『ゲーム・オブ・スローンズ』ファンに大人気のクロアチア、ドゥブロブニク。
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- クロアチアのドゥブロブニク市は、新しいレストランを禁止する案を提出した。CNN Travelが報じた。
- この提案によって、レストランは屋外にテーブルや椅子を新たに置くことができなくなるという。
- フランコビッチ市長は、ドゥブロブニクでは屋内のスペースが限られているため、レストランの半数以上は屋外にテーブルを置いて営業していると、CNN Travelに語った。
- 人気テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地としても有名なドゥブロブニクにはファンが殺到し、観光客が急増している。
- ドゥブロブニクは、オーバーツーリズムに苦しんでいる世界の都市の1つだ。
新しいレストランの禁止は、ドゥブロブニクのオーバーツーリズムに対する次の防御策だ。CNN Travelが報じた。
ドゥブロブニクのフランコビッチ市長は、この提案によって、レストランは屋外にテーブルや椅子を新たに置くことができなくなると、CNN Travelに語った。スペースが限られていることから、これは実質的にレストランの新規出店を禁止するものだと市長は認めた。
CNN Travelによると、ドゥブロブニクの公共のスペースは市が所有していて、市はこの提案を12月に採決するという。
「店内での営業は可能だが、旧市街では屋内で仕事のできる場所を見つけるのは非常に難しい。99%のレストランは主に屋外のテーブルを使って営業している」とフランコビッチ市長は説明した。
提案が通れば、既存のレストランが閉店しても新しいレストランがその場所を使うことはできないと、CNN Travelは報じている。
人気テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地でもあるドゥブロブニクでは近年、観光客が急増している。クロアチア・タイムズによると、ドゥブロブニクでは2019年、観光客の数が過去最多を記録した。
オーバーツーリズムに苦しむ世界の都市
オーバーツーリズムと戦うべく、世界各地の都市が手段を講じている。毎年、観光客であふれかえっているイタリアのベネチアは、2022年から大型クルーズ船の運河への立ち入りを禁止する。ローマでは2019年7月、歴史あるスペイン広場に通じる階段で座ると、最大で400ユーロ(約4万8000円)の罰金が科されるようになった。
タイのマヤ・ビーチも、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ザ・ビーチ』(2000年)の撮影場所として人気が高まったが、海洋生態系を守るため、2021年6月まで観光客の立ち入りが禁止になったと、CNNが5月に報じた。
アトランティック誌は、オーバーツーリズムの負の影響として、混雑や不動産価格の高騰、環境へのダメージなどを挙げている。そして、オーバーツーリズムが近いうちに止む気配はないという。
「何でもありのクルーズ船での朝のマルガリータのように、それは突然、あらゆる場所に広がっている」
(翻訳、編集:山口佳美)