのか。今、必要なのはどんな人材なのか。

デジタル広告事業を軸に数々の企業のデジタルシフトを支援し、その実情を目の当たりにしてきた鉢嶺登氏と、メガテック企業の動向に詳しい立教大学ビジネススクール教授の田中道昭氏、Business Insider Japan統括編集長・浜田敬子が、デジタルシフトの現在と未来を語った。

中国でアリババが変える既存産業

鉢嶺氏

「デジタルシフトは、外部環境が変化する今、あらゆる産業において避けて通ることのできない要素」と話す鉢嶺氏。

浜田敬子(以下、浜田):2019年7月に田中先生と鉢嶺さんは中国に行かれたそうですね。

田中道昭氏(以下、田中):浙江省・杭州にあるアリババの本拠地に行きました。2年前にアリババが「銀泰(インタイム)」という老舗百貨店を買収したのですが、まさにデジタルシフトによって売り上げを大きく伸ばしています。

アリババは2、3年前から膨大なビッグデータを集積し生産にも生かしていて、例えばアパレルならどういうシャツを作ったらいいか、素材、色、ボタンなど、ありとあらゆる面から分析し、定価販売率を4割から8割にアップさせています。高速PDCAを回してどんどんアップデートしていくんです。

鉢嶺登氏(以下、鉢嶺):中国は、高速PDCAがキーワードですね。最近シリコンバレーも中国の動きに注目しています。自動運転技術の社会実装もしていてデータが蓄積されている。アメリカはプライバシーの問題でスマートシティがストップしてしまいましたが、中国では街中にカメラが設置されてデータ収集が進んでいます。

深センの街を走っている車のほとんどは、中国の自動車会社BYD(比亜迪汽車)の電気自動車です。医療に目を向ければオンライン診療も始まっている。まずやってみて、駄目だったら規制するという形を政府が容認している。日本の場合はやる前から「あれは駄目」「これは駄目」と規制し、結果として完全に置いていかれている状態ですね。

田中:中国のような管理社会になるべきではないと思いますが、テクノロジーの進歩という面では、個人情報などの議論が一切なく何でもできる分、日本やアメリカより進んでいますね。

鉢嶺:デジタル化はもはや、一部の産業に限られたテーマではありません。外部環境が変化する今、あらゆる産業において避けて通ることのできない喫緊の課題です。デジタル事業はどんどんチャレンジしてみないと、国も企業も行き詰まる。一歩を踏み出すことが重要です。

デジタルシフトに失敗する5つの理由

田中氏

デジタルシフトを進めるために必要なことは「常に自分自身を成長、進化させること」と話す田中氏。「今日が社会人初日、会社も今日が設立日のような気持ちで臨んで」(田中氏)

田中:デジタルシフトを実現するためには、自ら成長と進化を続けることが不可欠です。

鉢嶺:経営者自身も当然、デジタルを学ばなければならない。デジタルシフトの出発点は経営者のデジタルシフトだと思っています。

浜田:日本の場合、レガシーと言われる企業は自分たちだけで変わろうとしますよね。CDO(最高デジタル責任者)のような存在がいない、あるいは外から呼んでもその人に権限を与えない。組織的な問題で変われない企業が多いと思います。

田中:そうですね。デジタルシフトとは、常に自分自身を成長、進化させることです。それはとてもハードルが高い。心がけるべきは「Day One」。今日が社会人初日、会社も今日が設立日のような気持ちで臨まないといけない。

デジタルシフトに関するアンケート

浜田:「Day One」を持ち続けるのは本当に難しい。人事面の課題は「アンラーニング」だと言われています。年齢が高くなるほど過去の成功体験によってジャッジしてしまう。となると、経営者から変えたほうがいいということでしょうか。

鉢嶺:「経営者を変えろ」と言われても、現実的には難しいことが多い。では、どうしたらいいのか。デジタルシフトの支援をしていて共通して失敗する理由は、次の5つに集約されます。

デジタルシフトに失敗する5つの理由

1.トップがデジタルを経営戦略の中心にする信念や覚悟がない。

2.デジタルが分からない人をデジタル部門のトップに据える。

3.デジタルを下に見たり、既存組織や既存の収益源を優先したりする。

4.デジタル部門に権限(ヒト、カネ)を与えない。

5.デジタルのワクワクする未来をトップが語れない。

基本はトップの覚悟が重要なんです。企業が生き残るためにはデジタル化しなければならないという意識を持ち、デジタルを戦略の中枢に置くことが大事ですね。経営者を変えることが現実的でなければ、組織を分けデジタル部門だけでスピーディにジャッジでき推進できる環境を作り上げることです。

田中:サラリーマン社長にその覚悟ができると思いますか。

鉢嶺:できると思います。

田中:組織を分けたところで経営者が変わらなければ、企画倒れに終わりませんか。

鉢嶺:サラリーマン社長であっても、危機感を持つことはできるはずです。デジタルがわかる人をトップに置いて、デジタルがわかる人だけの組織をつくる。社長はデジタルがわからなくても変わらなくてもいい。ただ、デジタルを推進する組織に口出しせずに、予算を与えて人もつけて、本体とのカニバリから守ればいい。デジタル化して黒字に転じるまで守るのは社長の役目。業績を上げれば社内の意見も逆転します。

理想のデジタルシフト組織

浜田:CDOを外部から投入したときに、結局、仲間がいなくて失敗するという事例もあるようです。

鉢嶺:今うまくいき始めているのは損保ジャパンです。桜田謙悟氏がSOMPOホールディングス社長に就任し、CDOとしてシリコンバレーでの経験を持つ楢崎浩一氏を招きました。デジタル化しないと保険会社は生き残れないと覚悟を決めて取り組んだことで、成功事例が出始めています。

田中:保険会社の話でいえば、最終的に脅威となるのはAmazonやLINEのようなカスタマーエクスペリエンスに優れた企業による保険事業展開だと思います。驚いたのが、ライフネット生命が約6年で20万件の契約を達成したのに対し、LINE保険(損害保険)は数カ月で20万件と、急成長している。単純比較はできませんが、今まで保険に入っていなかった若い世代がLINEという顧客接点に優れたカスタマーインターフェースを通じて保険に入った。

ライフネット生命はオンライン保険、LINEはデジタル保険。両者は決定的に違います。デジタル保険はカスタマーエクスペリエンス、カスタマーインターフェースに優れている。オンライン保険は昔ながら。同様に、オンライン証券とデジタル証券、オンライン銀行とデジタル銀行も違う。

浜田:オンライン保険の場合、保険の仕組そのものは変わっていない。オンラインとデジタルは本質的に違うというのは目から鱗です。既存の価値観に引きずられていては、デジタル化は難しいということですね。

「変わることを厭わない人材」が必要

Business Insider Japan統括編集長・浜田敬子

Business Insider Japan統括編集長・浜田敬子

浜田:鉢嶺さんは2015年4月に当時34歳だった金澤大輔氏をオプトの社長に任命されました。金澤社長は就任後3年をかけて、テクノロジストやクリエイターといったデジタルシフトを担う人材の確保や組織づくりに取り組んでいます。

鉢嶺:オプトはもともと営業中心の会社というバックグラウンドがあり、過去にも何度かエンジニアの組織づくりに挑戦したものの、なかなか定着させることができませんでした。そうした経緯があったため、金澤がデジタル人材の確保や組織改革の提案をしてきた時も、私は実現が難しいのではないかと懸念していました。しかし、金澤は「3年黙って見ていてほしい」と断言し、既存の組織や社員からの反対を乗り越えてデジタルシフトに成功しました。金澤の采配で現場に権限を与え、自発性のある組織をつくったことが成功につながったのだと思います。

浜田:金澤さんは経営に対してさまざまなアイデアを出す社員だったと聞きますが、どうすれば金澤さんのような人が育つのか興味があります。起業家マインドを持っている人かどうか、採用の段階で見抜いているのですか。

鉢嶺:見抜けているかわかりませんが、「安定志向の人は来ないでください」と採用セミナーで明確に発信しています。僕らは5年間で手元のキャッシュをすべて事業への投資に使うので、5年後に会社があるかわかりませんから。変わることを厭わない人、自分がなにかを生み出せることに喜びを感じる人、夢を成し遂げたい人を優先して採用しています。

浜田:デジタルシフトが進む今後、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。

田中:デジタルシフトと聞くと理系の素養が必要なのだと思われがちですが、ビジネスモデルを構築する、事業を開発する「文系的な」能力も不可欠です。文系人材がプログラミングを勉強する必要は必ずしもない。むしろ重要なのは、プログラミング的思考であり、それはデータを見てどういう推論ができるのか、そのデータを使ってAIで解析するとどういった最適化ができるのかを考えられることだと思います。


今や、あらゆる業種、企業にとってデジタルシフトは避けられない課題。企業も、そこで働く個人も、日々、自分自身をアップデートし続けながらデジタル時代の可能性を切り開いていくことが求められそうだ。 オプトホールディングは、企業のデジタルシフト支援で多くの実績を持つのに加えて、デジタルシフト情報に特化したメディアの運営や、教育プログラムの提供も手がけている。

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