TikTokの親会社を創業! 中国の36歳のビリオネア、張一鳴氏とは

張一鳴CEO

CEOの張一鳴氏。

Visual China Group via Getty Images; Ruobing Su/Business Insider

動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の人気の高まりは、ソーシャルメディア・スターの新しい世代を生み出しただけでなく、ソーシャルメディア・ビリオネアをも生み出した。

36歳のソフトウエア・エンジニアで、このアプリの親会社「Bytedance(バイトダンス、字節跳動) 」の創業者でもある張一鳴(Zhang Yiming)氏の純資産は、今では162億ドル(約1兆7600億円)にのぼるとフォーブスは見ているブルームバーグ・ビリオネア指数では、中国で13番目に裕福な人物としてランク付けされたものの、張氏は人前に出たがらず、そのプライベートはほとんど知られていない。

張一鳴氏とはどんな人物なのだろうか?


張氏は、中国の北京在住の36歳だ。

張一鳴氏

VCG/VCG via Getty Images

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、張氏は1983年、中国の福建省で生まれた。両親は公務員として働いていたと、ブルームバーグは報じている

大学時代の恋人と結婚している。

天津

南開大学は中国の天津にある。

KeepWach/Shutterstock.com

張氏は2005年、南開大学を卒業した。大学に入ってミクロ電子工学を学んでいたが、途中でソフトウエア工学に専攻を変えたと、サウス・チャイナ・モーニング・ポストは報じている

同紙によると、夫妻に子どもはいないという。

大学卒業後、張氏が最初に就職したのは「Kuxun」と呼ばれるオンライン旅行予約のスタートアップだった。

張氏

Inspirasiku TV/YouTube

サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、張氏は「わたしは初めての従業員の1人だった。最初はただのエンジニアだったが、2年目にはバックエンド・テクノロジーおよびプロダクト関連の他のタスクの責任者として約40~50人を管理していた」とバイトダンスの従業員に語っている。

張氏はこの仕事を通じてセールスのスキルを学び、これがバイトダンスを成長させる上で役立ったと話している。

同紙によると、張氏は「2007年の終わり、わたしはセールスの責任者としてクライアントに会いに行ったことを覚えている」とし、「この経験が、どういうセールスが良いセールスなのかわたしに教えてくれた。Toutiao(今日頭条)を立ち上げ、スタッフを採用したときも、こうした経験がわたしを大いに助けてくれた」と語った。

バイトダンスを立ち上げる前、張氏はマイクロソフトで働いていたこともあると、サウス・チャイナ・モーニング・ポストは報じている。

張氏は2012年、TikTokの親会社を創業した。

バイトダンス本社

北京にあるバイトダンス本社。

Reuters/Stringer

Pitchbookによると、バイトダンスの企業価値は750億ドルで、同社は世界で最も企業価値の高いスタートアップ企業だ。

Business Insiderが9月に報じたとおり、同社は中国国内で運営されている複数のソーシャル・ネットワーキング・アプリを所有している。2019年には「FlipChat」と呼ばれるWeChat(微信)の競合や、「Duoshan」と呼ばれる動画メッセージ・アプリをリリースしている。

張氏とバイトダンスの最初のプロダクトは、ニュースアグリゲーター・アプリ「Toutiao(今日頭条)」だった。

広告

Toutiaoの広告。

Reuters/Stringer

Business Insiderが以前報じたように、張氏は中国の検索エンジン「バイドゥ(百度)」とは別の、人工知能(AI)を使ったニュース・プラットフォームを作りたいと考えていた。

「クエリではなく、おすすめのニュースによってわたしたちは情報をプッシュしている」と、張氏は2017年、ブルームバーグに語った。

張氏はまた、バイトダンスでは多くのソーシャル・ネットワークのように、スタッフにジャーナリストを抱えてはいないとも話している

「最も重要なのは、我々はニュース・ビジネスではないということだ」と張氏はブルームバーグに語った。「我々はむしろ検索ビジネスまたはソーシャルメディア・プラットフォームに近い。非常に革新的な仕事をしている。我々は、プロダクトにおいてもテクノロジーにおいても、アメリカ企業の模倣ではない」という。

張氏はバイトダンスで最も成功しているアプリ「TikTok」を2016年9月、「Douyin(抖音)」という名称でスタートさせた。

ティックトック

Reuters

Business Insiderが9月に報じたように、TikTokは今、アメリカでナンバー1の非ゲームiOSアプリだ。アメリカの10代の若者の間で最も人気のソーシャルネットワークの1つで、10億回以上ダウンロードされている。

なお、TikTokは中国では今も「Douyin(抖音)」の名前で運営されている

張氏自らもTikTokを使っていて、バイトダンスの幹部にもアプリの利用を求めている。

ティックトック

Costfoto / Barcroft Media via Getty Images

サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、「TikTokは主に若い人たち向けのプロダクトで、わたしも長い間、TikTokの動画を自ら作ることはなく、見るだけだった」と張氏は話している。同氏は「しかしその後、我々はマネジメント・チームの全メンバーに対し、自身のTikTok動画を作ることを義務付け、一定数の『いいね』を獲得するよう求めた。できなければ、腕立て伏せをしなければならない。これはわたしにとって、大きなステップだった」と語った。

タイム誌は張氏のリーダーシップ・スタイルを「穏やかな話し方だがカリスマ性があり、論理的だが情熱的で、若いが賢い」と評している。

TikTokの世界的な人気は、張氏の人生を「さらに面白いもの」にした。

ティックトック

China Stringer Network/Reuters

サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、張氏はTikTokが海外でさらに成長し続けること、バイトダンスが「グーグルのようにボーダーレス」になることを望んでいるという。

同氏は「我々はもっと努力しなければならないし、もっと完璧主義でなければならない」とし、「産業化時代に国際分業があったように、今日の情報時代にも国際分業がある。中国人起業家は国際社会に進出するにしたがって、自身の能力を向上させなければならない」と指摘する。

しかし、TikTokがアメリカで影響力を増す中、アメリカの規制当局の懸念も膨らんでいる。

連邦取引委員会

Alex Brandon / AP

TikTokは2月、アプリが保護者の同意なく13歳未満の児童から個人情報を違法に集めた、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)違反の疑いで、連邦取引委員会に対し、罰金570万ドルを支払うことに同意した

ビリオネアとなった張氏は、自身の成功は自身の労働倫理のおかげだとしている。

張氏

Liang Zhen/VCG via Getty Images

サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、張氏は最高を求める価値を最初の就職先であるKuxunで学んだと、バイトダンスの従業員に語っている。

同氏は、「当時、わたしはテクノロジーの責任者だったが、プロダクトに問題があれば、積極的にプロダクトの計画の議論に参加していた」とし、「多くの人が、それはわたしのすべきことではないと言ったが、わたしは言いたい。自身の責任感と物事をうまくやりたいという欲求が、自分をもっと多くのことをするよう駆り立て、経験を増やすことになるのだ、と」と語った。

張氏の財産は急速に増えていて、2018年だけで120億ドル以上を稼いだ。

張氏

Visual China Group via Getty Images/Visual China Group via Getty Images

フォーブスによると、張氏の財産の半数以上はバイトダンスの24%の株によるものだ。

同誌が張氏を初めて"ビリオネア"としたのは2018年3月で、純資産は40億ドルと見ていた。その額は、今では162億ドルと推定されている。

[原文:Meet Zhang Yiming, the secretive, 35-year-old Chinese billionaire behind TikTok who made over $12 billion in 2018

(翻訳、編集:山口佳美)

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