TikTokの親会社が新疆ウイグル自治区での弾圧に加担…オーストラリアの研究所が報告

TikTokの親会社は中国共産党と協力しているとの報告があった。

Reuters

  • オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が発表した新たな報告書によると、ビデオ共有アプリ「TikTok」 を所有するByteDanceは、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に対する人権侵害を促進するため、中国政府と緊密に協力しているという。
  • 「中国ハイテク企業によるさらなるマッピング:人工知能と監視システム」と題されたこの報告書は、中国の大手ハイテク企業が人気のあるアプリやウェブサイトに組み込んだ人工知能を利用して政府による監視や検閲にどのように関わっていたかを検証している。
  • ASPIは、ByteDanceが「新疆ウイグル自治区を含む中国全土の公安当局と協力し、新疆ウイグル自治区に関する党と国家のプロパガンダを広める上で積極的に役割を果たしている」として非難した。
  • TikTokは、アメリカの17歳の少女のアカウントを停止して注目を集めた。彼女は、メイクアップチュートリアルを装って、新疆ウイグル自治区における中国政府の弾圧を批判した動画を投稿した。

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が発表した新たな報告書によると、ビデオ共有アプリTikTokを所有する中国企業が、新疆ウイグル自治区のウイグル族に対する人権侵害を促進するために中国政府と緊密に協力しているという。

「中国ハイテク企業によるさらなるマッピング:人工知能と監視システム」と題されたこの報告書は、中国の大手ハイテク企業が人気のあるアプリやウェブサイトに組み込んだAIを利用して、政府の監視や検閲にどのように関わっていたかを検証している。

ビデオ共有アプリとして旋風を巻き起こしたTikTokの親会社であるByteDanceは、ファーウェイ、テンセント、アリババなど他の中国の主要テック企業とともレポートの中で言及され、「彼らは極めて非倫理的な行動をとり、その活動が新疆ウイグル自治区での大規模な人権侵害を直接支援し、助長している」と述べられている。

中国は新疆ウイグル自治区で収容所や再教育キャンプに人々を送り込んでいると非難されている。施設に収容されていた人々への聞き取り調査では、殴打や食事の剥奪、囚人への医学的実験の疑いが明らかになった。

中国は再教育キャンプの存在を認めているが、施設での虐待は繰り返し否定している。

ASPIは調査の中で、ByteDanceを名指しし、同国の厳しい検閲を施行するために共産党と協力していると非難した。報告は「ByteDanceは、新疆ウイグル自治区を含む中国全土の公安当局と協力しており、新疆ウイグル自治区に関するプロパガンダを広めるのに積極的な役割を果たしている」としている。

ByteDanceはバイラルビデオアプリの2つのバージョン、中国向けの「Douyin」と国外向けの「TikTok」を運営している。TikTokは世界で最もダウンロード数の多いスマートフォンアプリの一つで、すでに150以上の国の市場に参入している

ASPIが引用した以前の報告では、2018年には「新疆ウイグル自治区インターネット警察」がDouyinに存在しており、「新しい公共セキュリティとインターネットソーシャルガバナンスモデル」を作り出していた。

ASPIはまた、中国公安部の新聞宣伝局がByteDanceとの契約に署名したとする最近の報道も引用した。この契約により、公安部の職員はプロパガンダを推し進めるために独自のDouyinアカウントを持つことができるようになった。また、ByteDanceは「警察とのオフラインでの協力関係を強化し」とも述べているが、この提携が何を伴うのかは不明だ。

ByteDanceの代表者はBusiness Insiderに対し、Doyin上の警察のコンテンツに関与しないとし、「ユーザー生成型コンテンツプラットフォームであるDouyinは、市民団体や法執行機関を含む個人、組織、団体がユーザーアカウントを開設できる」と述べた。

「他国のソーシャルメディアが、法執行機関等の組織が犯罪防止などの目的でアカウントを作成することを許可しているのと同じだ。Douyinはユーザーが生成したコンテンツに関与せず、ツイッターやフェイスブックと同じように、すべてのユーザーにプラットフォームを提供する」

また、「ByteDanceは監視に関連する製品やサービスを作成、運用、または配布しない」と付け加えた。

TikTokの関係者はBusiness Insiderに対し、「では、中国に関する内容でコンテンツが削除されることはない」と述べた。

「中国政府から削除を求められたことはないし、求められたとしても削除しない。我々は中国政府を含むいかなる外国政府からも影響を受けていない。TikTokは中国では運営されておらず、今後も運営する予定はない」

TikTokの関係者は、「初期には、プラットフォーム上での衝突を最小限に抑えるために単刀直入なアプローチを取っており、以前のバージョンのガイドラインでは、世界中のいくつかの地域にまたがる宗派や民族間の衝突を助長するようなコンテンツに対して罰則を与えることができた。その古いガイドラインは時代遅れで、もう使われていない」と付け加えた。

さらにASPIは、アリババやファーウェイなど他の大手IT企業も、新疆ウイグル自治区でクラウドコンピューティングや監視技術を提供していると付け加えた。

10月、アメリカは新疆における人権侵害を助長したとして非難されている中国の28の団体と企業をブラックリストに載せた。そして11月初め、情報筋がロイターに語ったところによると、アメリカはByteDanceが2017年にソーシャルメディアアプリの「Musical.ly」を10億ドルで買収した後、調査を開始したという。

TikTokは、フェローザ・アジズ(Feloza Aziz)さんというアメリカのティーンエイジャーのアカウントを停止して注目を集めた。アジズさんは、メイクアップチュートリアルを装って同アプリに中国政府による新疆ウイグル人弾圧を批判する動画を投稿した。

TikTokは11月27日にウェブサイトに掲載した声明の中で、アジズさんのアカウントを一時停止した最初の決定を支持したが、そのプロセスは「完璧ではない」と述べて謝罪した。

新疆ウイグル自治区の人口は約1000万人で、ウイグル人など少数民族が多い。5月、ランドール・シュライバー(Randall Schriver)米国防次官補は、「少なくとも100万人、おそらく300万人近くの市民」が収容所に拘禁されていると述べた。

ワシントンに本部を置く東トルキスタン国家覚醒運動が11月初めに公開した衛星画像によると、新疆ウイグル自治区には、拘禁施設、強制労働キャンプ、刑務所をみられる施設が少なくとも465カ所にあるとされている。

そして先日、「China Cables」と呼ばれる中国政府の機密文書が漏洩し、報酬、罰則、家族との面会に直接結びつくポイント制度やドアを二重して脱出を防ぐことなどを記した収容所運営のマニュアルの存在が明らかになった。

[原文:Report claims TikTok parent company ByteDance is working with China's Communist Party to spread propaganda on Xinjiang

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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