Blade Runner Warner Bros
- 1982年に公開された映画「ブレードランナー」では、2019年11月の世界が描かれている。
- 名作と賞賛されるこの映画では、いくつかの場面で初期の特殊効果(SFX)が最高の形で用いられた。これまでの映画界で誰も見たことのないようなものだった。
- だが、映画の中で描かれた2019年のテクノロジーについての予想は、そのいくつかが外れている。
リドリー・スコット監督による映画「ブレードランナー」が公開されたのは1982年。その舞台となったのは2019年11月のロサンゼルスだった。
1982年の観客が見たのは、暗く、汚染された地球のディストピア的な未来の姿だった。ハリソン・フォードが演じたブレードランナーに与えられた任務は、レプリカントと呼ばれる人造人間を探し出し、彼らを殺す、あるいは「引退」させることだった。
2019年について映画で予想されたいくつかのことは、ほぼ正しかった。地球環境は、映画で描かれているほどには悪化していないとはいえ、気候変動はますます差し迫った問題となっている。ロボットは我々の生活において、かつてないほど重要な役割を果たしている。そして音声アシスタントはかなり一般的になった。しかし、1982年の映画で予想されたすべてのことが現実となったわけではない。
「ブレードランナー」が描いた2019年の世界について、予想が外れた5つのことについて見てみよう。
1.空飛ぶ車にはまだほど遠い
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いくつかの企業が「空飛ぶ車」「空飛ぶタクシー」と呼ばれる乗り物のプロトタイプを製造しているが、それは「ブレードランナー」に登場したものよりもずっと劣ったものだ。自動運転車の方は、大きな進歩が見られる。
2.いずれは人間かどうか見分けるためにテストが必要になるかもしれない
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最近ではAI(人工知能)に進歩が見られるものの、まだレプリカントは誕生していない。現代のロボットが人間に間違われるということも、まずありえない。
3.映画の中ではタバコが室内で普通に吸われていた
Blade Runner
アメリカの多くの州では、屋内の公共の場での喫煙が禁止、あるいは制限されている。「ブレードランナー」の舞台となったカリフォルニアでもそうだ。映画では、電子タバコの登場が予想できなかったようだ。
4.映画では人類は他の星を植民地化していた
Blade Runner Warner Bros
イーロン・マスクなどテック界の実力者たちの願いにもかかわらず、人類による他の星への移住が実現するのは、かなり先になりそうだ。
5.映画の中ではポラロイド写真が重要な役割を果たした。デジタルの写真は存在していなかった
Blade Runner Warner Bros
ポラロイドは今も存在するが、撮ったその場で楽しむことが主な利用法であり、写真を撮影して保存するために利用されることはほとんどない。
[原文:5 tech predictions the original 'Blade Runner' got wrong about 2019]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)