男性だからデートで多く払うべき?若い世代ほど「女性をリードすべき」がつらい

ただずむ男性

アンケートでは20代~40代の若い世代のこそ、生きづらさを感じていることが分かった。

撮影:今村拓馬

「男性だから」デートでお金を多く負担しないといけない。「男性だから」弱音を吐くのは恥ずかしい……。

女性支援団体「Lean In Tokyo(リーン・イン東京)」では、「男性の生きづらさ」に関するアンケート調査を10月に実施した。その結果、「男だから」という理由で生きづらさを感じている男性は5割を超えており、若い世代にその傾向が強いことが分かった。

記者の周りにも、「男だから」という固定観念に息苦しさを感じる人は多い。男性が抱える生きづらさとは何か?

料理が趣味と言いにくい…

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shutterstock/ I AM NIKOM

30代の同僚は料理が趣味。しかし、料理の話をすると特に上の世代から「男性なのに珍しい」と言われることが多いという。「生きづらさというほどではないけれど、好きで料理を作っているのに『女子力が高い』と言われると、いい気はしない」と話す。

職場でも「男だから」は少なくない。

これは記者の話だが、転職について50代の先輩に相談した時、「これから結婚して家庭を築くかもしれない。男なのだから将来に備えておかないといけないだろう」と忠告された。正直、「男だから」は関係ないだろうと、違和感を持ったことを覚えている。

若い世代の半数「生きづらさ感じる」

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年代別では、40代が最も生きずらさを感じている割合が高かった。

提供:Lean In Tokyo

前出のアンケートを実施した組織の母体リーン・インは、FacebookのCOOシェリル・サンドバーグ氏が立ち上げた団体で、170カ国に4万4000ものサークルが発足し、女性が挑戦できる社会の実現を目指し勉強会やイベントを開催している。今回は日本で活動するサークルの代表団体が、「国際男性デー」(11月19日)を前に調査を実施し、男性309人が回答した。

アンケートでは、職場や家庭などで「男だから」という固定概念により、生きづらさや不便を感じることはあるかを質問。

「頻繁に感じる」と「たまに感じる」の合計は5割超で、「全く感じない」の2割超を大きく上回った。年代別にみてみると、若い世代ほど「生きづらさ」や「不便」をより、感じるようだ。20代~40代の若い世代では、いずれも過半数を超えている一方で、50代と60代以上では約4割にとどまった。

「デートで男性が払う」負担に思う

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生きづらさを感じる項目では「力仕事や危険案仕事は男の仕事という考え」が全世代で3位以内に。

提供:Lean In Tokyo

「生きづらさを感じる場面」を聞くと、ここでも世代による違いがみられた。20代、30代で最も多かったのは、「デートで男性がお金を多く負担したり、女性をリードすべきという風潮」だった。20代の2位は「男性が弱音を吐いたり、悩みを打ち明けることは恥ずかしいという考え」だった。

一方、40代、50代では「男性は定年までフルタイムで正社員で働くべき」という回答が最も多かった。40代の2位は「高収入でなければならないというプレッシャー」で、仕事に関係する項目が上位になった。結婚して家族をもつ人が増える年代では、やはり一家を支えなければというプレッシャーが透けて見えてくる。

若い世代は自由を追求?

「男性は家庭や職場でこうあるべきだ」という価値観が強いはずの50代以上の男性の方が、より生きづらさを感じそうだが、アンケート結果を見てみると、実際には若い世代の方が生きづらさを感じていた。

若い世代が生きづらさを感じている背景の一つは、近年のジェンダー意識の高まりだろう。女性へのセクハラ・パワハラの告発を促した「#MeToo運動」など、より男女の間の差別や格差を是正しようとする機運が社会的に高まっている。

そうした時代に生きる若い世代は、「男はこうあるべき」という固定観念から自由にありたいと考える傾向が強く、生きづらさをより敏感に感じているのではないだろうか。

制度の問題だけでなく

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記者会見で「男性と女性が生きにくさを共有することが大切です」と話す二宮さん。

撮影:横山耕太郎

男性の生きづらさの原因について、リーン・イン東京の二宮理沙子代表は次のよう話す。

「男性の育休義務化など、制度面の議論が進む一方で、『自分の弱みを話すことを恥ずかしい』と回答した男性も多かった。生きづらさの原因は、制度だけではなく、自分からはどうにかするのが難しい精神的な要因も多い」

男性の生きづらさは、これまでは見過ごされてきたことも多かった。しかし、「一家の大黒柱でいなければならない」「高収入でなければならない」といった、「男性だから」と言って当然とされてきたことは、若い世代には通用しなくなってきている。「男性だから」という固定観念を、手放す時代が来ている。

(文・横山耕太郎)

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