『アナと雪の女王2』の楽曲担当者が明かす、エルサの歌「イントゥ・ジ・アンノウン」ができるまで

エルサ

『アナと雪の女王2』のエルサ。

Disney

  • Business Insiderは、アカデミー賞を受賞したクリステン・アンダーソン=ロペス氏とロバート・ロペス氏に映画『アナと雪の女王2』の歌をどのようにして作ったのか、話を聞いた。
  • ヒット曲『レット・イット・ゴー(Let It Go)』を手掛けたことで知られる2人が、続編のために同じくらいキャッチーな『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに(Into the Unknown)』をどのように生み出したのかを語った。
  • 2人は、最初は別の曲で想定していたところに『イントゥ・ジ・アンノウン』を入れ替えた経緯についても明かした。

映画『アナと雪の女王』から6年が経つが、楽曲担当のクリステン・アンダーソン=ロペス氏とロバート・ロペス氏は"エルサとアナ"をほとんど休んでいない。

2人は最初の『アナと雪の女王』の楽曲制作を終えると、監督のジェニファー・リー氏とクリス・バック氏によるストーリーの再調整を手伝い、オスカー賞を受賞した世界的なヒット曲『レット・イット・ゴー』を含む9つの曲でそのストーリーに力を与えた。最初の映画の後、2人はすぐに『アナと雪の女王』のブロードウェー・ミュージカル版に取り掛かり、12曲のオリジナル・ソングを書いた(その間に2人は、2017年に公開されたピクサーの映画『リメンバー・ミー 』の主題歌で、同じくアカデミー賞を受賞した『リメンバー・ミー(Remember Me)』も書いている)。

「わたしたちは2012年以降、ずっと働き続けてきました」と、アンダーソン=ロペス氏はBusiness Insiderに語った。

長い時間をアレンデール王国で過ごしてきたロペス夫妻だが、2015年にウォルト・ディズニー・アニメーションから声がかかったとき、2人は映画『アナと雪の女王2』に参加することにためらいはなかった。だが、どうすれば『レット・イット・ゴー』のような成功を収められるか、最後まで悩んだという。

クリステン・アンダーソン=ロペス氏とロバート・ロペス氏

クリステン・アンダーソン=ロペス氏とロバート・ロペス氏。

AP

「そんな風に考えていたら本当に…… 」とアンダーソン=ロペス氏が言葉につまると、「動けなくなったよね」とロペス氏が引き取った。

「そうね。わたしたちはどこかへ行って、農家になっていたかもね」と、アンダーソン=ロペス氏は語った。

実際、彼らは続編に取り掛かってから初めの2年間は、楽譜や楽器をしまい込んでいたという。

2人はこの頃、映画の曲作りのためだけでなく、ストーリー作りのアドバイスのためにも招かれていた(2人の名前はストーリー作りにもクレジットされている)。そのため、監督のリー氏やバック氏、ディズニーの他の担当者と毎日のようにビデオ会議を行い、アイスランドやノルウェーへの出張にも同行した。

このプロセスについてロペス氏は、「心の中の感情を集めて、あとで書く時のために考えを取っておくんだ」と語っている。

ストーリーの基礎ができると、話を前に進めるために歌が不可欠な瞬間が見つかった。早い段階から『オール・イズ・ファウンド(All Is Found)』や『ザ・ネクスト・ライト・シング(The Next Right Thing)』といった歌が確定していたという。だが、エルサのここぞという瞬間の歌を決めるのは難しかった。『レット・イット・ゴー』のような歌が必要だったのだ。

『アナと雪の女王2』では、エルサは自分だけに聞こえる"不思議な歌声"に導かれて森を旅する。アナ、オラフ、クリストフ(とスヴェン)もこれに付き添い、コメディーと歌を通じて、自分自身を見つけていく。映画の終盤に向けて、エルサはついに"不思議な歌声"を見つけ、その声とともに『イントゥ・ジ・アンノウン』を歌う。最初の映画『アナと雪の女王』の『レット・イット・ゴー』同様、『イントゥ・ジ・アンノウン』には病みつきになるようなサビがあり、イディナ・メンゼル(エルサの声を担当)の驚異的な声域を十分に見せつけている。

だが、ロペス夫妻によると、このシーンには当初、別の曲が予定されていたという。

「同じ瞬間のために、わたしたちは全く別の歌を書いていたんです」と、ロペス氏は明かした。

そのシーンには『アイ・シーク・ザ・トゥルース(I Seek the Truth)』という歌が予定されていた。当時のストーリー上、エルサが探している"不思議な歌声"はまだ見つかっていなかったという。

「わたしたちは、もう少し一般的な歌を書いたんです」と、ロペス氏は当時を振り返った。「なぜこの歌がややエキサイティングさに欠けるか、分かると思います」

『アイ・シーク・ザ・トゥルース』(英語版)はこちら:

だが、ストーリーがエルサの"不思議な歌声"探しを中心に展開し始めると、2人にひらめきが訪れ、『イントゥ・ジ・アンノウン』を書き上げた。

「一部の歌はストーリーのイノベーションに刺激を受けていて、わたしたちとチームは、エルサだけに聞こえる過去からの声があるというアイデアを得ました。この考えに至ると、デュエット曲がはっきりと見えてきたんです」とロペス氏。「最初の声はエルサに呼びかけるもので、エルサはこの声にどこかへ行ってほしいと思っている。歌の半ばで、エルサは自分の一部が、外の世界に何があるのか知りたがっているのかもしれないと認め始める。そして歌の終わりで、エルサはそこへ向かって進もうとする……。エルサは声に歌い返すのです。『未知の旅へ 』と」と語った。

だが、『レット・イット・ゴー』同様、誰もがこの歌に興奮したのは、エルサの声を担当するメンゼルが実際に歌ってからのことだった。

「彼女は最終的にわたしたちが書いたキーで歌いましたが、彼女は音程が本当に素晴らしいんです」と、アンダーソン=ロペス氏はメンゼルの歌について語った。「『イントゥ・ジ・アンノウン(※日本語版では未知の旅へ)』の歌詞が出てくるところで、最初は1オクターブ上がって、2度目は自分の限界を超えてさらにもう一歩音を上げ、元に戻ってきます。そして、3度目は11度上がるんです。自分の限界を大幅に超えるんです。これはストーリーを反映しています。そして、イディナは月に向かって吠えるこの感情の核心を突いていると思います。わたしたちは自分の目的を見つける必要があるんです」

イディナ・メンゼル

『アナと雪の女王』シリーズでエルサの声を担当しているイディナ・メンゼル。

AP

『イントゥ・ジ・アンノウン』は『レット・イット・ゴー』同様、アカデミー賞の有力候補だ。だが、ロペス夫妻は、自分たちの書いた歌がヒットするかどうかは全くわからないという。2人は、歌がストーリーに役立つかどうかに集中している。

「人間が何かを強く感じ、1つの感情から別の感情へと移る最も感動的な瞬間をわたしたちは探しているんです」とアンダーソン=ロペス氏は言い、「今回のケースで言えば、エルサが自分自身の真実や、こうした力を持っている理由を知りたいと歌う必要があると、わたしたちは分かっていました。ただ、わたしたちがこうした強い感情を抱くのは、別世界の声とのデュエットまで待たなければなりません」と語った。

ロペス氏は、「それぞれの場面で、アニメーションがどのくらいの感情をもたらすか断定するのは不可能です」と付け加えた。「正直に言うと、歌が機能したと本当に感じるのはそういう時なんです。ワクワク、ゾクゾクしました」

『イントゥ・ジ・アンノウン』(英語版)はこちら:

[原文:Inside the making of the hit 'Frozen II' song 'Into the Unknown' and why it originally wasn't in the movie

(翻訳、編集:山口佳美)

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