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- ライナー・ツィテルマンは、資産家を対象に心理学的な研究を行い、彼らが共有している性格特性の一つが「権威への嫌悪」であることを発見した。
- ツィテルマンは、権威に対する問題に加えて、超富裕層は、Business Insiderが報じたように、普通よりも新しい経験を受け入れやすく、外向的であることも発見した。
- 本などに影響されて何かをするのではないことは、彼らの成功の一因かもしれないとツィテルマンは述べた。
超富裕層の多くは偉大なリーダー(指導者)だが、それは指導されるのが上手だということではない。
ドイツの研究者ライナー・ツィテルマン(Rainer Zitelmann)は、世界の資産家40人以上を対象に心理学的な研究を行い、その多くが共有している性格特性の一つが権威に対する反感であることを発見した。「私は彼らを非順応主義者と呼んでいる」とツィテルマンはBusiness Insiderに語った。
「彼らの多くは、人生における早い時期での学校など、権威的なものとトラブルを起こしていた」
彼がインタビューした超富裕層、起業家や投資家は、少なくとも1100万ドル(約120億円)の純資産を持っていた。ツィテルマンは彼らに「特性5因子モデル」をもとにした50の質問に答えてもらい、結果を分析して書籍『The Wealth Elite(富のエリート)』にまとめた。
被面接者の命令を受けることへさえ嫌悪感を見せたその特性は、彼らの職業生活に影響を与えている。インタビューを受けた45人のうち40人は、そのキャリアのほとんどの期間で自営業だった。
権威の問題に加えて、以前にBusiness Insiderが報じたように、ツィテルマンは超富裕層は「神経質でなく、好意的でもないが、誠実さが高く、新しい経験を受け入れやすく、普通よりも外向的である」とも述べている。
著名な億万長者の何人かは、ツィテルマンが指摘した権威に対しての問題を示したことで有名だ。CNNの創設者であるテッド・ターナー(Ted Turner)は学校の規則に反してガールフレンドを寮の部屋に同居させてブラウン大学を退学になった。また、ウォルター・アイザックソンが書いた伝記によるとスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は権力者たちに敵意を持ち、「支配に対する強迫観念」を持っていた。
ツィテルマンはBusiness Insiderに対し、この結果に驚いていないと述べた。「理にかなっていると思う」と彼は言った。
「他の誰もと同じような方法で物事を行えば、ビリオネアになることはなく、5億ドルや数十億ドルを手にすることはない。あなたは他の人とは違う考え方をして、違う行動をとらなければならない」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)