【大阪女児誘拐】Twitterで家出少女に群がる大人たち、抜け穴だらけの社会がすべきこと

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Twitterで「家出少女」と検索すると、多くの投稿が表示された。

撮影:横山耕太郎

大阪市で行方不明になっていた小6女児(12)が栃木県内で保護された誘拐事件で、複数の報道では、12歳の少女がTwitterで「家出したい」などと発信し、それを見た容疑者の男(35)が少女にダイレクトメッセージを送り犯行に及んだという。

SNSを原因とする犯罪被害は未成年で増加傾向にある。Twitterだけの問題ではなく、携帯事業会社、そしてスマホを買い与える親にも課題が突き付けられている。

「面白半分でやってしまうのでは……」

事件をきっかけに、子どもにスマホを持たせている親の間では、SNSで子どもが事件に巻き込まれるリスクをめぐる話題で持ちきりだ。

「Twitterで赤の他人とつながるようなことも面白半分でやってしまう気がする。簡単に他者とつながれることが怖い」

小学3年生の娘(9)に携帯電話を持たせている、都内在住の会社員女性(42)は不安がった。

「スマホやSNSに特化したルールは特に設けていない。丁寧に伝える積み重ねしかない気がします」

中学生の娘(15)にスマホを持たせている40代の女性も、今回の事件を受けて、どのようにスマホを使わせていいのか頭を悩ませていた。

高校生で増えるSNS被害

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出典:警察庁少年課「平成30年におけるSNSに起因する被害児童の現状」

警察庁少年課の調査「平成30年におけるSNSに起因する被害児童の現状」によると、SNSが原因で事件に巻き込まれた18歳未満の男女は、2018年は1811人、そのうち小学生は55人だった。調査によると、被害数は前年と横ばいだが、高校生で増加が続いている。

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出典:警察庁少年課「平成30年におけるSNSに起因する被害児童の現状」

SNS別でみるとTwitterが718人と最多で、 ひま部が214人、 LINEが80人だった。Twitterが4割を占めており、Twitterに起因する被害が多いことが分かる。

Twitter「13歳未満は利用禁止」

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REUTERS/Thomas White

そもそも、Twitterは13歳未満のサービス利用を禁止しており、今回の事件で被害にあった女児はサービスを使えないはずだった。しかし、Twitterのアカウントは、生年月日の入力を偽れば、簡単に作成できてしまうのが実情だ。

Business Insider Japanは、Twitter Japanに対して、13歳未満の利用を規制するために、携帯電話会社と連携するなど対策を行う考えはあるかどうかや、再発防止策についてどのように考えているか、また、今回の事件の発端となった「家出少女」や「泊めてください」などの投稿については対応しているかについて質問した。

Twitterからの返信には、13歳未満の利用についてどう対策をとるのか、具体的な対応については回答がなかった。

「Twitterプライバシーポリシーに記載しているように、Twitterのサービスはお子様を対象とはしておらず、13歳未満のお子様によるTwitterのサービスの利用は禁止されています。Twitterは執行機関および捜査機関向けの専用連絡窓口を常設しており、適用のある法律に従い法的手続きに対応しています」(Twitter Japanからの回答)

LINE、IDで検索できず

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LINEは年齢確認で使用できる機能を制限している。

撮影:小島寛明

一方、LINEでは携帯電話会社の登録情報を利用した年齢確認を行っており、18歳未満は使える機能が制限される。LINEのIDを作成する際には携帯電話の登録が必要で、携帯電話の利用者の年齢が18歳未満であれば、IDでの検索ができなくなっている。掲示板などにLINEのIDを書いても、探すことができない仕組みだ。

「ただし、携帯電話の利用者が親になっている場合などでは、ID検索ができてしまう。携帯電話ショップには利用者本人に登録してもらうよう呼びかけている」(LINE広報担当者)

スマホはフィルタリング義務化

携帯ショップ写真

shutterstock/aodaodaodaod

携帯電話事業会社も対策を講じている。18歳未満が携帯電話に加入するためには、有害サイトに接続できないようにするフィルタリングを、携帯事業者が設定することが2018年から法律で義務付けられている。

NTTドコモでは、年齢に応じて利用できる範囲を制限するフィルタリングサービスを提供。小学生、中学生など4段階から選択でき、年齢に応じてアクセスできるサイトや、利用できるアプリの種類などが増えていく仕組みという。

同社広報によると、4段階のフィルタリング全ての初期設定では、Twitterは利用できない。LINEについては「高校生プラス」というフィルターのみ利用可能だ。フィルターを使用していても、親が同意すれば個別のアプリも使用可能になるという。

フィルタリングにも課題はある。総務省によると、携帯大手3社の2019年5月契約分のフィルタリング加入率は60%で、その中で、設定を完了したのは74%となり、実際にフィルタリングを利用しているのは半数以下だった。スマホを使う子どもがアプリ制限を嫌がったり、待ち時間の長い店頭での設定を敬遠したりすることなどが原因という。

「Twitter、規制が必要」

子どもとスマホ

専門家はTwitter側の対応の甘さを指摘する(写真はイメージです)。

gettyimages/Keiko Iwabuchi

ITジャーナリストの三上洋氏は、Twitter上に違法売買が疑われる投稿が散見されるなど、運営側の対応が甘いと指摘する。

「『家出少女』に大人が群がり、少女との出会いの場になるなど問題が山積している。ここまで事件が頻発する事態になれば、ある程度の規制は必要だ」

また、子どもを守るためには、親が子どもの使っているサイトやアプリを把握したり、利用時間をチェックできる機能「ペアレンタルコントロール」の利用が有効だと話す。アップルやグーグルなどがデバイスの利用の際にオプションでつけているサービスだ。

「子どもが利用するアプリがどんなものなのか、親も知る必要が出てくる。アプリの利用時間も制限できるので、子どもと会話しながら、『このアプリは1時間でいい?』などとコミュニケーションが生まれる。会話することが子どもの心理的ブレーキになる」

それぞれに課題抱える

子どものSNS利用を取り巻く現状は問題も多い。

本来禁止されている13歳未満でもTwitterを利用できる点だけでなく、フィルタリングの普及にも課題がある。また携帯電話を買い与える親にしても、子どものSNS利用をコミュニケーションの積み重ねできちんと把握するなど、子どもを守っていく必要がある。

私たちの生活から切り離せないSNS利用と社会がどう向き合うかが問われている。

(文・横山耕太郎)

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