2021年は大人気シリーズ映画が一挙公開…マーベル、DCに加えて「アバター」や「インディ・ジョーンズ」も

マイティ・ソー バトルロイヤル

マイティ・ソー バトルロイヤル(Thor: Ragnarok)、2017年公開。

Disney/Marvel Studios

  • ディズニーは別として、2019年の映画興行収入は記録的だった2018年に追いつくのに苦労した。
  • 2020年はディズニーが「アベンジャーズ」や「スター・ウォーズ」の新作を予定していないため、興行収入はスタジオ間で均等に分配されることになるだろう。
  • しかし、2021年は大人気シリーズの公開が予想され、記録破りの年になる可能性がある。
  • 2021年もマーベルとDCの対決になると思われるが、「アバター」「ワイルド・スピード」「ジュラシックワールド」シリーズの新作も公開が予定されている。

ディズニーは2019年、ほぼ一人勝ち状態で、アメリカではシェア40%以上だった。

しかし、アメリカでも全世界でも興行成績が記録破りだった2018年に比べ、2019年はディズニーも前年の成績に到達するのに苦労している。

2020年、ディズニーが「アベンジャーズ」「スターウォーズ」やピクサー映画の続編を予定していないので、映画の興行収入は各社で均等に分配することになると思われる。人気シリーズが2021年に新作をリリースし、マーベルとDCが対決姿勢にあるので、2020年は「嵐の前の静けさ」になってしまう可能性もある。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は4作品が2021年に初公開される。またDCでは、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが主演する「ブラック・アダム」が2021年12月に公開されることが発表され、ワーナー・ブラザーズは3本のDC映画を公開することになった。これらすべての映画に成功するチャンスがある。MCUはトップを走っていて、DCも2017年に「ジャスティス・リーグ」で失敗した後、復活してきている

そしてマーベルやDC以外にも、「ワイルド・スピード」、「アバター」、「ジュラシック・ワールド」も新作が2021年に予定されている。

以下は、穏やかな2020年の後に、2021年を記録的な興行収入の年に引き上げるであろう13の映画だ。

(日本語タイトルは仮題、公開日はアメリカでの予定)


シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)…2021年2月12日公開

シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)…2021年2月12日公開

主人公シャン・チー役のシム・リウ。

Alberto E. Rodriguez/Getty Images for Disney

シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)は、主人公をシム・リウ(Simu Liu)が演じる、MCU初のアジア人スーパーヒーロー映画だ。 このキャラクターはコミックの読者以外には知られていないが、マーベルには「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(Guardians of the Galaxy」や「ドクターストレンジ(Doctor Strang)」といった成功例がある。 そして、MCUの多様性のマイルストーンとして注目を集める可能性がある。


ワイルド・スピート10(Fast and Furious 10)…2021年4月2日公開

ワイルド・スピート10(Fast and Furious 10)…2021年4月2日公開

Universal

「ワイルド・スピード」の9作目は2020年に公開され、観客はその続編を長く待つ必要はない。 このシリーズは世界的な人気映画に成長し、7作目「ワイルド・スピード SKY MISSION(原題:Furious 7)」と8作目の「ワイルド・スピード ICE BREAK(原題:The Fate of the Furious)」はいずれも世界の興行収入が10億ドルを超えている。2019年のスピンオフ作品「ワイルド・スピード/スーパーコンボ(原題:Hobbs and Shaw)」は、そこまでではなかったが、世界で7億6000万ドルの興行収入を上げた。このシリーズにはまだ爆発するエネルギーがあると考えるべきだろう。

ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(Doctor Strange in the Multiverse of Madness)…2021年5月7日公開

ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(Doctor Strange in the Multiverse of Madness)…2021年5月7日公開

ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)、2016年。

Marvel

最初の作品「ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)」はマーベルの大ヒット映画というわけではなかったが、そうである必要もなかった。 彼は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(Avengers: Infinity War)」と「アベンジャーズ/エンドゲーム(Avengers: Endgame)」に出演したおかげで人気が高まった比較的知名度の低いキャラクターだったが、ソロデビュー作は世界中で6億7800万ドルを稼いでおり、その人気を続編でさらに活用しない理由はない。

ジョン・ウィック:チャプター4(John Wick: Chapter 4)…2021年5月21日公開

ジョン・ウィック:チャプター4(John Wick: Chapter 4)…2021年5月21日公開

ジョン・ウィック:パラベラム(John Wick: Chapter 3 — Parabellum)。

Lionsgate

「ジョン・ウィック(John Wick)」シリーズは、最初は低予算のアクション映画だったが、4作目まで続くヒットシリーズに成長した(テレビドラマでのスピンオフも検討されている)。 それぞれの映画は、前作の2倍近い興行収入を上げているが、これはハリウッドでは極めて珍しいことだ。2019年の「ジョン・ウィック:パラベラム(John Wick: Chapter 3 - Parabellum)」は、7500万ドルの製作費で、世界中で3億2700万ドルを売り上げた。

ジュラシック・ワールド3(Jurassic World 3)…2021年6月11日公開

ジュラシック・ワールド3(Jurassic World 3)…2021年6月11日公開

ジュラシック・ワールド(Jurassic World)、2015年。

Universal Pictures/"Jurassic World"

2015年の「ジュラシック・ワールド(Jurassic World)」と2018年の続編「ジュラシック・ワールド/炎の王国(Jurassic World: Fallen Kingdom)」は、合わせて全世界で30億ドルを稼いだ。この三部作は大詰めを迎えることになり、「ジュラシック・パーク」シリーズの3人のスター、サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムが帰ってきて、「ジュラシック・ワールド」シリーズのクリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワードと競演する。

ザ・バットマン(The Batman)…2021年6月25日公開

ロバート・パティンソン

この映画でバットマンを演じるロバート・パティンソン。

Larry Busacca/Getty Images

ベン・アフレックがバットマンを演じた「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(Batman v Superman: Dawn of Justice)」以来、5年振りのバットマン映画となる。だが、この映画が十分によくできていれば、観客は気にしないだろう。誰がマントとマスクを身につけていようと、バットマンは最も金を稼げるスーパーヒーローの1人だ。

ロバート・パティンソンが主役で、コリン・ファレルがペンギン役という興味深いキャストに加え、「猿の惑星:新世紀(Dawn of the Planet of the Apes)」のマット・リーブスが監督を務めるこの映画は大ヒットしそうだ。

インディ・ジョーンズ5(Indiana Jones 5)…2021年7月9日公開

インディ・ジョーンズ5(Indiana Jones 5)…2021年7月9日公開

インディアナ・ジョーンズを演じるハリソン・フォード。

Lucasfilm / Paramount

2008年の「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull)」からシリーズ最終作「インディ・ジョーンズ5」まで13年。ジョーンズ博士を演じるハリソン・フォードは公開時に80歳近い。つまり、彼の活躍は見納めになる可能性が高い。うまくいくだろうか。「クリスタル・スカルの王国」は前評判は高くなかったが、世界中で7億8700万ドルを稼いでいる。

スパイダーマンの新作(MCUでの第3作)…2021年7月16日公開

トム・ホランドがスパイダーマンを演じた「ファー・フロム・ホーム」

トム・ホランドがスパイダーマンを演じた「ファー・フロム・ホーム」

Sony

スパイダーマンの映画化権と配給権はソニーが保有しており、ディズニーはこのキャラクターのMCU映画出演を巡って少しもめた後、9月に新たな契約を結んだ。トム・ホランド演じるスパイダーマンはソロ映画に1本出演し、MCU映画にも1本出演する予定。2019年の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(Spider-Man: Far From Home)」は、世界の興行収入が10億ドルに達した最初のスパイダーマン映画で、続編を期待させる作りになっているので、今作も大ヒットするはずだ。

ミッション:インポッシブル7(Mission: Impossible 7)…2021年7月23日公開

ミッション:インポッシブル7(Mission: Impossible 7)…2021年7月23日公開

「ミッション:インポッシブル フォールアウト」でのトム・クルーズ。

Paramount Pictures

「ミッション:インポッシブル」シリーズが興行的にメガヒットしたことは一度もないが、2018年の6作目「フォールアウト」はシリーズ最高の興行収入で、全世界で7億9100万ドルを記録した。「ロッテン・トマト」 の批評家の評点が97で、2018年の最高の映画の一つとしても賞賛された。トム・クルーズとクリストファー・マクカリー監督のおかげで7作目はその勢いを維持することができている。

スーサイド・スクワッド(The Suicide Squad)…2021年8月6日公開

スーサイド・スクワッド(The Suicide Squad)…2021年8月6日公開

Warner Bros.

「スーサイド・スクワッド(The Suicide Squad)」は、酷評にもかかわらず世界で7億4700万ドルを稼いだ2016年の「スーサイド・スクワッド(Suicide Squad)」の準続編だ。この映画は、ディズニーの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」3作目の監督をクビになったジェームズ・ガンをワーナー・ブラザーズが雇い入れたことで話題になった。ディズニーは最終的に彼を再び起用したが、彼はお気に入りのマルゴット・ロビーやイドリス・エルバやジョン・セナのような新しい顔ぶれを入れ、まずこの作品をリリースする。

マイティ・ソー/ラブ&サンダー(Thor: Love and Thunder)…2021年11月5日公開

マイティ・ソー/ラブ&サンダー(Thor: Love and Thunder)…2021年11月5日公開

「マイティ・ソー/バトルロイヤル」

Marvel Studios

2017年の「マイティ・ソー バトルロイヤル(Thor:Ragnarok)」は、クリス・ヘムズワースのソーに新たな命を吹き込み、ロッテン・トマトで93の評価を得て、全世界で8億4500万ドルを稼いだ。ソーは「インフィニティ・ウォー」と「エンドゲーム」の傑出した役割のおかげでも人気が高まっている。 彼はMCUで4作目のソロ映画を手に入れた最初のキャラクターだ。マーベルスタジオは、ヘムズワースだけでなく、「バトルロイヤル」の監督のタイカ・ワイティティが今回も魔法を使うと思っているはずだ。

アバター2(Avatar 2)…2021年12月17日公開

アバター2(Avatar 2)…2021年12月17日公開

Fox

ジェームズ・キャメロン監督の2009年のSF映画「アバター」は、今年「エンドゲーム」によって王座を追われるまで、過去10年間で最高興行収入を記録した映画だった。続編の長期に渡る遅れで、この映画に再び観客が集まるかどうかはわからないが、キャメロン監督は決して過小評価されるべきではない。

ブラック・アダム(Black Adam)…2021年12月22日公開

ブラック・アダム(Black Adam)…2021年12月22日公開

ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが主演。

Instagram/@therock

ブラック・アダムはDCコミックスの悪役またはアンチヒーローで、今年初めにソロ映画に出演したシャザムとよく似ている。これは、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンの最初のスーパーヒーロー映画だ。このことはキャラクターの知名度の低さを補ってあまりあるだろう。ジョンソンは世界で最も高給の俳優であり、国際的な成功を目指して「ランペイジ 巨獣大乱闘(Rampage)」や「スカイスクレイパー(Skyscraper)」など映画に定期的に出演している。ワーナー・ブラザーズやニュー・ラインは、彼のスターとしての力とDCブランドが組み合わさることで、「アバター2」の5日後に公開されるこの映画が興行的に成功することを期待しているのだろう。

[原文:2021's movie schedule could break box-office records thanks to an epic showdown between Marvel and DC. But 2020 looks boring.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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