本当のターゲットは肉を食べる人々…植物由来ハンバーガーは菜食主義者向けではなかった

植物由来の肉は菜食主義者のためのものではなかった、インポッシブル・ワッパー

インポッシブル・ワッパーには牛肉は入っていないが、肉製品と同じグリルで調理される。

Michael Thomas/Getty Images

  • インポッシブル・ワッパーは広告のようにビーガン(完全菜食)向けではないと、ビーガンの人々がバーガーキングに対して集団訴訟を起こしたと、TMZが11月18日に報じた。だが、インポッシブル・ワッパーはビーガン向けとは宣伝していない。
  • インポッシブル・フーズビヨンド・ミートなどの植物由来の肉は、チェーン店で提供される場合、肉製品と同じグリルで調理されることが多く、ビーガンやベジタリアン(菜食)向けではない。専用グリルの設置は多額の費用がかかるので、すぐには実現しないだろう。
  • インポッシブル・フーズや他の植物由来の肉を手がける企業の役割は、肉と同じように美味しく、手頃で、入手しやすい植物性の代替品によって、肉のない未来へ向けて取り組むことだ。
  • つまり、インポッシブル・ワッパーに関心を持ってほしいのは、ベジタリアンやビーガンの人々ではなく、肉を食べる人々だ。

憤慨したビーガン(完全菜食主義者)の人々がバーガーキングに対して集団訴訟を起こしたと、11月18日、TMZが最初に報じた

フィリップ・ウィリアムズ(Phillip Williams)氏は、バーガーキングのインポッシブル・ワッパーは、植物性のパテが牛肉のパテと同じグリルで調理されることから、正確にはビーガン向けではないと主張している。だが、バーガーキングはインポッシブル・ワッパーがビーガン向けだと言ったことはない。実際、バーガーキングは8月、Business Insiderにそう語っていた

「インポッシブル・ワッパーに肉は入っていないが、通常は牛肉や鶏肉と同じグリルで調理する」と、バーガーキングの広報は語った。

「インポッシブル・ワッパーのパテをグリルではなくオーブンで調理するようリクエストする人がいるかもしれないが、オープンキッチンスタイルであるため、商品をビーガンとは謳っていない」

またバーガーキングのウェブサイトではインポッシブル・ワッパーの栄養成分情報のページに、アレルゲンとして「卵」を明記し、「肉なしのオプションをお探しの方には、ご希望に応じてグリル以外での調理も可能です」と記されている。

インポッシブル・ワッパーや他の植物由来の肉などの代替品は本来、動物製品は含まれていない。自宅で調理する場合は、ビーガン用に簡単に準備できる。そしてビーガンやベジタリアンにとって、全米のスーパーで売られているインポッシブル・バーガーやビヨンドバーガーを自宅で調理することは、植物由来の肉を食べるのに理想的な方法だ。

しかし、バーガーキングのように植物性パテを肉製品の横で調理することに憤慨する人々は、専用グリルが使われるまで待つべきではない。アメリカで3000店以上を展開するバーガーキングのような大型チェーンにとって、全店でグリルを追加することはとても費用がかかる。

植物由来の肉は菜食主義者のためのものではなかった インポッシブル・バーガー

インポッシブル・バーガーは現在スーパーで販売され、ビーガンとして自宅で調理可能。

Irene Jiang / Business Insider

植物を使った肉の代替品に対する期待はビーガンやベジタリアンのコミュニティから多く寄せられるが、インポッシブル・バーガーの未来に向けた役割を果たすには、思っている以上に忍耐が必要だ。Business Insiderのインタビューで、インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)のCFOを勤めるデビッド・リー(David Lee )氏は、創業者のパット・ブラウン(Pat Brown)氏のビジョンについて繰り返し語った。

「我々は最終的にインポッシブル・バーガーが、新しいスタンダードになると期待している。これからの世代は祖母の顔を見上げてこう言うだろう。『動物の肉を食べていたなんて信じられない。なんて野蛮で、なんて不要なことなんだ』と」。

しかし、肉がない未来にも肉は存在する。インポッシブル・フーズやビヨンド・ミートは主要なフードチェーンと提携し、植物由来の製品を広める戦略を立てている。そして肉を大量に消費する現代社会において、それらの製品が消費する肉の量を減らすためのものだと消費者に理解してもらおうとしている。

これらの企業の役割は、植物由来の食品を食べること対する人々の考え方を覆すことだ。植物由来の食品は、肉を使った食品と同じように、美味しくて、手頃で、入手しやすいことを示す必要がある。インポッシブル・フーズやバーガーキングが説得しようとしているのは、ベジタリアンではなく、肉を食べる人々なのだ。

しかし、肉なしの未来が到来する前に、ベジタリアンやビーガンは植物由来の肉を食べることができる。彼らがするべきなのは、スーパーに行くことだけだ。

[原文:Plant-based 'meat' isn't always vegan or even vegetarian, and that's a common misconception that needs to be clarified

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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