「市場はまだ考えていない」ブラックロックCEO、2020年のアメリカの政治的混乱を懸念か

ラリー・フィンク

ブラックロックのCEO、ラリー・フィンク氏。

AP

  • 資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のCEOラリー・フィンク(Larry Fink)氏は、2020年のアメリカにおける政治不安と、投資家がそのリスクに気付いていないように見えることを懸念しているようだ。
  • 政治学者のイアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏は、民主党がトランプ大統領に対する"有罪宣告"を試み、それに失敗すれば、2020年の大統領選で負けた陣営はその正統性に異議を唱え、連邦議会が機能しなくなる可能性があるという自身の見解をフィンク氏に伝えた。
  • フィンク氏はこれに対し、「そうした懸念について、わたしも完全に同意見だ。市場はまだそのことについて考えていない」と言葉を返したと、ブレマー氏は語った。

ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏は、2020年のアメリカにおける政治不安と、投資家がそのリスクに気付いていないように見えることを懸念しているようだ。

政治学者で、政治リスクのコンサルティング会社ユーラシア・グループの社長でもあるイアン・ブレマー氏は、2020年の"危機"に対して自身が抱いている恐れを、フィンク氏も共有しているという。

「クライアントで友人のラリー・フィンクと数週間前に一緒にいたとき、彼はわたしに、一番心配なことは何かと尋ねた」とブレマー氏は11月、ファースト・リパブリック・バンクのインベスター・デーで語った。

ブレマー氏は、民主党がトランプ大統領に対する"有罪宣告"を試み、それに失敗すれば、2020年の大統領選で負けた陣営はその正統性に異議を唱え、連邦議会が機能しなくなる可能性があるという自身の見解をフィンク氏に伝えた。すると、フィンク氏は「そうした懸念について、わたしも完全に同意見だ。市場はまだそのことについて考えていない」と話したという。

ブレマー氏はインベスター・デーで、自身の見解をさらに詳しく説明した。

現在行われている弾劾審議の「圧倒的に起こりそうな結果」は、トランプ大統領が下院で弾劾されても上院では弾劾されない事態だと、ブレマー氏は言う。この結果を武器に、トランプ大統領は再選を目指し、「ウクライナやバイデン、その他あらゆる物事について自身が関与してきたような職権乱用を続ける権限が与えられたと感じる」と、同氏は続けた。

「これは、弾劾されないまたは弾劾の公聴会を開かないことよりも悪い。なぜなら、多くの人が2020年の選挙は正統なものでないと感じることになるからだ」

人々は選挙が他国の介入にあったと疑えば訴訟を起こし、トランプ大統領は法的な影響なしに他国の助けが得られると考えるだろうと、ブレマー氏は予想している。選挙のボイコットを呼びかける動きが出てくる可能性もある。民主党の候補指名を獲得できなければ、上院議員のバーニー・サンダース候補とその支持者はこうしたボイコットの動きをさらに拡大させる可能性があると、ブレマー氏は見ている。

「2020年には、短期間で憲法上の危機が起こる可能性が高い」とブレマー氏は指摘する。「選挙そのものが正しくないという感覚だ。選挙の結果は、それが誰であれ、負けた側によってそのように認識されるべきではない」

ブレマー氏は、トランプ大統領が負ければ、大統領は選挙結果を不正操作されたものだとして退けるだろうし、民主党候補が負ければ、民主党陣営は他国の介入のせいにするかもしれないと説明する。どちらにせよ、政治的な混乱が起こるだろう。

「数カ月にわたって、人件費の確保や日々の必要事項といった問題について、連邦議会が協力を拒否するのが想像できる」とブレマー氏は言う。

「世界経済が悪化する中、こうした状況での議会のゼネストは2020年の大きなリスクの1つだ。わたしがユーラシア・グループを立ち上げてから、これほど大きかったことはない」

[原文: 'The markets are not thinking about it yet' — BlackRock boss Larry Fink reportedly expects political turmoil in 2020

(翻訳、編集:山口佳美)

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