GitHubのナット・フリードマンCEO。
GitHub
- GitHubは、開発者らがソースコードを共有できるプラットフォーム。そこで人気の高いプログラミング言語やオープンソースプロジェクトについてまとめた年次レポート「オクトバース(Octoverse)」が発表された。
- マイクロソフトは、同社のクラウドプラットフォームにより多くの開発者を惹きつけるために、GitHubを2018年に75億ドル(約8200億円)で買収した。
- GitHubによる、人気プログラミング言語トップ10を見てみよう。
GitHubは4000万人もの開発者が、個人用、仕事用などさまざまなプロジェクトを共有し、達成に向けてコラボレートし、コードをシェアするハブとなった。
2018年、マイクロソフトはGitHubを75億ドル(約8200億円)で買収した。アマゾンなどの競合がひしめく中、より多くの開発者を同社のクラウドプラットフォームに惹きつけるという戦略上、GitHubは欠かせない存在となっていたからだ。
開発者が集う大規模コミュニティであるGitHubでは、開発者の間で人気のプログラミング言語について調査し、その結果を「オクトバース(The State of the Octoverse)」と題したレポートにまとめ、毎年発表している。その最新版を見ればソフトウエア開発の最前線の動向を知ることができる。
2019年版のレポートによる、開発者に人気のプログラミング言語トップ10を見てみよう。
第10位 Ruby
Brian To/FilmMagic/Getty Images
Rubyはシンプルに使えることを重視したオープンソースのプログラミング言語。開発者のまつもとゆきひろ(通称Matz)は、好きな言語のいちばんいい部分を集めてRubyを作り上げたという。
1995年のリリース以来、Rubyに関する複数のカンファレンスや交流会も開催されていて、人気が高まっている。
第9位 C
Flickr
デニス・リッチー(Dennis Ritchie)が1972年に開発したCは、最も古いプログラミング言語の1つであり、現在でも高い人気を誇る。コンピューター・システムやハードウェアのプログラミングに対応する汎用言語として開発された。現在人気のJava、PHP、 JavaScriptといった多くの言語は、Cをルーツとしている。
第8位 Shell
Michael J. Henehan
Shellは特にIT分野の開発者に人気が高く、OSを直接操作するコマンドを書くことができる。またプログラムをリモートでインストールあるいはアンインストールしたり、ファイルのバックアップやコピーなどの一般的な操作の自動化にも利用できる。
第7位 TypeScript
Reuters
TypeScriptは、マイクロソフトが開発、管理するオープンソースのプログラミング言語。非常に人気の高い言語であるだけでなく、成長も極めて速い。
シンタックス(データの形式や構造)とセマンティクス(データの意味)がJavaScriptとよく似ているが、TypeScriptの方がより強力な機能を有し、大規模アプリケーションの開発に適している。
また、TypeScriptは、マイクロソフトが無料で提供するソースエディタのVisual Studio Code(VSCode)でサポートされている。VSCodeは、GitHub最大のオープンソースプロジェクトだ。
第6位 C++
YouTube/saurabhschool
C++はC言語から派生した言語で、その歴史は1979年まで遡る。ビャーネ・ストロヴストルップ(Bjarne Stroustrup)が博士論文の執筆中に、C言語に新たな機能を加えるために開発した。
現在でも多くのOS、ブラウザ、ゲームにとって中核的な言語であり、広く利用されている。
第5位 C#
Wikimedia Commons
C#は「シーシャープ」と読む。マイクロソフトのアンダース・ヘルスバーグ(Anders Hejlsberg)が率いるチームによって開発された。Javaに似た言語で、モバイルアプリ、ゲーム、企業向けソフトウェアの開発に利用されている。
第4位 PHP
ShutterStock / timofey123
PHPとは「PHP: Hypertext Preprocessor」の再帰的頭字語となっている。オープンソースのプログラミング言語で、ウェブ開発やインタラクティブなウェブサイトの作成に用いられる。データベースの扱いも得意で、フェイスブックやヤフーでも使われている。だが開発者は長い間、最悪のプログラミング言語だと揶揄している。
第3位 Java
Sam Howzit/Flickr
Javaは1995年にサン・マイクロシステムズによって開発された。その後、同社はオラクルに買収された。
オープンソース言語のJavaは、ツイッターやネットフリックス(Netflix)といった大企業によく利用されている。モバイルやウェブのアプリケーション、ゲーム、データベース主導型ソフトウェアなどの開発に用いられている。JavaはC++やC#と似ているため、これらの言語間の切り替えは容易だ。
第2位 Python
Shutterstock
Pythonはプログラミング言語として非常に人気が高いだけでなく、成長も極めて速い。このランキングの2018年版では3位だったが、2019年は2位へとランクアップした。
Pythonはオープンソース言語であり、人工知能アプリケーションの開発やデータサイエンスの分野でよく利用されている。学びやすい言語としても知られており、Python関連の大きなコミュニティが形成され、カンファレンスや交流会も開催されている。
第1位 JavaScript
Dmitry Baranovskiy via Flickr
ウェブサイトの構築に利用される主要な言語の1つであるJavaScriptが、引き続き世界で最も人気の高いプログラミング言語となった。インタラクティブなウェブサイトが構築でき、ゲーム制作にも利用できる。軽く、柔軟で、強力なところが、開発者に好まれている。Javaに名前が似ているが、関連性はほぼない。
[原文:The 10 most popular programming languages, according to the Microsoft-owned GitHub]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)