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中国ファーウェイ「日本のGDPに7660億円の貢献」「業績拡大は両国に恩恵」

ファーウェイスマホ

2019年既に2億台を出荷しているファーウェイのスマートフォンには、日本の部品が多く使われている。

REUTERS/ Regis Duvignau

中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は11月21日、同社の事業活動が日本に対し、2018年だけで7660億円の経済効果をもたらし、2014年の3倍に相当する4万6400人の雇用と2080億円の税収を創出したと発表した

ファーウェイの梁華会長は同日、Business Insider Japanなど日本メディアと会見した際、2019年の日本企業からの調達額が過去最高の1兆1000億円に上り、2020年もさらに拡大するとの見通しを紹介した上で、「ファーウェイの製品には日本企業のものが多く使われており、ファーウェイの業績が伸びれば調達も増える。お互いの強みを掛け合わせ、今後も関係を強化したい」と述べた。

直接効果

オックスフォード・エコノミクスのレポートより

トランプ米政権はファーウェイを中心に中国企業の排除を進め、5月中旬にはファーウェイをアメリカの輸出規制リストに入れた。

梁会長は、「アメリカから製品を調達できなくなることに備え、新しいバージョンの設計や代替部品の開発に全力をあげ、現時点で主力製品はアメリカのパーツがなくても連続した供給を保てる状態になった」としながら、「既に取引が復活したアメリカ企業もあり、アメリカ政府が供給の再開を一部許可するという流れも出ている。供給を受けられるなら喜んで受け入れたい」と語った。

2019年はアメリカの規制後も業績が好調を維持しているが、梁会長は「2019年前半は、昨年の流れを引き継いだ慣性的な伸びもある」とし、「2020年、アメリカからの供給が受けられなくても、成長することができれば、我々は『生き延びた』と言えるだろう」と語った。

日本での調達による経済効果が5210億円

産業分布

オックスフォード・エコノミクスのレポートより

ファーウェイの日本経済への効果については、イギリスのシンクタンク、オックスフォード・エコノミクスが調査を担当した。オックスフォード・エコノミクスの長井滋人在日代表によると、 経済効果は⑴ファーウェイが日本であげた利益と日本の従業員に支払った賃金を合算した「直接的効果」、⑵日本企業からの調達によってサプライチェーンに波及した「間接的効果」、⑶サプライヤーを含む従業員の賃金から生まれた消費による「誘発的効果」の合計額を、7660億円と算出した。

それぞれの経済効果の内訳は以下の通り。

⑴直接的効果:200億円

従業員数

オックスフォード・エコノミクスのレポートより

ファーウェイが2018年、日本であげた利益と従業員に支払った報酬は196億円に達した。2014年から2016年は90億円台で推移していたが、2017年に137億円に急増、2018年はさらに1.5倍に増加した。

⑵間接的効果:5210億円

ファーウェイは2018年、日本企業から7210億円を調達した。日本でのサプライチェーンによる波及効果をGDPへの貢献額に換算すると5210億円となる。また、その大部分は電子部品と装置製造産業で発生している。

⑶誘発的効果:2250億円

2014年から2018年、ファーウェイは日本の従業員に330億円の賃金を支払った。また、調査ではファーウェイのサプライチェーンで雇用されている人が、8120億円の賃金を受け取ったと推計した。

2018年だけで、ファーウェイは「これらの賃金から生じた消費が飲食店業界や観光業界といったサービス業などで1万6300人の雇用と620億円の税収を生み出し、日本のGDPに2250億円の貢献をした」としている。

(文・浦上早苗)

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