ニュージーランドと太平洋のクック海峡を背景に、船外活動を行う宇宙飛行士のロバート・L・カービームJr(Robert L. Curbeam Jr.、左)とクリスター・フューゲルサング(Christer Fuglesang、右)。
NASA
- 国際宇宙ステーション(ISS)が地球を周回し始めて21年を迎えた。
- 宇宙飛行士たちは、息をのむほど美しい宇宙からの景色を何百万枚もカメラに収めてきた。穏やかなカリブ海から無秩序な都市の夜景、火山の噴火まで。
- ISSから撮影された27枚の美しい写真を紹介しよう。
国際宇宙ステーション(ISS)が地球の周りを回り始めて21年を迎え、搭乗した宇宙飛行士たちが美しい写真を撮り続けている。
1998年11月20日、最初のISSのモジュールが軌道に打ち上げられ、2年後に最初に搭乗する宇宙飛行士が到着した。以来、人類はISSに継続して13年間 – 宇宙で人類が長期間滞在し続けている。
搭乗中、宇宙飛行士たちは数多くの写真を撮ってきた。その景色は、時には信じがたいものもある。
「これほど美しいものが、どう人間の目に受け入れられるのか?」と、NASAの宇宙飛行士、マイク・マッシミノ(Mike Massimino)はワシントンポストへ語った。
ISSから撮影された美しい地球の写真を紹介しよう。
国際宇宙ステーション(ISS)が21周年を迎えた。最初のモジュールが軌道に打ち上げられたのは、1998年11月20日
ISSの組立てとメンテナンスのため6時間の船外活動中、休憩をとるロシアの宇宙飛行士、セルゲイ・リザンスキー(Sergey Ryazanskiy)。2013年8月22日。
Johnson Space Center
最初の宇宙飛行士がISSへ到着したのは2000年11月2日。その後すぐに、彼らは写真を撮った
氷河で覆われる、チリ南部にあるリオ・デ・ラ・コロニアの源流。2000年12月。
NASA
以来、宇宙飛行士たちは宇宙から息をのむような美しい景色を撮り続けている。彼らが撮影した写真は何百万枚にもおよぶ
グレン・キャニオン国立保養地とグランドステアケース・エスカランテ国定公園にある、コロラド川の貯水池、パウエル湖のほぼ全景。2016年9月6日。
NASA
出典:NASA
つまり彼らは1日16回、日の出と日の入りを眺める
宇宙飛行士のスコット・ケリー(Scott Kelly)は2016年3月1日、この写真とともにツイッターへ投稿した。「昇り輝く!#GoodMorning 宇宙@space_stationからの私の最後の#sunrise。そして帰ります!」
NASA/Scott Kelly
出典:NASA
今日もISSは、地球の400km上空を回っている
積乱雲で覆われた太平洋に反射する太陽の輝き。2018年7月20日。
NASA
ISS宇宙飛行士すべてが、見える景色の詳細を知っているわけではない。だが、多くの宇宙飛行士が決して飽きない景色だと言う
宇宙飛行士のスコット・ケリーは、ISSからオーストラリアを撮影したこの写真をツイッターに投稿した。「#EarthArt オーストラリア大陸を通過。17枚中の15枚目」
NASA/Scott Kelly
「この景色に飽きるという人と同じ空間にいたいとは思わないかも」と、宇宙飛行士のキャシー・サリバン(Kathy Sullivan)はナショナル・ジオグラフィックに語った
2014年2月14日 、ISSがイラン中央の砂漠の上空を通過し、宇宙飛行士がこの珍しい地質模様を撮影した。時間とともに褶曲した岩の層が風で侵食されると、波状の形や色が現れる。
NASA/JSC
お気に入りの景色をSNSで紹介しているスコット・ケリー宇宙飛行士の写真には、カラフルなものもある
宇宙飛行士のスコット・ケリーは、ISSから撮ったフランスの地中海沿岸のこの写真をインスタグラムに投稿した。2016年3月。
NASA/Scott Kelly
2015年から2016年の間、スコット・ケリーは340日間連続でISSに滞在した。これは人類の単一の宇宙飛行として最長
スコット・ケリーは2015年7月25日、この写真をツイッターに投稿した。「#Goodevening #Japan。油井亀美也宇宙飛行士@Astro_Kimiyaが夜の地球の撮影方法を教えてくれた。#Earth at night #YearInSpace」
NASA/Scott Kelly
出典:NASA
雲がない都市の上空を飛んでいると、上空からは細部まで見える。
チュニジア第二の都市で主要な港があるスファックス。2015年6月19日。市内南部には鮮やかな塩田がある。
NASA
雲がない夜は、景色がよりクリアになる。彼らがパリを「光の街」と呼ぶのには理由がある
パリの時間で2015年4月8日午前0時頃、ISSの宇宙飛行士はこの写真をカメラに収めた。
NASA
時には雲が美しい形を作る。宇宙飛行士たちは巨大な嵐を上空から見ることができる
南シナ海に出現した嵐。2016年7月29日。
NASA
台風の目まで見える
ISSに搭乗した宇宙飛行士ニック・ヘイグ(Nick Hague)は、ハリケーン「ドリアン」のこの写真を2019年9月2日、ツイッターに投稿した。「上空からハリケーンの目を見ると嵐の力強さを感じられる。みなさん、安全に!」
NASA/Nick Hague
カリブ海が熱帯低気圧に覆われていないと、宇宙から見えるバハマの景色は、穏やかな青色のオアシスだ
スコット・ケリー宇宙飛行士はISSから撮影したバハマのこの写真を2015年7月19日、ツイッターに投稿した。「#Bahamas 水彩画のようで、いつも清々しい景色。#YearInSpace」
NASA/Scott Kelly
ヒマラヤ山脈にある凍った湖は、違った青色のオアシス
スコット・ケリー宇宙飛行士は2016年1月6日、「冷たく凍ったヒマラヤの湖」の文章とともに、この写真をツイッターに投稿した。
NASA/Scott Kelly
いつも穏やかな景色ではない。火山の噴火は、宇宙からよく見える
2019年6月22日朝、ISSの宇宙飛行士は千島列島にあるライコケ火山の噴火で、火山灰やガスが立ち上がる様子をカメラに収めた。
NASA
「母なる自然ほどクリエイティブなアーティストはいない」と、宇宙飛行士のアレキサンダー・ガースト(Alexander Gerst)は語った
ISSから撮影された南アフリカ西海岸。2019年4月。
ESA/NASA-A.Gerst
出典:NASA
オーロラは自然が作る最も魅惑的な芸術作品の1つ。大気中の酸素と窒素に太陽光が衝突し、電気を帯びたときに生じる
ISSの軌道で最も緯度が高い位置付近から見える、カナダの向こうに輝くオーロラ。2017年9月15日。
NASA/JSC
出典:NASA
ISSの宇宙飛行士は同じ現象を地球の逆側でも見ることができる。南天オーロラだ
ISSから観測された南天オーロラ。2017年6月25日。
NASA
人間の行動も上空からは芸術的に見える。この、ロシアの宇宙船の打ち上げのように。
宇宙飛行士のクリスティーナ・コック(Christina Koch)は、ソユーズMS-15宇宙船がカザフスタン共和国から打ち上げられ、上昇していく様子を写真にとらえた。2019年9月25日。
NASA/Christina Koch
このような絶景を楽しんだ人はごくわずか。これまでに19カ国から239名がISSに滞在した
スコット・ケリーは2015年9月23日、ISSから撮ったこの写真をツイッターに投稿した。「#Mecca #Makkah(メッカ)!聖なる街に#GoodMorning 。#YearInSpace」
Scott Kelly / NASA / Wikimedia
出典:NASA
宇宙飛行士たちはISS誕生以来、223回の船外活動を行ってきた
ニュージーランドと太平洋のクック海峡を背景に、船外活動を行う宇宙飛行士のロバート・L・カービームJr(Robert L. Curbeam Jr.、左)とクリスター・フューゲルサング(Christer Fuglesang、右)。
NASA
出典:NASA
船外活動中に、最高の景色を眺めることもある
トマ・ペスケ(Thomas Pesquet)宇宙飛行士は2017年1月13日、アルゼンチン上空約420kmで船外活動を行った。
ESA/NASA
真空の宇宙空間、
ルカ・パルミターノ(Luca Parmitano)宇宙飛行士は2019年11月15日、船外活動を実施した。
NASA
だが、その真空の世界でさえ美しい景色が見える
スコット・ケリーは2015年8月9日、この写真をツイッターに投稿した。「135日目。#MilkyWay、あなたは長生きしていて、ホコリっぽく、ガスがかかっていてゆがんでいる。でも美しい。ISSからおやすみなさい!#YearInSpace」
NASA/Scott Kelly
「宇宙船に乗って地球を回り、私たちの惑星がどれほど美しいか初めてわかった」と、人類で初めて宇宙へ行ったユーリ・ガガーリンは1961年に語った。「この美しさを保ち、増し、そして壊さないでほしい」
北太平洋の上空約415km、アリューシャン列島の南に現れた雲を撮影した。 2019年4月28日。
NASA
出典:UNESCO
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)