「香港は大変だが、アリババの里帰りに感無量」アリババ上場、時価総額テンセント抜き最大に

アリババ

中国ITの巨人アリババがNYに続いて香港に上場した。

REUTERS/Aly song

中国IT大手のアリババグループが26日、香港取引所に上場した。初値は公募価格176香港ドル(約2450円)を6.25%上回る187香港ドル(約2600円)をつけた。香港取引所に上場する企業の中では、テンセント(騰訊)が時価総額約3兆2700億香港ドル(26日午前)で突出していたが、アリババは上場と同時に時価総額でテンセントを上回り、香港市場最大の企業になった。

アリババはニューヨークでも上場しており、重複上場となる。今回のIPOでは、最大で1012億香港ドルを調達する計画。目論見書によると、調達資金はユーザーの拡大や企業のデジタル化、運営効率の支援などに投じる。

この日の上場記念式典には、張勇(ダニエル・チャン)会長、創業時からアリババの財務を司った蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)氏らが出席。9月に会長を退いた馬雲(ジャック・マー)は姿を見せなかった。

アリババと香港取引所の「因縁」

香港

香港の金融センターとしての地位が揺らぐ中、アリババ上場は経済関係者にとって明るい話題だ。

REUTERS/Marko Djurica

アリババと香港取引所は因縁浅からぬ関係にある。アリババはB2B事業の「アリババドットコム」を2007年に香港に上場したが、不祥事を機に経営体制を見直し、2012年に上場を廃止。2013年に再度アリババグループとして上場を目指したが、頓挫した経緯がある。一部の幹部に強力な議決権を与えるアリババの「パートナーシップ制度」が、取引所のルール反するとして、交渉が折り合わなかった。結果、アリババは2014年にニューヨーク証券取引所に上場する道を選んだ。

アリババのNYでの上場は、2.7兆円を調達する史上最大のIPO案件として大きな話題になり、中国のスター企業を逃した香港取引所にとっては痛恨の事態となった。同様の事態を防ぎ、また、アリババを呼び戻すために、香港取引所は2018年4月に議決権の異なる「種類株」を発行する企業も上場できるようにルールを改正。種類株を発行するスマホメーカー大手のシャオミ(小美科技)や、生活プラットフォーム運営の美団といった著名ユニコーン企業の香港上場を呼び込んだ。

現地メディアによると、香港取引所の李小加行政総裁は、アリババ上場記念式典で「今日は本当に良い日だ。アリババがようやく戻ってきてくれた。香港は非常に困難な状況にあるが、アリババのカムバックに感無量だ。香港は本当に大変だが、我々は、海外で上場している中国企業に里帰りしてもらえる環境を整えることができた」と述べた。

(文・浦上早苗)

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