週4日勤務は燃え尽き防止に効果的?…IT、外食、小売などの企業でのテスト結果

週4日勤務はおおむねうまくいっている。

Oli Scarff / Getty Images

  • マイクロソフトから外食チェーンのシェイク・シャックまで、さまざまな企業が生産性とワークライフバランスを改善するために週4日勤務を試している。
  • これらの企業の一部では、短い勤務日数によって、重要なタスクに集中しやすくなったと述べている。
  • 一方、プログラミング教育のスタートアップ、Treehouseは、堅実な労働倫理を維持することが困難になることに気づいた。

Slackのような業務用チャットアプリが登場し、スマートフォンで24時間365日のメールアクセスができるようになって、仕事から開放されることはかつてないほど困難に感じられる。

それと同時に、従業員のバーンアウトが増加しているようだ。昨年6月に発表された7万5000人の労働者を対象としたギャラップの調査で、23%の労働者が常に、または非常に頻繁に仕事で消耗していると訴え、44%がときどき消耗していると答えた。2017年にKronos Incorporated and Future Workplaceが実施した614人の人事リーダーへの調査では、調査対象者のほぼ半数が、バーンアウトが離職の最大の要因であると述べている。

現在、ワークライフバランスを改善する方法として最も注目されているのは週4日勤務で、試験的に導入する企業が増えている。もちろん週4日勤務はまだ一般的ではないが、注目され始めている。

2019年4月に行われたSociety for Human Resource Managementの調査に参加したアメリカの6万社の企業のうち15%は、週4日、32時間以下の勤務を実施していると述べていて、2017年の13%、2018年の12%から増加している。さらに、この短い労働時間を施行した組織からは、生産性の低下や収益の減少は報告されていない。

マイクロソフトは最近、日本マイクロソフトで行った週4日勤務のトライアルの結果を発表して話題になった。8月の毎週金曜日にオフィスを閉鎖し、そうすることで生産性が40%向上したという。

シェイク・シャックやユニクロなど、週4日勤務に切り替えた企業を紹介しよう。

シェイク・シャックは、週4日労働を実験している会社の1つだ

シェイク・シャックは、週4日労働を実験している会社の1つだ

Instagram / Shake Shack

この人気のハンバーガーチェーン、シェイク・シャック(Shake Shack)は、3月にラスベガスを拠点とするいくつかの店舗で週4日勤務の実験を始め、現在では同社の店舗の約3分の1が週4日勤務制を採用している。

週4日勤務はまだテスト段階だが、これまでのところ、結果は良好だとCEOのランディ・ガルッティ(Randy Garutti)は最近の業績報告の電話会見で語った

「我々はマネージャーたちの話に耳を傾け、従業員のライフスタイルや求めているものを理解しようとしている。この制度の評判はとてもいいと聞いている」と彼は言った。

週4日制のため、一部の従業員は5日目の保育料を支払わなくてすむ。また、この仕事に応募する動機にもなっているとガルーティは言う。

Basecampは夏に週4日勤務を導入している

Basecampは夏に週4日勤務を導入している

Basecamp

プロジェクト管理ソフトウェアの会社、Basecampのスタッフは夏の間、週に4日、32時間働くことになる。これは5月1日から8月31日まで有効だが、新入社員については研修期間を修了する必要がある。

Basecampの顧客サポートチームを率いるチェイス・クレモンズ(Chase Clemons)はCNBCのインタビューで、週32時間の労働時間は、従業員が最も重要な仕事に集中するのに役立つと述べた。

「32時間勤務では、仕事に優先順位をつけるようになる」とクレモンズは語った。

「より速く仕事をするのではなく、より賢く仕事をするようになる」

ユニクロは2015年、従業員が5日ではなく4日間で40時間働くことを認めるテストを実施した

ユニクロは2015年、従業員が5日ではなく4日間で40時間働くことを認めるテストを実施した

Reuters

2015年には、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングが、同社従業員の1/5に週休3日制を導入すると発表した。しかし、従業員は相変わらず週40時間働かなければならなかった。社員がワークライフ・バランス向上のためにパートタイマーになることを防ぐ目的で、正社員への特典を提供したと当時、ブルームバーグは報じている。


パーペチュアル・ガーディアンは、試験導入が成功した後、長期的に週4日制を採用した

パーペチュアル・ガーディアンは、試験導入が成功した後、長期的に週4日制を採用した

写真はイメージ。

Sean Gallup/Getty Images

ニュージーランドを拠点とする不動産サービス会社、パーペチュアル・ガーディアン(Perpetual Guardian)の創設者であるアンドリュー・バーンズ(Andrew Barnes)は、週4日労働制の最大の支持者かもしれない。

彼の会社は2018年3月に、ニュージーランド中の240人の従業員全員に週一回の有給休暇を与えるというテストを行った。従業員の労働時間は週30時間になったが、給与は同じで、仕事量も同じだった。

このテストの後、ワークライフバランスが向上してストレスが減少する一方で、チーム内の結びつきが顕著に増加していることがわかった。同社はこの方針を昨年11月から選択式で長期的に実施している。

バーンズはそれ以来、週4日労働を積極的に提唱しており、導入を支援するための非営利団体を設立した。

TreehouseのCEO、ライアン・カーソンは、週4日の勤務は思惑通りにはいかないことに気づいた

TreehouseのCEO、ライアン・カーソンは、週4日の勤務は思惑通りにはいかないことに気づいた

GrowthLab/YouTube

週4日勤務制のすべてのテストが成功したわけではない。

プログラミングを学ぶためのバーチャル授業を提供しているTreehouseは、2015年に週休3日制の導入を試みたが、同社の最高経営責任者、ライアン・カーソン(Ryan Carson)が2018年の講演での発言によると、この制度を2016年に廃止したという。

「それは、我々のビジネスとミッションにとってはとても有害で、倫理観の欠如をもたらした。ひどい結果だった」とカーソンは述べている

Wildbitは2017年に週休3日制を導入して以来、さまざまな試行を繰り返してきた

Wildbitは2017年に週休3日制を導入して以来、さまざまな試行を繰り返してきた

写真はイメージ。

10'000 Hours/Getty Images

ソフトウェア会社のWildbitも、2017年に金曜日を休みにするというテストを行った。

「時間を制限することで、すべてを完了させるのに40時間かかったときよりも、より思慮深く重要な仕事を生み出すことに挑戦している」と共同設立者でCEOのナタリー・ナーゲレ(Natalie Nagele)は2017年に書いている

それ以来、同社は繁忙期に合わせて勤務フォーマットを調整する実験を行ってきた。Fast Companyによると、同社は最終的に一部のサポートチームメンバーに金曜日ではなく月曜日に休暇を与えることに変更し、丸一日の休暇ではなく短い勤務時間の日を導入することも検討しているという。

ナーゲレはまた、同社が週4日制を導入した年には、前年よりも多くの機能をローンチできたと述べた。このシステムは従業員が気を散らすことを避け、優先順位の高い仕事に集中するのにも役立っているという。

[原文:Companies from Microsoft to Shake Shack have experimented with a shorter, 4-day workweek — and most of the time it's worked really well (MSFT)

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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