令和初のおせちのトレンドは?
Taisuke Kato/Getty Images
もうすぐ2020年。新年はおせち料理がないと始まらないという人は依然、多そうだ。
楽天の調査によると、20代、30代でも半数以上がおせちを食べるといい、おせち料理は世代を問わず浸透している。近年のおせちのトレンドを見てみると、1人用の「ぼっちおせち」が人気を集めているほか、ペット用のおせちも売り上げを伸ばしている。
20代、30代の過半数「おせち食べる」
出典:楽天「おせちに関する意識調査」
楽天では、9月17日からの2日間、20~60 代の男女1000名に「おせちに関する意識調査」を実施した。
2020年の正月におせちを食べるかどうかを質問したところ、61%が食べると回答。20代では54%、30代も53%が食べるとしており、若い世代にもおせち文化は根付いているようだ。
おせちを買うか作るかについては、おせちを食べると答えた人のうち、「購入したおせちと、作ったおせちを組み合わせる」が28%と最多だった。重箱入りおせちを購入(20%)、単品のおせちを購入(15%)を合わせると、おせちを購入している人は3人中2人程度となり、おせちの購入は珍しくないという結果になった。
コンビニ「ぼっちおせち」
コンビニでも1人用の「ぼっちおせち」は人気の商品だ。
撮影:横山耕太郎
ここ数年、じわじわと人気を集めているのが、1人で食べる「ぼっちおせち」だ。楽天によると、「1人前おせち」の11月の売り上げ(予約含む)は、前年比で約3割増加しており、コンビニ各社も1~2人用の少人数向け商品を販売している。
セブン&アイ・ホールディングスによると、1人向けおせちの売り上げは年々増加しているという。セブンイレブンでは、2019年の正月には旅館「加賀屋」が監修したおせちは、2段重のみ販売していたが、2020年は2段重(税込み2万1600円。冷凍、宅配のみ)に加え、新しく「加賀屋監修おせち1段重」(同1万800円。冷蔵、店頭引き渡し)も発売する。より小ぶりでも一流の味が、おひとりさまでも十分楽しい“ぼっちニーズ”に応えてくれる。
また1人用では、価格を抑えた「和のおせち小鞠」(同5400円。冷蔵、店頭引き渡し)も、例年人気の商品だという。
「世帯人口が減り、また高齢の世帯も増えたことから、ちょっとずつ食べられる1人用のおせちのニーズが増えている」(セブン&アイ・ホールディングス広報)
出社して、まずはおせち
楽天らが開発したオフィス用のおせち。1人用サイズにしており、取り分ける必要がない。
提供:楽天
楽天では2020年の新しいおせちとして、新年にオフィスで食べる「オフィスおせち」を、料理のネット販売などを行う「博多久松」と共同開発。おせちの発送は年末の配送が期限になっていることが多いが、オフィス用のおせちは初出社を狙い、1月6日に配送可能にした。1段重3~5個を1セットで販売。価格は3個が税込み8940円、5個が同1万4900円。
楽天によると、正月に限らず人が集まる際にはおせちの需要があるといい、以前発売した「母の日おせち」が好調だったほか、「クリスマスおせち」も人気がある。そこで、仕事始めに会社で食べるオフィス用おせちの企画が生まれたという。
「中小企業など家族のようにコミュニケーションをとっている会社もある。初出社してみんなでおせちを食べるというのが、令和の新しい習慣になるかもしれません」(楽天広報)
ペット用「売り上げ5倍に」
ドッグダイナーが発売している犬用の「年越しそば、お雑煮、お汁粉」。
提供:ドッグダイナー
大きく売り上げを伸ばしているのが、ペット用のおせちだ。楽天によると、2020年向けペット用の11月のおせちの売り上げ(予約含む)は、昨年に比べ5.3倍になっているという。
ドッグフードの生産販売を行う「ドッグダイナー」の犬用おせちは、黒豆などに加え、ラム肉や天然ぶり、鯛などを使用した料理が真空パックで届く。料理の種類が違う2パターンがあり、値段はそれぞれ税込み5720円。また犬用の年越しそば・お雑煮・お汁粉のセットも人気だという。
同社では7年ほど前から犬用おせちの販売を開始。年々売り上げは伸びているといい、この11月は前年よりも2割多くおせちの予約が入ったという。
「素材にこだわるだけでなく、SNSで見栄えのよい商品も売れている。今年は2段重の売り上げがいい。令和初めてのお正月、ペットと一緒に楽しんでほしいです」(ドッグダイナー広報)
令和初のおせち、皆さんはどう楽しみますか?
(文・横山耕太郎)