フロントガラスもサイドウィンドウもなし…2億円のスーパーカーは空気が乗員を包み込む

2億円のスーパーカー、マクラーレンのロードスター「エルバ」

マクラーレンのロードスター「エルバ」。

McLaren

  • マクラーレンは最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」を発表した。
  • エルバ・ロードスターは168万ドル。ルーフやフロントガラス、窓がない、マクラーレンで初のタイプだ。その代わりアクティブ・エア・マネジメント・システムによって、空気の流れが乗員を包み込む。
  • エルバは、マクラーレンの創業者でチャンピオンレーサー、ブルース・マクラーレン(Bruce McLaren)氏がデザインした、1960年代の代表車M1Aのオマージュだ。
  • わずか399台のみの限定生産となる。

マクラーレンは最新のスーパーカー、168万ドル(約1億8000万円)の「エルバ」を発表した。

「新しいマクラーレン・アルティメット・シリーズのロードスターは、ドライバーに今までにない運転の喜びをもたらす唯一無二のモダンな車だ。エルバという名は、我々が受け継いできた豊かな歴史を表している」と、マクラーレンCEOのマイク・フルーウィット(Mike Flewitt)氏は述べた。

アルティメット・シリーズは、マクラーレンで最高級の製品ラインで、エルバは、セナ、セナGTR、スピードテールなどのシリーズに加わる。

マクラーレンで初めてのオープンコックピットデザインのモデルはユニークだ。ルーフもフロントガラスもサイドウインドウもない(オプションで固定型フロントガラスを付けられる)。同社はこのオープンコックピットタイプが「信じられないほど夢中になり心を奪う体験」をもたらすと述べた。この車は、わずか399台の限定生産で、価格は168万ドルだ。

エルバは特注のカーボンファイバーを車台やボディ、シートに使用している。「マクラーレンで製造された中で最も軽い車」と、製造責任者のアンディ・パーマー(Andy Palmer)氏はリリースで述べた。

エルバは、マクラーレン創業者のブルース・マクラーレン(Bruce McLaren)氏がデザインした、1960年代のレースカー「M1A」をリスペクトし、オマージュしている。M1Aは強力なV8エンジンと独特の軽量樹脂塗装が施されていた。顧客が公道向けのM1Aを熱望したため、小規模経営のマクラーレンはイギリスのエルバ社と提携し、マクラーレン・エルバM1A、M1B、M1Cの3モデルを製造した。

メーカーは、インパネにもイノベーションがあり、「車の形状は有機的かつ自然」と述べている。

車の内部と外部には明確な区切りがない「境界の曖昧なデザイン」だと、同社は述べている。ドアやリアのバットレスは、キャビンに流れこむようなデザインだ。フロントは1枚のパネルで覆われ、すっきりとした外観を実現している。同様にボディパネルがフロントタイヤからリアスポイラーまでのエリアをカバーしている。

安全性の面では、キャビンが乗員を囲んでいるためヘルメットの装着は必要ない。またアクティブ・エア・マネジメント・システム(AAMS)は、空気の流れを変え、風をドライバーや乗員の頭上を通り抜けるようにし、「静かなバブル」を作る。車の前方から空気を取り込み、排気口から排出させる仕組みだ。AAMSは、車がスピードを上げると自動的に作動する。

この、魔法使いのような驚くべき最新テクノロジーを搭載した車を見てみよう。

エルバは2シートのロードスターで、写真はフロントガラスを付けたタイプ。マクラーレンの最高級ライン、アルティメット・シリーズの最新モデルだ

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

McLaren


パワーユニットはミッドシップで720S、セナ、セナGTRと同じ4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、815馬力、最大トルク81.6kgm、0-200km/h加速は6.7秒

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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おなじみのカーボンモノコック構造に加えて、エルバを象徴するバタフライドアからカーボンセラミックブレーキまで、カーボンファイバーを豊富に使用している

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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メーカーによると、エルバのボディラインは空気の流れを誘導し、空気抵抗を減らす

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

McLaren


エキゾーストシステムは軽量チタニウムと耐熱・耐蝕合金のインコネル製。2つのマフラーは上部に設置されている

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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カーボンファイバー製アームに取り付けられている8インチのタッチスクリーンモニターはさりげなく設置されているが最新仕様で、ナビゲーションやバックカメラ、冷暖房コントロールもある

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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エルバのインテリアはカスタマイズ可能で、オプションの中には4層「ウルトラファブリック」がある。 外側は耐久性や耐湿性があり、内部の層は強化レーヨンファイバーとクッション素材が使われている。これがドライバーや乗員の快適さの鍵のようだ

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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「エルバは、純粋に運転を楽しむために存在し、車とドライバーをつなぎ、夢中になって心を奪われる体験をもたらす」と、マクラーレンのアンディ・パルマー氏は語った

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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エルバはわずか399台の限定生産だ

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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エルバの価格は169万ドル(約1億8000円)から。最終価格は、購入者がマクラーレン・スペシャル・オペレーションへ出す追加のリクエスト次第だ

マクラーレンの最新のスーパーカー「エルバ・ロードスター」

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編集部より:初出時、原文の「buttress behind the seats」を「シート後部のCピラー」としておりましたが、正しくは「リアのバットレス」でした。お詫びして訂正致します。 2019年11月21日 9:40

[原文:McLaren's newest supercar, the $1.69 million Elva roadster, has no windshield, roof, or windows

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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