【タサン志麻4】フランスでは男性も普通に料理する。もっと食事を一緒にできれば家族は変わるかもしれない

タサン志麻

1979年山口県生まれ。大阪あべの・辻調理師学校卒業後、日本の老舗フレンチレストランなどで15年間勤務。2015年フリーランスの家政婦として独立。

撮影:鈴木愛子

“普通の家庭”を訪ねて食事を作り続けてきたタサン志麻(40)に、今の日本の食や家族はどう映るのだろうか。

ミライの目標は「温かい食卓」。

タサン志麻は、自身が目の当たりにした共働き家庭のありようからそれを探し当てた。

「家政婦をやるまで、今の私と同じ立場のお母さんたちがあんなにも苦しんでいるなんて知らなかった。家の顔と、職場の顔はまったく違う。家事は主に女性が担っていますが、協力したくてもできない男性たちは精神的にもっとしんどいかもしれない。共働き夫婦はみんな家事に苦しんでいることがわかったのです」

タサン志麻

築60年というタサンの自宅。自分たちで壁を張り替え、キッチンのガラスを入れ替え、大事に暮らしている。

撮影:鈴木愛子

ある意味、妙なことに思える。

空前の料理ブームと言われ、動画や画像でインスタ映えするレシピサイトは百花繚乱。出版不況といわれながら、料理関連の書籍は好調だ。

一方で、共働き夫婦だけでなく高齢者も「毎日の料理が負担です」とこぼす人は少なくない。ネット記事のみならず、共働き家庭の問題で注目されるのは家事分担のバトル。サイトや書籍で見る華やかで美しい料理の写真と、台所に立つ人たちの実情がかけ離れていないだろうか。

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