グーグルは、自社ハードウェア製品群(Made by Google)を続々と日本で展開している。
撮影:小林優多郎
グーグルのスマートホーム製品「Google Nest」シリーズの最新モデルが日本でも11月から続々と発売となっている。
グーグルと言えば、検索サービスやYouTube、G Suiteなどのウェブサービスのほかに、スマートフォンの「Pixel」シリーズなどのハードウェアビジネスも展開している。
だが、正直なところGoogle Nestは、“スマートホーム新興国”の日本では、まだまだ知名度が低い。
最新のスマートディスプレイ「Google Nest Hub Max」(税込2万8050円)と無線LANルーター「Google Nest Wifi」(税込1万9800円)を自宅に導入してみると、その機能や実力がわかってきた。
詳細は後述するが、Nest Wifiについては、マンション設置などネットワーク環境次第では、既存ルーターよりも速度が大幅に遅くなるケースがあることも見えて来た。
6月に日本上陸した「Google Nest Hub」と比較すると、「Google Nest Hub Max」の大きさが際立つ。
Google Nest Hubは7インチ、Google Nest Hub Maxは10インチのタッチディスプレイを備える。
設置する場所さえ用意できれば、基本的に大きくて困ることはない。家にスマート家電が増えてきているなら特にそうだ。
Nest HubシリーズはChromecast built-in端末でもある。YouTubeやSpotifyはもちろん、PCやスマホの画面も表示できる。
Nest Hub Maxだけの特徴もいくつかある。そのうちの1つが前面のカメラ。動画や音楽再生中に手をかざすと一時停止・再生の操作が可能。
グーグルのビデオ通話サービス「Google Duo」も利用できる。
事前に顔を覚えさせておくと、「ディスプレイを見ている人」を認識して、その人に応じたコンテンツを表示する。
例えば、自分のGoogleアカウントを紐づけていても、ほかの家族や遊びに来た友だちが「OK, Google. 今日の予定は?」と聞いてもカレンダーの中身を暴露されずにすむ。
少し不安に感じたのは「ホームモニタリング機能」。事前にHomeアプリで設定しておくと、監視カメラのように使える機能だが……
ホームモニタリング機能は、スマートフォンからNest Hub Maxのカメラを起動させて周囲の様子を見る機能。
家族とはいえ、カメラで見られることに抵抗がある人もいる。スイッチでオフにもできる。
カメラをオフにしているときは、カメラの隣のLEDがオレンジ色に光る。
ホームモニタリング自体もオフにできる。見守り用途に使いたい人は、家族と相談しておこう。
Nest Hub Maxは超音波センサーも装備。人が近くにいるのを認識し、表示内容を自動変更する。
写真はどちらも「明日の東京の天気は?」と聞いた結果だが、近くで聞いた時(写真左)と比べて、離れて聞いた時(右)の方が文字が大きく情報量を絞った内容になっている。
Nest HubシリーズとNest Wifiは環境次第ではいい相棒。Nest HubからQRコードなどで来客用ネットワークの情報を表示できる。
QRコードはiPhoneでもAndroidでも読み込める。
Google Nest Wifiは見た目はとてもシンプル。しかし多機能な無線LANルーターだ。ただ、筆者は自宅への本格導入は見送った。
理由はシンプルで、自宅マンションのネットワーク環境とNest Wifiの組み合わせでは十分な速度が出ないから。
筆者はドコモ光 plala(Sコース)を契約中。普段は国内メーカーの対応ルーターでIPv6(IPoE)接続していて不自由は感じないが(写真右)、Nest WifiはIPoEに非対応のため十分な下り速度が出ない(左)。
今回試した限りでは、Google Nest Wifiについては、自宅のネットワーク環境に左右されるところが大きく、万人にオススメできる製品とは言えない部分がある。例えば、特にマンション住まいで「PPPoE」「IPoE」と言われて何のことかわからない場合は、導入すべきか詳しい人に相談したほうが良いだろう。
一方、スマートディスプレイのNest Hubシリーズはいずれも良いものだ。 置く場所に余裕があるなら、Nest Hub Maxがオススメだ。
価格差はNest Hub Maxが2万8050円なのに対し、Nest Hubが1万5400円(いずれも税込の直販価格)とほぼ2倍の差がある。大画面、カメラ、超音波ディスプレイは“ながら作業”のお供や家族やペットの見守りなどの用途を想定しているのであれば、Maxを買ってもメリットの方が多いと感じた。
(文、撮影・小林優多郎)