ファーウェイのスマートフォンには、日本企業の部品が多く使われ、幹部が「半分日本製」と発言したこともある。
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中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の梁華会長は21日、都内でBusiness Insider Japanなど日本メディアと会見し、2019年の日本企業からの調達額が過去最高の1兆1000億円に上るとの見通しを明かした。2018年の調達額は7210億円、今年は9月末時点で昨年を上回る7800億円に達したという。
梁会長は「ファーウェイと日本のサプライヤーは、さまざまな分野で相互補完的に発展してきた関係。日本のサプライヤーとパートナーに、感謝申し上げたい」と話した。
ファーウェイの梁会長は日本メディアとの会見で、「日本のサプライヤーに感謝したい」と述べた。
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梁会長によると、調達額の拡大はファーウェイの業績成長が主な要因。米中貿易摩擦で逆風が強まる中、同社のスマートフォンの今年の出荷台数は昨年の2億台を大きく上回り、2億4000~5000万台に達する見込み。スマホではカメラに使われるイメージセンサーなど多くの部品を日本企業から調達しており、梁会長は「スマホ事業が成長すると、日本からの調達も増える。ファーウェイのスマホの売りは高性能カメラだが、それも日本の技術に支えられている」と紹介した。
ファーウェイは今年5月、アメリカの輸出規制リストに掲載され、技術の国産化を進めている。それでも「日本の技術的な強みは、長期的に維持される」(梁会長)と見ており、2020年の調達額も拡大が確実だと述べた。
トランプ米大統領が日本などの同盟国にファーウェイ排除を呼びかけたことを受け、日本政府は2018年12月、同社を念頭に情報通信機器の政府調達で安全保障にリスクのある製品を採用しないことを取り決めた。NTTドコモやauなどの主要携帯事業者も、5Gのインフラ設備にファーウェイを採用しない方針を決めている。
梁会長は、「サイバーセキュリティーは非常に重要で、導入前に安全性の検証が必要だとは我々も考えている」としながら、「検証の基準は技術にフォーカスし、また(ファーウェイだけでなく)全ての参入者に対して同じルールを適用し、検証を行っていただきたい」と要望した。
(文・浦上早苗)