オクラホマ州タルサのアメリカン航空の整備基地に駐機するボーイング737MAX。
American Airlines
- サウスウエスト航空とアメリカン航空は、少なくとも2020年3月まで、ボーイング737MAXの運航を中止する。
- アメリカン航空は以前、737MAXを1月16日から再び運航する計画だと述べていた。
- ボーイングは、2019年中に同型機を再び就航させるという目標に対し、ますます多くの障害に直面している。
- 同型機は今年3月から世界中で運航が停止されている。
サウスウエスト航空とアメリカン航空は、ボーイング737MAXの欠航を少なくとも2020年3月第1週まで延長すると発表した。ボーイングは、2019年内の運航再開を求めているが、多くの障害に直面し、混乱が拡大している。
サウスウエストはこれまで34機ある737MAXの再就航を2月8日まで延ばしており、これはアメリカの航空会社の中で最も遅いものだった。同社は現在、少なくとも3月6日までは737MAXの運航を取りやめると述べ、「同型機の再就航は不確実な状態が継続しており、このままでは、2020年第1四半期の運航能力の最新情報を発表できない」と付け加えた。
アメリカン航空は、ボーイングが今年の第4四半期に当局に再就航の承認を得るということを前提に、1月16日に同型機の再導入を計画していると述べていた。現在は、3月5日まで欠航するとしている。
ユナイテッド航空は、11月8日(現地時間)の時点で、1月以降の運航停止を延長していない。
規制当局は今週、ボーイングが提出した再承認の申請書で不備があることを指摘して修正を求めた。ロイターの報道によると、ボーイングは文書を修正して再提出する必要があることを認めたという。
今回の書類の再提出で、ボーイングがいつ飛行再開の承認を得られるのか、そしてそれが2019年のうちに実現するのか、という疑問を投げかけている。
ロイターによると、アメリカ連邦航空局(FAA)は、承認から運航までは30日かかると言っている。
ボーイングで最も売れている737MAXは、インドネシアとエチオピアでの墜落で346人が死亡し、2019年3月以降、運航が停止されている。
事故調査の結果、MCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)と呼ばれる自動操縦装置が誤作動して機首が下がり、操縦士が操縦できなくなったことがわかった。
このシステムは、センサーのデータによって作動するが、どちらの事故でもセンサーは故障していたと考えられ、誤ったデータがコンピューターに送信され、チェックが行なわれないままシステムが作動したとみられている。
MCASは、以前の737よりも大きなエンジンを持つ737MAXを補うように設計された。大型エンジンには、機首が上に向きすぎて失速につながる可能性がある。このシステムは、それを感知して自動的に機首を下に向け、エンジンの大きさの影響をカバーすることができる。
この機体には他にも安全上の問題があり、ボーイングはフライトコンピューターに大きな変更を加えることになっている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)