ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
Disney/Lucasfilm
- ディズニーのCEOボブ・アイガーはブルームバーグに、「ハン・ソロ」の興行収入が振るわなかったことで「スター・ウォーズのスピンオフ作品に対する需要はそれほど高くなかったようだ」と語った。
- しかし、最初のスピンオフである「ローグ・ワン」が大ヒットだったと認めるなら、それは「スター・ウォーズ」のスピンオフ作品への需要があることの証明だ、とBoxoffice Proのチーフ・アナリスト、ショーン・ロビンズはBusiness Insiderに語った。
- また、Comscoreのシニア・メディア・アナリスト、ポール・デルガラベディアンは、「最後のジェダイ」のわずか5カ月後の「ハン・ソロ」の公開は、興行収入面で足を引っ張ったと述べた。
ディズニーのCEOボブ・アイガー(Bob Iger)は最近、ブルームバーグに「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」のが興行収入が振るわなかったことを受けて「スター・ウォーズのスピンオフ作品に対する需要はそれほど高くなかったようだ」と語った。
これはアイガーの最新コメントであり、ディズニーは「スター・ウォーズ」の世界ではもうスピンオフ映画の計画はなく、今後はストリーミング・サービスであるDisney+用のテレビシリーズと2022年に始まる新三部作に焦点を当てる予定だ。ただし、それらの脚本と製作を手掛けるはずだったデビッド・ベニオフ(David Benioff)とD・B・ワイス(Weiss)は最近プロジェクトから離脱した。
「ハン・ソロ」は昨年、世界の興行収入が4億ドルを下回ったが、他の「スター・ウォーズ」映画はすべて10億ドルを超えている。専門家によると「ハン・ソロ」の興行成績の不振にはさまざまな理由があり、観客が「スター・ウォーズ」のスピンオフに飽きてしまったことを意味しないという。
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
Disney
Comscoreのシニア・メディア・アナリスト、ポール・デルガラベディアン(Paul Dragarabedian)氏はBusiness Insiderに対し、「それでも『ハン・ソロ』 は大金を稼いだ」と述べた。
「北米では2億1300万ドル以上を稼いだが、『スター・ウォーズ』の世界では、それはごくわずかだ。ディズニーはおそらく、多くのものをつぎ込んだ割には十分なリターンを得られなかったと感じたのだろう」
「ネガティブな反応が表に出て、さらに舞台裏の問題が報じられると、その作品は大打撃を受けた」と彼は付け加えた。
「ハン・ソロ」は製作上の問題に悩まされた。監督だったフィル・ロード(Phil Lord)とクリス・ミラー(Chris Miller)は、撮影が遅れて解雇され、ロン・ハワード(Ron Howard)がかなりの量の再撮影のために彼らの代わりに入った。予算は2億7500万ドルに膨れ上がり、結局、映画評論サイト「Rotten Tomatoes」での評価は70%、興行収入は全世界で3億9300万ドルとなった。
デルガラベディアンは「ファンはただ、すばらしい映画が見たいだけだ」と語った。
2016年に世界で10億5000万ドルを稼ぎ出した「ローグワン」は、スカイウォーカーの物語以外の最初のスピンオフだ。「ハン・ソロ」にはスピンオフ作品でもうまくいくという前例があった。
「『ハン・ソロ』のような物語に対する需要はある程度はある」とBoxoffice Proのチーフ・アナリスト、ショーン・ロビンズ(Shawn Robbins)はBusiness Insiderに語った。
「『ローグ・ワン』は、それを証明した。その需要を損なったのは『ハン・ソロ』のクオリティが原因だ。ファンはスター・ウォーズ・シリーズを一大イベントのように感じたいと思っている」
ザ・マンダロリアンはDisney+で放映予定のテレビ・シリーズ。
Disney/Lucasfilm
タイミングがすべて
映画のクオリティと、公開前に汚点を残した製作上の問題のほかに、「ハン・ソロ」の公開日も興行的に有利にはならなかった。
ディズニーはいつも12月に「スターウォーズ」を公開する。「フォースの覚醒」(2015年)、「ローグ・ワン」(2016年)、「最後のジェダイ」(2017年)がそうだ。「ハン・ソロ」は「最後のジェダイ」からわずか5カ月後の2018年5月に公開された。
デルガラベディアンは「『スター・ウォーズ』には息抜きの時間が必要だ」と語った。
ディズニーはまさにそれを試そうとしている。CEOのアイガーは、劇場映画「スターウォーズ」の生産を減速すると述べているが、Disney+向けに複数のテレビ番組を製作している。最初の「ザ・マンダロリアン」は、11月のサービス開始時にストリーム配信される予定で、ユアン・マクレガー(Ewan McGregor)がオビ=ワン・ケノービ役を務める作品や「ローグワン」の前日譚も準備中だ。
ディズニーはまさにそれを試そうとしている。CEOのアイガーは、劇場映画「スター・ウォーズ」の生産を減速すると述べているが、Disney+向けに複数のテレビ番組を製作している。最初の「ザ・マンダロリアン」は、11月のサービス開始時にストリーム配信される予定で、ユアン・マクレガー(Ewan McGregor)がオビ=ワン・ケノービ役を務める作品や「ローグワン」の前日譚も準備中だ。
「オビ=ワンの映画を、ファンは待ち続けていた」とロビンズ氏。
「ファンが次に見たいと思っているストーリーだ。今回はテレビシリーズで、Disney+はよく知られていない。最初の『ザ・マンダロリアン』に対する反応は、人々がスター・ウォーズについてどう感じているかを示すものになるだろう。スター・ウォーズ・シリーズにとって、今はとても重要な時期だ」
[原文:Disney is adamant that audiences don't want more standalone 'Star Wars' movies, but experts disagree]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)