リスク管理、集中力、決断力がビル・ゲイツ(Bill Gates)やウォーレン・バフェット(Warren Buffett)といったビリオネアが富を築き持続するのを助けている。
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- ビリオネアには3つの資質があり、成功はそのおかげである。UBSとPwCによる新たなレポートが伝えた。
- 彼らを成功させるのは、リスク管理、集中力、そして決断力である。
- ビリオネアが経営する企業のパフォーマンスが市場の平均の2倍に迫ることは、Business Insiderが以前伝えた。
- UBSの顧客の1人は、四半期どころか10年単位で計画を立てている、と同行のアメリカの富裕顧客部門のトップ、ジョン・マシューズ氏は語った。
ビリオネア(資産総額10億ドル:約1080億円以上の超富裕層)が成功しているのは、頭がいいからではない。スイスの投資銀行UBSとアメリカの大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC:PricewaterhouseCoopers)による新たなレポートが伝えた。
ビリオネアの「巧妙なリスク管理、仕事への集中力、決断力」が富を築き、持続するのを助けているとUBSとPwCのビリオネア・レポート 2019(2019 Billionaires Report)は伝えた。こうした資質が、UBSとPwCの言う「ビリオネア・エフェクト(billionaire effect)」を生み出す。ビリオネアが経営する企業のパフォーマンスは、市場の平均の2倍だ。
UBSとPwCによると、ビリオネアが経営する企業は、2003年から2018年にかけ、17.8%のリターンを得た。これは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI AC World Index)の同期間のリターン、9.1%の約2倍。また、ビリオネアの企業は新規株式公開(IPO:initial public offering)から6年、それ以外の企業に比べ、常に利益が大きくパフォーマンスが良かったと調査は伝えている。
レポートは、彼らを成功へと導いた3つの資質を見つけたと説明。スマートなリスクテークを心得ており、常に仕事に集中しているため他の人が逃したチャンスを手にすることができ、ビリオネアでないCEOよりも長期的な視点で決断する。
10月6日日曜日(現地時間)のUBS主催の報道機関向けイベントで、アメリカの超富裕層顧客部門のトップ、ジョン・マシューズ(John Matthews)氏は、ある顧客との成功をめぐるやり取りを紹介した。
「彼は私に、『ジョン、私は四半期では考えていない、10年で考えている』と言ったんだ。発想が違う」とマシューズ氏は振り返った。
多数の研究や書籍で同様の結論、ビリオネアは多くの人とは異なる考え方をする
UBSとPwCのレポートは、他の研究や書籍とも同じ結果を強調している。それは、ビリオネアの考えや行動は、多くの人とは異なる、ということだ。
ドイツの研究者ライナー・ツィテルマン(Rainer Zitelmann)氏による、純資産が1100万ドル(約12億円)を超える43人のパーソナリティ・テストを振り返ってみると、富裕層の起業家はストレス耐性が高く、普通の人よりも几帳面な傾向にあることが分かるとBusiness Insiderが以前伝えた。
「まとめると、裕福な人々は 細かいことはあまり気にせず、人当たりは良くないが、誠実度はより高く、新たな経験を好んで外向的、と言える」とツィテルマン氏は述べた。
一方、起業家のラファエル・バジャッグ(Rafael Badziag)氏は5年をかけ、一代でビリオネアになった21人に対面のインタビューを行い、彼らを成功へと導いたその性格が転落の原因となる可能性もあることを明らかにした。
「ビリオネアは、幼い頃から個人主義を実践する異端児で、度々ルールを破る」と同氏は著書『The Billion Dollar Secret: 20 Principles of Billionaire Wealth and Success』に記した。
「飛躍すべきか、逆方向に走るべきかのタイミングの計り方は、しばしば破産と数十億ドルの違いを決定する」と同氏は付け加えた。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)