左から、NECパーソナルコンピュータ生産事業部長の竹下泰平氏、レノボ・ジャパンのデビット・ベネット社長、米沢市企画調整部の我妻秀彰部長。右は米沢市のマスコットキャラクター・かねたん。
撮影:伊藤有
NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)は11月22日、米沢事業場(山形県米沢市)でグループのレノボ・ジャパンの法人向けデスクトップPC「ThinkCentre(シンクセンター)シリーズ」の一部モデルのカスタムオーダー生産(CTO)モデルの国内初出荷を開始した。
これによって、今まで2~3週間程度かかっていたCTOモデルの納期が最短5営業日に短縮される。
出荷式イベントに登壇したレノボ・ジャパンのデビット・ベネット社長は「(レノボが掲げる顧客満足度重視のUXのためには)“One Japan”のチームであることが大きな意味を持ちます。設計・生産・サービス(サポート)すべての拠点が日本にあるのは、外資のPCメーカーではレノボが唯一です」と流暢な日本語でスピーチ。
中国資本の外資メーカーとはいえ「日本生まれ、日本品質」であることを強調した。
レノボ・ジャパンのデビット・ベネット社長。米沢生産のマシンに関しては「JAPAN MADE」ステッカーを貼り、国内生産であることを対外的にもアピールしていく。
撮影:伊藤有
今回のThinkCentreCTOモデル国内生産にあたって、米沢工場では、CTO用に2つの生産ライン(1つのラインにつき3~5名が従事)を用意。2万通りのCTOへの対応が可能で、1日あたり300台~400台を生産する。
レノボ・ジャパン広報によると、ThinkCentreシリーズは国内直近で、年間30万台の出荷実績。
なお、米沢工場で製造されるThinkCentreは100%日本国内向け。海外向けは、別の工場でのCTO対応になるという。
「国内デスクトップ市場でThinkCentreのシェア拡大にはスピード不可欠」
NEC PC製品に加えて、レノボ製品の一部国内生産を行う米沢事業場。
撮影:伊藤有
Windows7のサポート終了(2020年1月)需要で、国内法人市場は各社好調とはいえ、国内向けだけのCTO製造ラインをあえて新規構築した理由は何か?
レノボ関係者によると、各国で現地生産による「CTO工場」をつくるケースは全世界でも珍しいという。
初出荷されるレノボの法人向けデスクトップ「ThinkCentre」製品ラインナップの一部。
撮影:伊藤有
同関係者によると、日本市場で国内製造に取り組む最大の理由は、「日本市場の特殊性からくるスピードへの対応」(同)だ。
日本市場は、海外メーカーと国内メーカー(それもレノボ傘下に収れんしつつあるが)が入り乱れる市場。海外メーカーだとしても、「MADE IN TOKYO」を打ち出す日本HPのように国内生産を打ち出して、CTOの出荷スピードへの対応を強みとするメーカーもある。
こうした市場のため、日本市場ではユーザー企業の要望として「(最安値でなかったとしても)注文してすぐ納品されること」を重視する傾向がある。こうした傾向はアメリカやヨーロッパではみられない(納期よりコスト重視の傾向が強い)とする。
レノボ・ジャパンでは、各種マーケティング分析の結果、今以上にシェアをのばすには、CTOの納期を早めることが有効で、それには国内生産をするほかないという結論に至ったという。
米沢事業場では11月18日からパイロット生産をはじめ、出荷式をひらいた22日に初出荷を行った。2020年2月から、本格生産を開始する。
(文・伊藤有)