Reuters
- フェイスブック(Facebook)が運営する、熱狂的な人気の写真・動画シェアアプリ、インスタグラム(Instagram)が「いいね!」をなくすという大がかりな仕様変更の試運転を始める。
- 「いいね!」非表示の動きは議論を呼び、責任者のアダム・モッセーリ氏は「我々が『いいね!』を非表示にする目的は、若者のために、インスタグラムのプレッシャーを少なくすることだけだ」と説明した。
- しかし「いいね!」の非表示化には、もっとビジネスライクな別の理由があるとCNBCの記事は解説する。フェイスブックは「いいね!」を非表示にすることでユーザーの投稿が増えると予想しているのだ。
インスタグラム(Instagram)が大きな変革に踏み出した。熱狂的な人気を誇るインスタグラムの「いいね!」数を非表示にするという大がかりな変更を一部のユーザーに実施する。
自分の投稿についた「いいね!」の数は引き続き確認できるが、他のユーザーからは見えなくなるという変更で、責任者のアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)氏は「若者のためにインスタグラムのプレッシャーを少なくする」と説明する。
つまり、もし他人の投稿についた「いいね!」の数が見えなければ、自分の投稿が「いいね!」の数で劣っていても気を落とさないで済むという理屈だ。「人々の幸福や健康のためなら、我々はビジネスに引き合わない選択も行う」とモッセーリ氏はWired25に今年の11月半ばに話した。
しかしCNBCの記事によると、この説明がすべてではないという。フェイスブック(Facebook)のグロースチームやデータサイエンスチームは「いいね!」を非表示にすることで、ユーザーのアプリ利用率が上昇するかも知れないと考えているようだ。
簡単に言えば、「いいね!」機能がない方がユーザーの投稿は増えるということだ。
予想ではさらに、投稿が増えるだけでなく、ユーザーがより長時間アプリを利用するようになり、広告収入増加につながる可能性もあるという。これに関するBusiness Insiderの質問に、インスタグラムからの返答はなかった。
モッセーリ氏はこれまでも、今回の仕様変更が及ぼす影響について説明しているが「いいね!」数の非表示化については、インスタグラムの健全化のための企業努力だと繰り返している。
モッセーリ氏は「若者のためだ」と11月半ばにWired25にも話している。
「目的はユーザーのためにインスタグラムによるプレッシャーを少なくすることで、より多くの人が参加でき、関心のある人物やインスパイアされるような物事と繋がることに集中できる余地を作ることにある」
現在はまだテスト段階で、インスタグラムは恒常的な仕様変更について公式な発表を行なっていない。だがすでに1つ、インスタグラムの掲げる意図にはないところで反響が出ている。インフルエンサーや有名人といったインスタグラムの最も大事なユーザーたちが「いいね!」を非表示にするなら、インスタグラムを辞めると言っているのだ。
モッセーリ氏は、変更によってユーザーの利用率が上昇するといった別の反響もあり得るかもしれないが、それが目的ではないと説明した。
「恐らく、一部のユーザーのインスタグラム利用率に影響を与え、『いいね!』を押すことが少し減り、投稿が少し増えるだろう」とモッセーリ氏はツイッターに投稿した。
「だが、我々が(テストを通じて)学び取ろうとしているのは、このことが人々の感情にどう影響するのか、ということだ」
[原文:There might be another reason Instagram is testing hiding 'likes': to get you to post more ]
(翻訳:忍足亜輝、編集:Toshihiko Inoue)