「楽天ヒット番付」に見る、意外な“令和”消費。すでに2020年「オリンピック逃避」の兆候も

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ヒット番付には「元年消費」や「サウンドジェニック」などが選ばれた。

撮影:横山耕太郎

2019年もあと2カ月。楽天市場を運営する楽天は、商品などのデータを分析し、今年を象徴するキーワードを決める「楽天ヒット番付2019」を発表した。今年のキーワードには、「増税前駆け込み需要」や、若い世代が美容やレアな商品にお金をかける「20代の“投資”消費」などが選ばれた。

楽天市場に加え、楽天ブックスや楽天トラベルなどのグループの購買データも含め、2019年1月~9月の売り上げを2018年同期と比較して分析した。

1. 自分への投資は惜しまない

オーダーメイドスーツ

楽天市場で「オーダーメイドスーツ」を検索した画面。20代の購入が増えている。

撮影:横山耕太郎

キーワードとなった「20代の“投資”消費」をみてみよう。

購買意欲が低いと言われる20代だが、商品によっては売り上げを大きく伸ばしているモノもある。美容や付加価値の高いファッションなどの分野だ。

体形に合わせて作る「オーダーメイドスーツ」は2018年に比べて売り上げが7割増加。毛穴の汚れを落とす美容機器「ウォーターピーリング」は3倍に伸び、「リラクゼーションエステ」も6割近く増加するなど売り上げを伸ばした。

2. フリマで伸びる「スニーカー」「アイドルグッズ」

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ナイキのスニーカー。定価の10倍程度で出品されているという。

「20代の“投資”消費」を象徴する動きの一つはスニーカーだ。ネット上で商品を売買するフリマアプリ「楽天ラクマ」では、「メンズスニーカー」の売り上げが3倍に増えた。

ナイキやアディダスの商品が人気で、他ブランドとコラボした限定品などが定価の10倍以上で出品されることもあるという。メンズスニーカーの取引額は、2016年~2018年で45倍になり急拡大している。

また、楽天ラクマではアイドルの名前が書かれたタオルやTシャツなどの「アイドルグッズ」の売り上げも2.3倍になった。担当者によると、「10代の女子の利用が多い。推しのアイドルが変わった場合に、グッズを売って別のグッズを買うことが多いようです」と話す。

3. 増税の直前に駆け込み

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掃除機などの家電で消費増税前の駆け込み需要があった。

番付トップの「横綱」に選ばれたのは、消費増税に伴う「増税前の駆け込み需要」だった。今年10月の消費税引き上げの前に、高額の商品を購入する動きがみられたという。

「テレビ」の売り上げは2.3倍に増え、家などの「リフォーム」の売り上げも70%増えた。2014年の消費増税の時には、約2か月前から駆け込み需要があったが、今回は増税1カ月の9月になって一気に需要が増えた。データを分析した同社の清水淳さんは、次のように話す。

「増税前に慎重にネットで情報を集める人が多かった。情報を参考にして、そのままネットで買い物する人が多かったので、店舗での買い物に比べて駆け込み需要が強かったのではないか」

4. 令和人気で「御朱印帳」が3割増

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元号が令和に変わり、「御朱印帳」の売り上げが伸びた。

元号が「令和」に変わったことで、意外な商品もトレンドに入った。

4月に当時の天皇皇后両陛下が、譲位の報告のために伊勢神宮を参拝したことで、伊勢神宮周辺の旅行の売り上げが2.1倍に増えた。また、「御朱印帳」の売り上げも3割増加。また改元に合わせた結婚も増えたため、婚姻届が4割増えたという。

他にも「令和」という元号の引用元となった「万葉集」の関連本の売り上げが約10倍になり、爆発的な人気になった。

2020年はオリンピック起因の「裏スポーツ特需」が来る?

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データ分析を行う清水さんは、2020年のトレンドについて「テレビ観戦が増え食品のデリバリーも増える」と説明した。

前出の清水さんが、2020年に来ると予想しているのは、2020年7~9月に開催される東京オリンピック・パラリンピックに合わせて発生する「裏スポーツ特需」だ。スポーツそのものではなく、オリンピック開催に伴う副産物的需要を指す。

大会期間中は、通勤への影響を回避するためリモートワークを推進する企業なども多いため、パソコンやWi-Fiルーターの需要が拡大するとみられている。すでにパソコンの売り上げは、前年比50%増加したという。

また大会の混雑を避けるために、都内から脱出し、旅行に行く人も多いと予想している。7月下旬から8月上旬に、東京在住者が都内以外の宿泊地を選択した予約が、前年と比べ2.4倍になっているという。

来たる2020年は東京五輪が良くも悪くもトレンドの中心になる、そんな兆候が既に現れている。

(文・写真、横山耕太郎)

※編集部注:楽天側からの指摘により、調査開始時期について、表現の一部を変えています。

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